第14話 VTuberを企画する部署へ
帰宅後
一旦、冷静になったオレは、ひまちゃんにメッセを送ろうとしていた
今日、会社でビックリしたことがあったんだ!
なんと!
うちの会社でVTuberをプロデュースすることになって、ボクも関連部署に異動することになったんだよ!
ボクになにが出来るかは分からないけど、大好きな世界に関われることにワクワクしてるよ(^^)
「よ、よし、こんな感じでいいかな?」
何度目かの書き直しのあと、送信ボタンを押す
ひまちゃんとは、あれからよくやり取りをするようになっていた
日ごろの何気ない会話が多いが、たまに今日の配信も面白かった、ありがとー!、などのやり取りもさせていただいている
リスナーとしてこんな嬉しいことはない
、、というか、なんか花守りのみんなに悪いというか、ズルい気がして、ひまちゃんの活動についてはなるべく触れないように意識していた
(花守り:花咲ひまわりのリスナーネーム)
でも、我慢できないことがたまにあって、そのときはどこが面白かったか、可愛かったか、などを直接伝えてしまっていた
オレはスマホのマナーモードを解除して洗濯物に手をかける
ひまちゃんから返信がきたらすぐ気付きたいからである
洗濯物を半分ほど片付けたころ、
ピロンッ
とLINEの通知音がなった
オレは片付けをすぐにやめてスマホを手に取る
えー❗️そうなんだ❣️
ひまたちとおんなじお仕事するってこと⁉️
もしかしたら、一緒にお仕事できちゃうかも♡
あ、でもキミが配信するわけじゃないのかな❓
そうだね!ボクが配信をすることはなくて、スタッフとして働くことになると思うよ!
企画考えたり、マネージャー的なことやるんじゃないかな!?
ボクもひまちゃんとお仕事することが出来たら嬉しいな✨
送信
ひまちゃんからはすぐに返事がきた
ふ〜ん、、マネージャーかぁ(*⁰▿⁰*)
配信する子って、女の子❓
えーと、たぶん女性なんじゃないかな?
うちはお菓子メーカーだから、女の人の方がターゲット層には共感できると思うし
へ〜〜そうなんだぁ〜
どんな子なの❓
え、えと、まだどんな人が配信するのか聞いてないよ(汗
なるほどね(*'ω'*)
じゃあ、どんな子かわかったらすぐ教えてね❣️
はい!了解しました!
ピロンッ
、、、(*'ω'*)
ピロンッ
、、、( ᯣωᯣ )ジーーーッ
ピロンッ
、、、٩(๑`^´๑)۶
え、えと(汗
ひまちゃん、どうかしたかな❓❓
しらな〜い٩(๑`^´๑)۶
え、え〜と(汗
ひまのことすき❓
もちろん大好きだよ!!
ふむふむ(*'ω'*)
ひまのことが1番すき❓
世界で1番大好き!
まぁなら許そうかなぁ(*'ω'*)
とにかく、どんな子かわかったらすぐ教えてね❣️
わ、わかりました!
そこで、ひまちゃんとのやりとりは一旦とまった
「ふぅぅぅ、なんだったんだろう、、、」
ひまちゃんから謎の圧を感じて、すさまじく焦ったが、なんとかお許しをいただけたようだ
、、、なにを許してもらったのかはわからないが
・
・
・
1ヶ月後
「先輩!今までお世話になりました!」
「おう!新井くんも元気でな!」
「はい!」
今日は新しい部署へ異動する日だ
オレは社長に新しい部署の話をされてから業務の引き継ぎをはじめて、なんとか1ヶ月で完了
細かいところでわからなかったら、異動してからも質問してください、と伝えてある
会社にはチャット機能があるアプリが導入されているし、先輩なら気軽に聞いてくれるし大丈夫だろう
引き継ぎ体制は整ったと思う
「まぁでも同じ建物内だし、どこかで会うこともあるだろうけどね」
「ははっ、たしかにそうですね」
新しい部署は同じビル内の別の階に新設された
今いるのが6階で、新部署は地下1階である
食堂などは共通なので、日常的に先輩に会う可能性は全然高い
「では、失礼します!」
「あぁ!またな!」
そうやりとりして、オレは新しい部署に向かうことにした
新しい部署には、エレベーターで地下1階までおりて、廊下を少し歩く
地下ということもあり窓はないが、とくに薄暗いという印象はない
「よし!」
少し気合を入れてドアに手をかける
ピッ
社員証をかざすと鍵が解錠される
ガチャ
「おはようございます!」
うるさすぎず、それなりに元気な声で挨拶する
「あ、おはようございます、、」
同じ部署に配属された同僚が挨拶を返してくれる
元気が無さそうな返事をしてくれた彼女は、鈴村さん
オレと同じタイミングで部署異動になった新人だ
新人というのは、この部署では、という意味でなく、今年度入社らしいので、社会人としても新人である
まぁオレも入社して1年とちょっと、2年目だからたいして変わらないのであるが
「今日からよろしくね!鈴村さん」
「はい、、こちらこそよろしくお願いします、、」
やはり元気がなさそうな返事
新しい部署で緊張しているのだろうか?
顔合わせをしたときは、もう少し元気だったような気がしたのだが、、
「課長はまだ来てない?」
「はい、まだいらしてないです」
この部屋にはまだオレと彼女しかいなかった
新しい部署ということで、一般社員はオレと彼女の2人、上司として課長が1人くるはずなのだが、その人とはまだ会ったことがなかった
ちなみに、部長はさらに上の人が兼任するとのことで、この部署にはほとんど来ることはないだろう
デスクは10名分用意されていて、隣に打ち合わせスペースがある
これを無くせば、倍くらいの人数は働けそうな広さなので、2人だけしかいないというのは、少し物寂しくはあった
十分すぎる広さである
オレは鈴村さんの向かいにある自分のデスクに腰かけながら、PCの起動ボタンを押す
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