第5話 午前0時、イカボーナスとアディ射なるタイム
──陰陽師協会本部、3月29日(日)午前0:00、とある一室での事。
六級にも満たない七級陰陽師、小鳥遊詩果が、任務に当たった際想定外の階級の第五階級の八刃魔蛛に遭遇し、これを対処し、処理だとの報告を記録係の隠密部隊から式神で報告を受けた。
小鳥遊一族とは、小鳥遊両善が開祖。
代々、安倍晴明、安倍一族を補佐する、左腕として常に重宝がられ、右腕と言われた蘆屋道満を開祖とする蘆屋一族と双璧を担っている臣下。
大昔から今のきわ、現代まで力衰えず繁栄してきた中、覚醒遺伝が知らないが、欠陥品と言われた小鳥遊詩果が無能で落ちこぼれの一族の恥で罪。
両親以外に忌み嫌われてる。陰陽界では知らぬ者はいないほど。
「…ふむ。出現の際の反応因子では少なくとも第8階級未満の一般人に多少危害を与える程度の雑魚だったんだがなぁ。なぁ簾舞君」
秘書なのだろう先ほど気配もなく呼ばれた途端にスゥっと現れた知的なクール系な女性、簾舞小夜子、27歳。
右の中指で色っぽく、クイって、ズレた眼鏡のブリッジに触れ、元の位置に押し上げる。
「確かにそうですね…………まぁそれはさておき、会長。そのたんまり溜まった、書類片してくれませんか。良い加減、下が困ってます。
どんだけ溜めれば気が済むんですか?溜めるなら会長の、ホニャララ、だけにして下さい。ホニャララだけにして下さい。
あと書類がイカ臭いとクレームもありますので、就業中はサボらないようお願い致します」
「あっ!!バレちゃったな。いや〜我慢できなくってさ。
なんせ1日三回駆けつ6射戦だからね! ね!!」
「セクハラの為明日、陰陽法務課に訴えてきますので、少々出勤が遅れますので、お願いします。
会長、明日…いや、もう今日ですが、ざまぁ日和ですね、乞うご期待。では夜も更けに更けた時間跨ぎのブラック退勤致します。お疲れ様でした」
「ま、待ちたまえ簾舞君!?!?
ボーナス! ボーナスを僕のポケットマネェエから◯◯万円あげるからやめてぇええええ!!」
椅子から流れるよう、冷んやりしたタイルに膝をつき涙辛々に引き止めるが、秒で撃沈。
取り合って貰えずに、査問委員会に後日呼び出されたのはまた別の話──




