人生には何か大きな変わるきっかけがあるものだ
主人公は男です
私は昔から理解が早かった。知識を咀嚼し、嚥下する。みんなやってることだが、私は人一倍早くそして深く理解できた。ただ、理解が速くても幸せには成れなかった。
◇◇◇◇
食事が終わり、少し家族でゆったりとした時間を過ごしていた。そういえば、あれ?風呂たぶんあるよね?嫌な予感がした。そんな時だ。
「よし、リー風呂に入ろう」
は?おい、子供とはいえ精神的に習熟した私の裸を見せるだと!?いくら男同士とはいえ公序良俗に反している!訴えてやる!呪ってやる!祟ってやる!
「いや〜、一人で入りたいかなって…」
「まだだめだよ、もう少し成長したらね〜」
クソオヤジが、いつか某呪いのビデオをみせてやる。
―――うん、男だったのがまだ救いなのかもしれないな。
最初は抵抗した。3秒後にあきらめ、受け入れ、悟りを開いた。人間って愚かだ。
ちなみに意外にも作りはしっかりとしていた。シャワーも浴槽もあり、しっかりと機能していた。この世界、明かりを見て分かるように電気ではなく魔力という生物が持っているエネルギーが主な動力となっている。そのため、シャワーも浴槽も魔力で動かしていた。魔力万歳。
風呂から出たらすぐに就寝だ。階段を引きずられながら登り、私の部屋に連行され、手刀で意識を刈り取られた。(妄想)
朝、私は目を覚ました。とりあえず下に行く。昨日のことは夢だったのか?とか元の世界に帰りたいとかくだらないことは言わない。元の世界に未練なんてないし、夢のわけがないからだ。そんな程度察することができないやつは大嫌いだ。
階段を降りてみると、両親がいた。こいつらが両親か、まだ少し慣れないな。そんなことを思いつつ、話しかける。朝食の準備中のようだ。
「お父さん今日も仕事?」
ヤバい私ちょー可愛い。純粋な瞳で相手を観ながらものを尋ねたらきっとみんなイチコロだ。罪な男だぜ。
「いいや、今日はお休みだよ。せっかくだから、今日はみんなで魔法の習得にいこうか。」
わーい楽しみー あのね、あのね、私、いつか汚物消毒ごっこするークヒヒッ
「そうね、次いつ休みになるかわからないものね」
「魔法の習得って何するの?」
「将来的に火、水、土、風、氷、光、闇、雷、結界、治癒の魔法に分かれるんだけど、その前の魔法を使うための準備みたいなものかな?軽い魔法が使えるようになるんだよ」
あー、まぁガキに危ない魔法覚えさせるわけないか。
「へー楽しみぃ」
我ながらあざとい。魅力的。
◇◇◇◇
こんにちは、寝起きのクラン・リーです。今私は両親の手により今までと比べるとちょっといい服を着させられています。
り◯ちゃん人形に対する憐れみと尊敬、そして人類への恨みが止まりませぬ。あはははははは
髪までセットされた私は両親と共に今世初外に出た。
家は中庭を挟んで道路に面していた。道路は意外にもしっかりと整備されており、1メートル四方のブロックが横に5つ。それがずっと続いている。
たまに馬車や、未確認飛行人間が視界にはいる。ファンタジーだからね仕方ないね。
人通りはそこそこ、冒険者っぽい人や町娘、なんかを配達している人もいる。
周りを見て周辺地形を頭に入れつつ十数分くらい歩いていると、景色が今まで住宅地だったのが市場に変わっていた。
「ねぇ、リー将来どんな仕事につきたい?」
「どんな仕事があるの?」
「そうだなぁ、父さんみたいに兵士とか、冒険者とか、農家に、教会の職員とか沢山あるよ」
う~んまぁ旅してみたいし
「冒険者!」
笑顔を浮かべながらハツラツとした声で言う。名演技
「そっかぁ、なりたい職業によって習得するスキルは変わるし、夢を叶えるなら早めに努力をしてったほうがいいよ」
遠い目をしながら言う。
この父親は夢破れた側なのだろうか。あとスキルとかあるんだ、へー
―――そんなこんなで教会についた。まさに教会という感じで色付きガラスや白い石でできた女神っぽい像がならんでいる。西方諸国にありそうな建物だ。この世界の宗教はどんな感じなんだろうか?
扉を開けて中にはいるとしっかりと清掃の行き届いた美しい内装が目に入ってきた。きれいな大理石?にシャンデリア、奥では何人かが椅子に座りながら本の朗読をしている。
「すみません魔法の習得に来たものです。お時間大丈夫でしょうか?」
扉の先にいた受け付けの初老の男性に問う。
「どこの所属ですか?」
「クラン家です」
「誰が習得されますか?」
「私の息子、クラン・リーです。あと、これはお布施です」金の入った袋を差し出す。
「承知しました。神父様をお呼びいたしますので少々お待ちください」
その後すぐに神父はやってきた。
「お待たせしました。習得する方はついてきてください」
すっごいダンディなイケオジが出てきたな。
「じゃあリー、行っておいで」
「はい」
神父は私を入って右側にある小部屋に案内した。どうやら、私以外にも習得する子がいるようだ。私と同じくらいの歳の子もいれば、7歳くらいの子もいる。あやすためか、シスターも待機している。
「少しここで待っててね。呼ばれたら返事をして奥の部屋にはいるんだよ」
そう言って神父は部屋を出ていった。
私より先に部屋にいた子が順番に呼ばれていき、すぐに私の番になった。
「クランさん」
「はい」
神父第二に呼ばれて入ってみると、奥の部屋は一面白い石でできており、天井はガラス張りになっていた。柱が等間隔に並び、部屋の最奥には、女神像が祭られており、神秘的な雰囲気を醸し出していた。
「クラン・リー、ついてきなさい」
神父はそう言いながら女神像に歩いていく。そして、女神像の少し手前で立ち止まり、祈るようなポーズを取るように指示された。
「ここで女神様に祈り、魔法を使用できるようにしでいただきます。今から言うことを私のあとに続いていってください。」
「わかりました」
「私クラン・リーは、女神様を称え、尊敬と畏敬の念を忘れず、感謝し、信仰を捧げることを誓います。」
すげー、滑舌良すぎない?
「私クラン・リーは、女神様を称え、尊敬と畏敬の念を忘れず、感謝し、信仰を捧げることを誓います」
直後、部屋に光が発生した。つよい光に、目を閉じてしまう。すぐに光は収まり、目を開けてみると何事もなかったかのように神父は立っていた。えっ?終わり?演出安っぽすぎない?
「これで終了です。軽く魔力の使い方が載っている本を進呈しておきます。ご活躍を願っています」
「ありがとうございました」
身体に全く変化がない。ほんとに使えるようになったのか?
特に何事もなく部屋から出て、両親と会った。
「どうだった?」
どうもこうもないよ…
「よくわかんない」
「まぁ、そんなもんだよね」
クスリと笑いながら言う。
私たちは神父に礼を言って帰路についた。
―――家について私はすぐに自分の部屋に閉じこもった。
神父からもらった本を開く。少し荒いが、前世でも見た紙で作られている。内容的にはこうだ。
1自分の身体を意識して魔力を感じよう!
2魔力を意識できたら体内で動かせるようにしよう!
3魔力を体内で循環すると身体強化、外に放出したら魔力が触れたものの情報を把握できる魔力感知になるよ!
まぁわかりやすいっちゃわかりやすいが、詳細な説明がないな。とりあえずやってみよ。
「身体に意識を向ける…」
あーなんか血管みたいに体中にあるわ。独立して存在するものはなく、全てつながっている。
「動かせるかな?」
力を入れたり念じたり、かれこれ1時間くらい試行錯誤していると…
「おっ、うごくじゃん!」
力を入れないで力を入れるみたいな?イメージでできた。でも、
「ほっとんど動かねー」
動かそうとすると、魔力全体を意識する必要があるため集中力がすごい必要になる。しかも、かったい。継続してやっていけば、簡単に動かせるようになるらしいが現状は無理。
「まぁできただけ上出来よ」
だが、ここで気づいてしまった。私って前世で30までドーデーだったから魔法が使えるようになったのか!?
神よ、おお、神よ!答えておくれ!
◇◇◇◇
なんか最近息子がちょっと変わってきている。前までは、もっと駄々をこねていた。風呂に入りたくない。服が気に入らない。何故か分からないけど泣く。きっと成長したのね!子供の成長は早いと言うし、そうに違いないわ!
そう、だから魔法を習得しても嬉しがらずに真顔だったのも市場に行っても大人しくしていたのも成長の証よ!
主人公は気づいていませんが、自我がなかった頃のリーの記憶が主人公に少し影響を与えています




