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甘え嬢ズ  作者: あさまる
80/88

25ー1

廊下を歩く美姫と雨乃。

その姿は生徒達の視線を釘付けにした。


全校生徒憧れの的である美姫。

そして、全校生徒に恐れられている雨乃。

そんな彼女らが一緒に歩いているのだ。

当然だろう。


「人の少ないとこ、どこか分かる?」

苦笑いの雨乃。


好奇の目に晒された彼女はあまり良い気分ではなかった。

彼女の言葉に頷き先導する美姫。

彼女もこの視線が嫌だった。



校舎裏。

不良が呼び出す典型的な場所である。

そこに、美姫が雨乃を連れて来た。

本来とは逆であった。


無言。

校舎にもたれかかる両者。

二人の間には、少し距離が出来ていた。


「え、えっとそれで話って何かな?」

沈黙を破ったのは、雨乃であった。


「あ、はい……。そのー、最近どうですか?」

ざっくりとした質問。

漠然としたそれは、返答する者を困らせる。


「あー、うん。まぁ、ぼちぼち……かな?あはは……。」

雨乃はこう言うしかなかった。

こう言う以外は何も思い浮かばなかったのだ。


「そ、そう……ですか……。あはは、何よりです。」


「あ、天江さんは?最近どう?」


「わ、私ですか?……私もぼちぼちですかね?あはは……。」

自身が先ほどした質問に苦しめられる美姫であった。


「そ、そっか……。ぼちぼちかぁ。……あはは……。」

彼女は何をしに来たのだ?

何かを話したかったのではないのか?

疑問に思う雨乃であった。


「何か困ったことありませんか?」


現在進行中で困っている。

しかし、そんなことは言えないだろう。

「うーん、ないかなー。」

雨乃はこう言うしか出来なかった。


「本当ですか?」

ジッと雨乃を見る美姫。


「ほ、本当だよ?」

やけに突っかかるな。

美姫の予想外の追求に苦笑いする雨乃であった。


ズンズンと歩き始める美姫。

雨乃との距離を詰めるのであった。


「本当に本当ですか?」

ズイッ。

雨乃の顔を覗き込む。

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