表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
甘え嬢ズ  作者: あさまる
78/88

24ー2

声が大きくなっていく。

それが近づいていると分かったのは、すぐのことであった。



「あ、あのー……。」


「え!?嘘!?」


「ちょっ、すげー!」


一つの小さな少女の声。

それに教室内が驚きの声を上げる。


何事かと、雨乃達が声の中心地へ視線を送る。

そこには意外な人物がいた。


「姫川さん、呼ばれてるよ。」


やはり私だよな。

雨乃はそのクラスメイトへ礼を言い、彼女の元へと向かう。


クラスメイト達の視線が集まる。

視線が痛い。

なぜ来たのだろう。

「……天江さん、どうしたの?」

目の前の美姫に言うのであった。


「姫川先輩、すみません、お昼に……。」


「大丈夫だよ。」


「……その、放課後時間ありますか?」


今ではないのか。

「うん、大丈夫だよ。」


「……なら放課後来ますね。」

そう言うと、美姫は軽く頭を下げて今来た道を戻って行くのであった。


一体彼女は何をしに来たのだろう。

苦笑いするしか出来なかった雨乃であった。



「姫川さん、天江さんと知り合いだったの!?」


「いつ知り合ったの!?」


突如雨乃は囲まれた。

普段全く話さないクラスメイト達が、彼女の周りを取り囲んだ。


「え、え?え?えっと……

。」

オロオロ。

どうすれば良いか分からない雨乃はキョロキョロと周りを見渡すしか出来なかった。


「あはは、凄いね、姫川さん人気者だー。」


「本当ね。」


「……助けた方が良くない?」


「それもそうか。」


雨乃から少し離れたところにいた彼女らの呑気な会話。


雨乃がクラスから浮いていて、周りから距離を置かれている。

それは事実であったが、もう過去のものとなった。

それは、美姫の影響であったが、本人達はそんなこと知らなかった。


無意識に雨乃の問題を解決してしまった美姫。

放課後に話すことなどもうないのに再び会うこととなっている。

もちろんこれも、彼女は知らない。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ