33・これも一つのエンディング
カレンは無事、マッコス村から王都に帰還した。
話を聞きたい、顔を見たいとという声も多数あったけれど
とりあえず疲れているだろうからと屋敷に帰ってきた。
マッコス村でたくさん眠ったので、元気いっぱいだ。
男性用のシャツとズボンは、あまりにも令嬢らしくなかったので真っ先に着替えさせてもらった。
そしてなによりお風呂に入りたい。
帰宅してすぐ、お母様とお父様に抱き着かれ泣かれて、その後ベットに押し込まれそうになったが、なんとかお風呂にはいらせてもらった。
そしてただ今ベットのなかで、食事をしている。
ガロスはカレンを守ってくれた犬ということで、カレンの部屋でくつろいでいる。
そしてカレンは・・・ベットから出て、鏡に張り付いている。
「良かったぁ~。火傷の跡、ちゃんと消えている」
『カレン、腕まだ跡が残っているとこあるよ。』
「あっ、治さなきゃ」
もう、魔力切れで倒れても死なないので、全身をチェックしてやけどの跡を消していく。
全部きれいに消し終えたころ、カレンは学園に呼び出された。
♢
きちんと身支度をして学園に到着するとレオナルド様やダニエル様、騎士や警備隊などたくさんの人がいた。
そしてその中に、ローズマリーもいた。
「ローズマリー!」
思わず叫ぶ。
彼女に殺されかけたのだ、それは決してゆるせることではない。
ローズマリーは縄で拘束されていた。
そしてものすごく怒っている。
「私がなにをしたっていうのよ!無礼者、この縄をほどきなさい!」
「カレン!」
ダニエルが走って来る。
あんなに早く走っているダニエル様をみたのはどれくらい昔だろう。
がバッとダニエル様に抱きしめられる。
「心配したんだ。カレン。無事でよかった。どこかケガはしていないか?やけどは?ああ」
こんな時でもダニエル様はいいにおいがする。
「皆様ご心配をおかけしました。
私はどこもケガもなく元気です。
たくさんの方々が、私を捜索してくださったと聞きました。
本当にありがとうございます」
ダニエル様から離れて、深々と頭を下げる。
無事で何よりだ。
おかえりなさい。
四方から声がかかる。
悪豚としてののしられていた運命を考えると、思いもかけない幸せだ。
「ちょっと、そんな女をなんでみんなちやほやするのよ!
魔法で顔をいじりまくっているからみられた顔になっているけど、本当の貌はものすごい不細工なのよ!」
ローズマリーの言葉は聞き流す。
「レオナルド様、彼女はいったい?」
「カレン嬢の殺害未遂だよ」
レオナルド様が微笑む。
「嘘よ!私はその女に何もしてないもの」
「友達だと言っていたのに、その女呼ばわりか。
ローズマリーお前はカレン嬢殺害未遂の容疑で処罰される。
カレン嬢を森の中の小屋に捨てたという男たちが、お前に頼まれてやったと白状している」
「私は何もしていないんだから、悪くないわ。顔まで偽物の、嘘つき女に騙されないで!」
「カレン、改めて聞こう。君に危害を加えたのは誰だ」
レオナルド様が聞いてくれる。
「私に火魔法を放ち気絶させたのは、そこにいるローズマリーです」
きっぱりと言い切る。
「もうこれで十分だろう。ローズマリーお前が有罪であることは確定だ。
衛兵、牢に連れていけ。逃げられないように魔封じの首輪を忘れるな」
「本物は私よ!その女は偽物よ!覚えていなさい!私は諦めないから!」
すぐに魔封じの首輪がつけられ、ローズマリーが牢に連れられて行く。
彼女は僻地の修道院に生涯軟禁されるということだ。
終わった。
もうこれで、ゲームの展開を心配する日々も終わるのだ。
「カレン嬢。もし体調が悪くなければ、ささやかではあるが君の生還パーティーをしたいのだが」
「元気いっぱいですわ!」
カレンの生還祝賀パーティーは、ささやかなはずがたくさんの人が訪れた。
カレンの家のメイド隊、孤児たち、引退した騎士たち、宰相様、王子様とその取り巻き、王女様その他街の人たちまで。
ヒロインを迫害して、断罪されるはずだった私が、こんなにたくさんの人たちに心配してもらえるなんて。
それにしても。
ヒロインは消えたけれども、私がヒロイン的立場なのでは??
このまま行ったら、私が悪役令嬢に嫌がらせされるのか???
まあ、そんなことは後で考えればいいことだ。
私の未来はきっと明るい!!
終わり
ここまで読んでくださった方。心から感謝です。
初めて小説を書いたのですが、難しかったです。ほんとに。
ちょっとでも面白かったら、評価いただけると嬉しいです。☆
もしかしたら続きを書くかもしれません。
またどこかでご縁がありますように。 感謝をこめて・ひろ




