↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

PR
20/163

episode 20

言葉を選ぼうとしているが、言いたいことはよくわかる。いつも連れてくる女性たちとは、かなりかけ離れた雰囲気の少女を連れてきているのだから、担当の美容師が戸惑っているのは仕方がない。

「えっと、どうしましょうか?」

美容師がブラッシングをしながら、鏡越しにジェインへと視線を流す。

「カットはしなくていいから、可愛くまとめてあげてくれ」

「あ、はい。そういうことね」

これからデートだと判断したのだろう、美容師は、バックヤードからビジューのついたバレッタを持ってきた。

「あ、あの、わ、わたし」

白いケープでマシュマロのような当の壱花は、ジェインと美容師を、さも不安げに見上げている。その視線に笑顔で返す。

「大丈夫だよ、彼に任せて」

ハサミを取り出した美容師は、「ちょっとだけ前髪切ってもいい?」と、覗き込む。そのヒゲ面に圧倒されたのか、観念し、はい、と小さく答えた。

「じゃ、メガネ外してくれる? 安心して。前髪カットだけだから」

すいすいとハサミを入れていく。艶のある黒髪が細かく裁断され、パラパラと落ちていった。こめかみ辺りのサイドの髪を後ろでまとめて、バレッタを添える。

「わお!」

ジェインが感心した声を出した。

「少しおでこが見えるようにして、サイドをまとめただけでこれかあ」

「ほんと可愛いね」

美容師の感嘆も聞けた。やはり想像していた通り。もちろん、ちゃんと髪を切ってもらい、ゆるくパーマをかければ、ゆるふわ子ネコのできあがりだぞ。ジェインは自信に満ちた顔を見せた。今日はここまでだが、見立ては間違っていなかった、と。

「壱花ちゃん、さあ行こう」

取ったメガネを、壱花にそっと掛けた。

「あの、ジェインさん、今度はどこへ?」

「ふふふ、なーいしょ」

楽しげな気持ちを隠しきれなかった。ジェインは美容院のドアを開け、壱花を外へと促すと、そのまま壱花の手を攫った。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
[良い点] 粋でいなせなプレイボーイだよぉ~ジェインさんは。 憎めないなぁ〜憎めないねぇ〜 壱花ちゃん 美容師も太鼓判のかわい子ちゃん こりゃ大事にしたくなる(*゜0゜)。_。)"ウンウン 誰にも…
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。