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第24話「私、舞い戻ります。そして黒い私との最終決戦」A

ニャルラトとの激戦の最中、突如として現れた「黒い火花」。彼女はミシロ達を危機から救い出すと、火花の復活を告げニャルラトへと挑み始めてしまう。


彼女の目的とは……。

 ニャルラトとの激戦の中、ミシロは黒い火花へ叫んだ。


「この前のピンクの火花様も貴女ですか!?」


「はぁ~?なにそれ知らないわ?あら危ない」


 ニャルラトの触手を避けた黒い火花の首元を巨大なノコギリが掠っていった。血走った目でアリアが睨みつけている。


「貴様ぁ!なんだ貴様はぁ!死人の目ではないな!」


「アリアじゃない。こっちではそんな性格なのね……こわぁい」


 黒い火花の背中からまるでカラスのような漆黒の翼が生え、アリアとミシロを弾き飛ばす。ミシロはその一撃で更に困惑した。


 今の攻撃、全くやる気がなかった。まるで向かってきた触手から私とアリアを守るみたいだった…。


「ほぉら死んじゃうわよ」


「ふぎゃっ!?」


 ニャルラトに踏みつぶされそうになったロードも閃光のように速い黒い火花様が首を掴んで投げ飛ばし、助けてしまう。やっぱりおかしい。ニャルラトへの攻撃も現れた時の初撃以外はまるでカスのようです。


「何を企んでいるんですか!」


「悪い事に決まってるじゃない?」


戦いの最中、ミャノンが鞘状態のダークルージュでニャルラトの胴体へ一撃を加えると、赤黒い結晶の球体が露になった。ニャルラトもただではやられない。触手の一撃がミャノンへ強烈に直撃してしまう。


「ぐはぁ!」


ミャノンは遺跡へ吹き飛ばされ、そして四人は集まった。


「ほら、あれがコア、弱点よぉ。一気に決めるわよ?」


「偽物が指図しないでください!私一人で十分です!」


「ジイイザス!貴様らは後で殺す!」


「さっきはよくも投げてくれたわね!別に助けられなくたって身体が水状態だから死なないわよ!」


「はいはい、ツンデレ乙~。行くわよ!」


四人が全力でコアへ最大の一撃を加えると、ガラスのように割れて砕けた。コアを砕かれたニャルラトは一瞬暴れまわるが、すぐに息絶えて灰のように消え去っていく。


すると血のように砕けたコアは黒い火花の身体に吸収されてしまった。


「んっ……はぁ~……。美味しい。いい力を手に入れたわ。」


恍惚とした表情で天を仰ぐ黒い火花に、巨大なノコギリが振り下ろされた。アリアの一撃を難なく黒い大剣で防ぐ。


「ジイイイザス!貴様!一体いくつの命を食い荒らした!この化け物め!」


アリアが初めて感情的な怒りの怒号を上げる。彼女はこの黒い火花の「中身」に気付いたのだった。


しかし黒い火花は余裕を崩さない。


「さぁ~?食べ過ぎて……食べ過ぎて……わからなくなっちゃったわ。世界四つ分あるからね!」


大剣でアリアを押し返した黒い火花は天へと剣を構えなおす。大剣は黒々とした闇を噴き出した。その瞬間、その場にいたミシロ、ロード、ミャノン、アリアと神罰部隊全員が直感した。直感というよりは本能が警告したのだ。


こいつは世界を滅ぼす気だ。


その圧倒的な闇の存在感に全員が決心したのだ。この場でこの黒い火花を殺さなくてはならない。


めろおおおおおお!!!」


アリアの叫びで神罰部隊が一気に突撃した。


「遊んでおいでぇ?」


しかし突撃した途端、黒い火花の足元の闇から異様な者が現れた。人のような形をしているが全身が崩れ落ち、内臓や骨が飛び出している。普通の生物なら死んでいるその状態で出てきた幾百の者達は神罰部隊やミシロ達へ掴みかかるように襲いかかっていく。


「これは、ゾンビィ!?」


瓦礫に埋もれるミャノンが驚きの声を上げた。ロードが咄嗟にアクアスラッシュの一撃で数十人を真っ二つにするが、半分になった肉体でも這いずって襲い掛かってきてしまう。


「なにこれキモチワルイ!ゾンビィってなにそれ!」


「生きた屍です!人間の魔術で無理矢理従わされた死体で、不死の呪いをかけられている存在なのです!その動きこそ鈍重ですが、体中に毒があり、噛まれれば猛毒を受けます!噛まれないでください!うわっは!?こっち来た!ミシロさむぁああ!たすっ、助けてください!ああああああいやあああ!!」


「「うわうるさ。」」


仕方なくミシロがペルーンの雷の矢で撃ち抜くが、感電している間は動かないがすぐに動き始めてしまう。神罰部隊も苦戦しているようだった。


「いやっ!助けて!隊長助けて!ママあああ!」


「いや!いやあああ!」


圧倒的な物量に何人か食われ、精鋭部隊の神罰部隊にすら犠牲になる者も見えている。


「ジイイイザス!死ね死人の目の偽物めがあ!」


アリアと黒い火花が鍔競り合いとなり、その勢いで周りのゾンビィが吹き飛ぶ。


「偽物じゃないんだけれどぉ。まぁいいわ。貴方はここの私の敵になりそうだから消しておこうかしら」


「貴様の目的はなんだ!どこから来た!そこまでの命をどうやって喰った!」


「目的はないわぁ。あるのは手段だけよ?この世界を食べつくすこと、だ、けっ」


「ごはぁっ!?」


強烈な蹴りがアリアの腹部に直撃し、ゾンビィの海へと落ちていく。もはや助かるすべは無かった。


「ミャノンさん!弱点はないんですか!」


「炎と強い光です!炎か光で焼き尽くせれば!」


「炎……火花様がいてくれれば……」


毒のゾンビィの海がミシロ達に迫る。すでに限界まで戦っていた彼女達も死を悟った。北にいる火花様は間に合わない。


死を覚悟したその時だった。


空から黒い何かがゾンビィの海へと落ちた瞬間


異世界と毒のゾンビィを燃やし尽くす炎が現れたのだった。

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