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第23話「私達、アウラを受け継ぐ試練を受けます?そして決戦の時が近づきます。」B

ティガは光の竜アマテラスの継承を行い、火花の復活を成功した。同じ頃ミシロ達もアウラを継承するが、ヤギョウの禁忌の召喚獣ニャルラトとの戦闘となっていた。アウラの力で圧倒するミシロだが、幼い身体のため力が不足し、追い詰められていた。

 

「うっぐっ!?」


 ミシロの残像の出る速さは落ち、触手に体当たりで吹き飛ばされてしまった。ダメージは少ないが、疲労感にミシロは呼吸が乱れる。その隙をついてニャルラトの牙のついた触手がミシロへ襲い掛かった。足に力が入らず体勢が崩れる。


「しまっ!?」


 死の淵でミシロの脳内に火花の笑顔が一瞬よぎった。優しく力強く私を呼ぶご主人。


 私はここで死ぬようです。火花様、申し訳ありません。


「ミシロ!?」


「ミシロ様っ!」


 ロードもミャノンも間に合わない。悍ましい牙がミシロを食いちぎろうというその寸前であった。黒い閃光が空から落ちてきた。


 その黒い閃光は触手を切り落とし黒い炎で燃やし尽くす。砂漠の須永舞い上がり視界が不明瞭になるが、落ちてきた何かはニャルラトを吹き飛ばし、崩れかけている遺跡へ叩きつけた。


「ミシロ!大丈夫!?」


 恐怖と安堵に腰が抜けていた私のそばにロードとミャノンが駆け寄ってきました。私は何が何だかわからず、茫然とニャルラトの吹き飛んだ先を見つめるしかありません。


 ミシロのそばまで来ていたアリアはその落ちてきた黒い閃光の主の気配を感じた瞬間、全身を氷った舌で舐められたような不気味な気持ちになった。むしろそれは吐き気を催すような嫌悪感だった。


 砂埃が晴れると、吹き飛ばされ暴れもがいているニャルラトを踏みつけている黒い閃光の正体が露になった。


「油断しちゃだめよぉ?貴女達がここで死んだらつまらないじゃないのぉ」


 そこにいたのは幾度か相まみえた黒い火花であった。黒い火花は身の丈を超える巨大な黒い剣をニャルラトに突き刺し、堂々と、そして優雅にむかつく顔でほほ笑んでいた。ニャルラトが抵抗して暴れ、そのまま飛び退いた黒い火花はミシロの目の前に降り立ち、唖然とするミシロを抱きしめた。


「え………?」


 まるで私を壊れ物かなにかのように優しく抱きしめた偽物の火花様は私の耳元にこう囁きました。


「もう大丈夫。あっちの火花が生き返ったわよぉ」


「ミシロに触らないで!」


 ロードを無視して蚊の泣くような小さな声で言った黒い火花は黒いマントを翻してニャルラトへと立ち向かっていく。ロードもミャノンも何が何だかわからなかった。


「火花様が、生き返った……?や、やった!ロードさん!ミャノンさん!火花様が帰ってきます!帰ってくるんですよ!」


 先程までぼろぼろだった私の心が一気に蘇った気がしました。さっきまでの疲労感も痛みも何も感じなくなり、諦めた心は死にました。


「行きましょう!火花様を迎えるのにアレは必要ありません!」


「火花様……本当だわ!?生き返ったのね!」


「彼女の嘘では?なぜお二人には分かるのです!?」


「わかるんです!何故かはわからないですけど、指輪から伝わってくるんです!火花様の命の鼓動が、意志が、魂が!」


「竜を受け継いだ者の力なのでしょうか……ふぁあああああ!なんですかこの疎外感は!?一番長く一緒にいたのは数分の差とはいえ俺のはずぬぁのにぃ!うぉわああああん!」


「「うわうるさ」」


「お前らいつまで喋ってるんだボケェ!戦えるならさっさと加勢しろ!ぶっ殺すぞ!」


 アリアの怒号で我に返ったミシロ達はにやりと笑うと、ニャルラトに立ち向かっていった。


その頃火花はフェンリルにティガを乗せて砂漠へ向けて駆けていた。フェンリルも主人が戻ったため力が回復したようでティガが乗ってきた時よりも速かった。火花は一度眠って数時間後には目覚め、すぐに飛び出したのだった。


「ティガ!砂漠までどれくらい!」


「こ、このペースだと半日で着くと思うぜ!てか飛ばし過ぎだ!大丈夫なのかよ!」


「大丈夫!なんか力も上がってるみたいなんだ!」


「死んで強くなるって……どういうことだよ」


「早く行きたいんだ。砂漠に。みんなが待ってるし……アリアも、強い何かもいるみたいだから」


ティガはその火花の不気味なほほ笑みに背筋が凍った。まるで獲物を見つけた獣のようにぎらついた瞳はすでに砂漠の方向を見据えている。初めて会った時の火花と比べて明らかに雰囲気も性格も変わってきており、ティガは心の奥底で言い知れぬ一抹の不安を感じていた。


「フフフッ、ああ早く戦いたいっ!」


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