表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
水無月蔵光の冒険譚~第二部 古代地下帝国の謎を追え  作者: 銀龍院 鈴星
第一章 古文書の謎
25/56

第25話 西の森の魔女

再び、誠三郎とヒダカのコンビが活躍します。

第25話 西の森の魔女

ここはタイトバイトス皇国の西側に位置する

『西の森』である。

森の中では『東の森』くらいの大きさであり、四つの森の魔女の一人アジーナがこの森を守護している。


ここには、誠三郎こと、八鬼誠三郎(やぎせいざぶろう)と雷鳥のヒダカの二人がやって来ていた。

ヘルメスがサバーニャへ二度目の申し出をする直前の頃。


「お(かしら)、間もなく森の魔女とやらの家が見えてくるはずです。」

ヒダカは、過去に誠三郎の指揮していた「忍」の集団に憧れ、誠三郎の配下となった。

そのため、誠三郎を『頭』と呼び、蔵光の従者の一人として活動していた。


「そうだな、ヘルメスのところは最初、魔女から森の中に入ることを断られたらしい。我々のところも一度は断られることを頭に入れて対応しなければならんかもな。」

と誠三郎はヘルメスがサバーニャに断られたことを『水蓮花』で聞いていた。

「そうですね。わかりました。その心積もりで…」

誠三郎の言葉にヒダカが頷く。


「この森は少ないというか、あまり魔物はいないようだな。」

「確かに、ゼリーの話では、この森には『白虎(びゃっこ)』と呼ばれる白い虎に相当する魔物の王がいるのではないかと言っていたが?」

「虎ですか?」

「うむ、普通の虎は黄色と黒の縞模様だが、白虎とは一体…?」

「白の反対は黒でしょう?だから黄色と白の縞模様なんじゃないですか?」

「なるほどな。それは一理あるな。おっ、あれじゃないか、魔女の家は?」


目の前の森が少しだけ開け、そこに小さな家が現れた。

それは木造の板張りの家で、屋根は瓦状の薄い黒曜石を重ねたもので葺いてあった。


コンコン


誠三郎が木製のドアをノックする。

ドアの真ん中には飾りが取り付けられていた。よく見るとそれは、直径が3㎝位のサファイアの様な綺麗な色の魔石が周囲を草の模様を型取った金属の台座に取り付けられていた。


「どうぞ、お入り下さい。」

中から女性の声がする。

「失礼する。」

誠三郎達がドアを開けて中に入ると、その室内の状態を見て驚く。


室内には床や壁を問わず、大小様々な魔石がおかれたり、貼り付けられたりしている。


「初めての方ですね?驚いたでしょう。」

「ええ、まあ。」

と誠三郎が応える。


「ご存知だとは思いますが、私はここの森の管理をしております、アジーナといいます。」

そう言って挨拶したのは年の頃は20代前半、長い黒髪に切れ長の目が印象的な女性であった。

可愛いというよりも美人タイプと言った方がいいだろう。

彼女も首から下は黒いローブを身に纏っているが、その体格などを見ると華奢な体をしているように見えた。

二人はリビングのテーブル席に案内され着席する。


「私は八鬼誠三郎、こちらにいるのは飛騨神(ひだか)と言います。」

「さて、今日はどう言った、ご用件で?まさか魔石を売って欲しいというのでは無さそうですし…」

「ああ、なるほど、魔石を売っておられたのか、それで生計を?」

「はい、森の中の物だけでは生活出来ませんので。生活用品なんかは冒険者の方に持ってきてもらっています。」

「そうですか、確かに…、しかし、色々な魔石がありますな。あれなんかは珍しいアディアエメルですか?」

と言って誠三郎は壁に掛けられていた濃翠透明な魔石柱を指す。

「えっ?あれがわかるのですか?」

「ええ、まあ、私は冒険者の傍ら、鍛冶師をしたり、魔石、魔鉱石のほか金属等の鑑定官もやっておりましてな。」

「まあ!それは凄い!」

アジーナは目を輝かせる。

「そうですね、最近は、古代魔原石なんかは興味を持っている人間も少なくて、私のような者と話の出来る人間が少なくなっていて…」

とアジーナは笑いながら応える。

そして、席を少し外して奥からウズラの卵大の魔石を持ってきた。

やや透明にブラックブルーがかった本体部分の中に金色の小さな粒が星の様に散らばっている。

「こ、これは!ま、まさかあの幻のクイーンエーテリオンでは…!」

「やはり、おわかりでしたか。そうです、あのクイーンエーテリオンです。普通の魔石の1000倍以上の魔力保有能力と放出力を持つと言われている幻の古代魔原石です。」

「話には聞いていたが、現物を見るのは始めてだ…」

さすがの誠三郎もその美しく怪しい輝きを持つ幻の魔石に心を奪われる。


「お頭!」

ヒダカの声で我に返る。

「おっと、……これは…もしや…」

誠三郎が違和感を覚える。

「あら、残念。もう少しで、お帰りになってもらうようにお願い出来ていましたのに。」

とアジーナがニコッと笑いながらクイーンエーテリオンを手に持って誠三郎達に見せる。


「それで私に催眠術を?」

と誠三郎が唸る様にアジーナに問う。


「ええ、そうですね、でもお連れの方には効かなかったみたいで…」

とチラリとヒダカを見る。

「当たり前だ、その魔石から不快な魔力が流れてきていたからな。」

とヒダカが応える。

「なるほど、やはり、これは魔石に興味のある方には有効なのでしょうが、興味の無い方には効き目がないのでしょう。」

と原因を分析している。

「何故、この様なことを?」

誠三郎がアジーナに尋ねる。

「森の中は危険ですから、入ろうとしている方を止めるのも私達の仕事ですから。」

と平然と答える。

「何故、我々が森の中へ入ると?」

誠三郎はアジーナにまだ森の中へ入るとは言っていなかったのに、アジーナは既にその事に気付いていたようであった。


「魔法で連絡が取れるのは貴殿方だけでは無いということです。」

「そう言うことか…」

誠三郎はアジーナの言葉で全てを理解した。

恐らくは他の魔女から連絡があったのであろう。

「それならば、なおのこと、ここを通して貰いたい。」

誠三郎がアジーナに正式に森の中へ入る事を申し入れた。


「うーん、どうしようかな?」

アジーナはじらせて少し考える様な態度を取る。


「この通りだ、どうか我々を森に通してはもらえんだろうか?」

誠三郎がテーブルに手をついて頭を下げる。

アジーナもやれやれといった様な表情となり、ようやく観念する。


「わかりました。ですが、この森も他の森と同じ様に、奧は大変危険な魔物が巣食っています。危ないと感じれば直ぐに引き上げて下さいね。」

「わかった、かたじけない。」

誠三郎がアジーナに一礼すると、ヒダカも同じ様に頭を下げる。


「必ず生きて戻って来て下さい。」

アジーナもそれに応えるように頷いた。


誠三郎とヒダカはアジーナの家を出ると一路、森の中心部へと向かって行った。

森の鍵はビー・クイーンという魔物が守っているらしいということをアジーナから聞いて確認した。


誠三郎達が森の奥へ足を向けている途中、当然と言えば当然だが、魔物の群れが誠三郎達を襲う。

今、彼らの前に出現している魔物はアジーナの家に到着する前とは別次元の強さであった。

強さ、速さでは、以前、誠三郎達がスプレイド領にあったもうひとつの『西の森』で倒した『マッドベア』級の魔物が現れだしていた。


それにスプレイド領ではお目にかかれなかった『ギガントスネイク』が現れた。1-139

体長は噂通り優に100mを超えており、その大きさに似合わぬほどのスピードを持っていた。

ギガントスネイクの姿はアナコンダタイプではなく、キングコブラの様な姿をしていて、頭部の直近は、エラのように拡がる部分となっていた。

当然ながら、かなりの猛毒持ちであり、その毒は体の表面に触れるだけでも皮膚から体内に浸透し、死に至るとさえ言われていて、さらに、ギガントスネイクは牙の先から毒液を霧状にして撒き散らすこともあり、広範囲な攻撃をしてくるとも言われていた。


「ヒダカ!雷の魔法を使え!」

「わかりました。」

まあ、相手が広範囲の攻撃をしてくるのに、単独で近接攻撃をしても仕方がない。

ヒダカの雷魔法が炸裂する。

普通、人間の魔法使いが扱う雷魔法は、魔力値の関係もあり、かなり威力が低い。

だが、ヒダカは魔力値が7000万マーリョックもあるため、ギガントスネイクの体内まで魔法は干渉される。

彼の雷魔法『雷撃(らいげき)』はまさに天災級の破壊力を持っていた。


グワッシャーーンンンーー!!

恐ろしい程の音と光が辺りを包む。


天空まで響き渡った雷鳴が収まり、そこには完全に絶命したギガントスネイクが横たわっていた。

体の表面には大した傷は見られない。

落雷により死傷するケースは地球上でも見られるが、本来、雷が体内を通って、その後、体内から抜け出るのはそれぞれ一ヶ所ずつであり、どんな大きな雷であってもズタズタに引き裂かれる事はない。

ギガントスネイクの場合も同じで、持ち上げていた頭部に電撃が入った後、そのまま体内を通り、地面に一番近付いた胴体部分から電撃が放出され抜け出ていた。


誠三郎が死んだギガントスネイクをまじまじと見ながら、確かに普通の感覚ならこんな大きな魔物が出てくるような森に人を通そうとは思わないなと、今更ながらにアジーナの言葉に納得していた。


更に森を進む。

かなりの距離を進んでいるが、誠三郎は時間短縮のため飛翔魔法を使用して、ヒダカと共に森の中を移動していた。


「もうすぐ目的地の辺りだ。」

誠三郎は腕時計型のニューマソパッドで森の地図を確認しながら移動しているため、かなり正確に目的地まで移動している。

その目的地の設定については、遥か上空にある『G・M・C』plusでスキャンしてビー・クイーンの位置を特定して目的地を設定していたのだった。


「来ましたよ。神魔虫達が…」

ヒダカが誠三郎に合図する。

「わかっている。」


誠三郎達の目の前に魔物が幾度と現れた。

神魔虫とは、神に仕える虫の魔物の総称であり、その中でも彼等は虎蜂族(タイガービー)と言う種族で、体格は人間くらいの大きさの魔物で、全体的な姿は人間の手足が蜂の鎧骨格に覆われた様な姿であり、頭部も概ね蜂の頭と同じ様な容姿であるが、口の部分に虎のような巨大な牙が付いている事や体色が虎や蜂と同じ、黄色と黒のツートンカラーであることなどから虎蜂と呼ばれるようになった。

虎蜂の戦闘力は極めて高く、蜂でいう腹の部分は尻尾のようになっていて先端部には猛毒の針を持っていて近接戦闘で使われると言われている。

また、彼等の恐るべきところは集団戦闘に長けているということだ。

数ある魔物の中でも、女王蜂ビー・クイーンの指揮の下、集団戦においては右に出るものはいないと言われ、集団戦が得意なウルフ系統の魔物でさえも彼等を見ればすぐに退散すると言われていた。


「こいつらが鍵の守り神ってことか。」

ヒダカが速度を緩め、彼等の約200m程手前の空中で止まる。

誠三郎も同じ様に停止し、

「ヨルは友好的であったが、タラスクは攻撃をしてきたからな、どうしてくるかとりあえず様子見だ。」

と指示をする。

「わかりました。」


そして、彼等の中から一体の虎蜂族の者が進み出てきた。

それは、黄色と黒のツートンカラーではなく、白と灰色の配色をしていた。


「白虎…」

誠三郎が呟く。

正にその色は白い虎、『白虎』そのものであった。


ヴ「流石、ヒダカさんですぅ、雷の魔法ヤヴァイです。」

((゜□゜;))

ト「倒した魔物はどうしたんですかねえ。」

(´・ω・`)?

マ「例の魔法付与鞄(マジックバッグ)じゃないっすかねえ。」

(*´・ω・`)b

ト「おおー!それだ!間違いない!」(; ゜ ロ゜)

マ「でも、ギガントスネイクとかあんなデカイやつ入るのかな?」

(-ω- ?)

ト「確かに…」(・_・?)


今度聞いてみたら?(* ̄∇ ̄)ノ




評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ