第26話 ビー・クイーン
『蜂』対『人間?』&『神獣』
第26話 ビー・クイーン
西の森の深部に入り込んだ誠三郎達の前に立ちはだかっているのはビー・クイーン率いる神魔虫の虎蜂族の軍団だ。
「えーっと、俺達と話をしてくれる余裕のある奴はいないか?」
誠三郎がビー・クイーン達に声を掛ける。
しばらく、沈黙が続いた後、白と灰色の虎蜂が前に進み出てきた。
「話を…」
魔物で話が出来るのは、ヒダカ同様にかなりの年数を生きている個体であることは間違いない。
ブラキア神聖国でのアリオスタ・ヴィストゥラの話が本当なら最低でも1500年は生きているという計算になる。
『ケントルム・テラエ』をマグローシャに渡したのは恐らくこの虎蜂だろう。
「ビー・クイーンか?!」
誠三郎が確認する。
「そうだ、私の素性を知っているお前は一体何者だ?」
「私は水無月蔵光様の従者八鬼誠三郎、ここにいるは私の配下のヒダカ、お前達が守っている鍵を貰い受けに来た。」
「ミナヅキ…あのドラゴンスレイヤーズと言われる…」
「その通りだ。」
「鍵は…お前達ではどうにも出来ない。」
「それは一体どういう?」
「あの鍵を取り出すには、あるアイテムがいる。だが、それは300年以上も前に盗まれてしまい未だに見つかっていない。それに、もしアレがこの場にあったとしても魔力の無い人間風情には扱えない。諦めた方が身のためだ。」
ビー・クイーンが事情を語る。
どうもどこかで聞いた話だ。
「ん?それって…『ケントルム・テラエ』のことか?」
「な?!何故その名前を知っている?!」
誠三郎の言葉にビー・クイーンが反応する。
「おやおや、図星だったか?」
「き、貴様!フェルス・ケイアガードの血統か!?」
ビー・クイーンの隣にいた虎蜂族の者達が持っていた剣を構える。
まあ、盗まれてから300年以上も行方不明になっていた剣を知っているのはマグローシャの弟子の系統と彼等虎蜂族達くらいであろう。
だから、警戒されるのは仕方がない。
「まあまあ、慌てなさんな、あの剣はマグローシャの弟子が?あれ?ゼリーは弟子になるのか?」
誠三郎が眉を寄せる。
ゼリーの記憶はチョッコ・クリムと被っているが、チョッコ・クリムではない。
あくまでもチョッコ・クリムの記憶を移されたスライムネコだ。
なので、マグローシャの弟子が持っていると言おうとしたが、言葉に詰まってしまったのだ。
「何を言っているのだ?マグローシャの弟子がどうしたのだ!?」
「ああ、すまん、アイツの位置がよく説明出来ないもんでな、とりあえず、私の関係者があの剣を所持している。」
「な、何と!それは本当か?!」
ビー・クイーンの表情は仮面を被っているみたいで読めないが、驚いているのは間違いなかった。
「ああ、本当だ。ちょっと今から連絡を取ってみる…」
と言って誠三郎が『水蓮花』で連絡を取ろうとした時であった。
虎蜂族の者達が誠三郎とヒダカを取り囲む。
「どういう事だ?」
誠三郎がビー・クイーンに尋ねる。
その態度を見ても、特に驚いたり、慌てたりしてはいない。
「お前が良い者か、悪い者かハッキリとしていないんでな…」
「ふーん、まあ確かにそう言われるとそうなんだが、こんな事をしてどうなっても知らないぞ。」
と誠三郎がビー・クイーンに言うと、
「はっはっはっ、人間風情が我ら神魔虫に何が出来るというのだ。」
「おたく、人間風情という言葉好きだねえ。」
と誠三郎がビー・クイーンの言葉の揚げ足を取る。
「貴様!私を愚弄する気か!」
ビー・クイーンが片手を挙げる。
すると、誠三郎達を取り囲んでいた虎蜂族の者達が剣を振りかぶって飛び掛かってきた。
誠三郎はそれをスルリと余裕で躱す。
ヒダカも雷の如く神速で移動し、彼等の攻撃を捌く。
「ヒダカ!殺すなよ!」
「御意!」
誠三郎とヒダカは高速で移動する。
「彼等を捕らえろ!少々怪我をさせても構わん!捕まえて剣の所在を吐かせるのだ!」
ビー・クイーンが虎蜂族を操り始める。
誠三郎達は飛翔魔法で空中に移動する。
森の中では障害物が多いため、森の上の木がない場所に移動したのだ。
虎蜂族も背中にある羽根を羽ばたかせて空中に移動し、誠三郎達を追い掛ける。
噂通りの連携攻撃は誠三郎とヒダカに反撃を中々許さない。
だが、それは誠三郎達が手加減をしていたためであり、余裕が無い訳ではなかった。
虎蜂族は四方から誠三郎を攻め立てたが、全く掠りもしない。
ある程度、彼等の攻撃を見切った後でようやく誠三郎は刀を抜く。
パパパパーーンンーー!!
物凄い速さの攻撃が虎蜂族の軍を襲う。
誠三郎の攻撃を受けた虎蜂族は空中から墜落する。
「おおおーー!!」
ビー・クイーンが驚きの余り声を出す。
「心配するな。刀背打ちだ。」
誠三郎がニヤリと笑う。
ヒダカも虎蜂族の集団を相手にしていたが、流石、神獣と言われるだけはある。
彼の最大の特徴はその速度である、雷の如く、動くその動きは正に神速!
全く彼等の攻撃は当たる気配がしない程の余裕の捌き方である。
そして、誠三郎が彼等に手を出したのを見ると、自分も虎蜂族に反撃する。
「『雷蜘蛛』!」
そう言うと、体からクモの巣状の電気の網がヒダカの周囲に張り巡らされる。
バチバチバチッ!!
その網に触れた虎蜂族達はビクビクと震えながら地面に落ちていく。
虎蜂族は100体程いたが、この二人にその大半を一瞬で倒されてしまった。
「な、何と言うことだ…こんなことが…」
ビー・クイーンも開いた口が塞がらない状態となっている。
誠三郎達が再び下に降りてきた。
そして、ビー・クイーンに言う。
「話を聞くくらいの余裕はないのかね、お前達は?アズマンの配下なんだろ?」
「なっ?!お前達、どこまで知っているんだ?」
ビー・クイーンは誠三郎の口からアズマンの名前が出るとは思っていなかった様で、かなり動揺している様子であった。
「フェルス・ケイアガードの系統の魔法使いグリーン・ビーは私の主人が成敗した。その時に『ケントルム・テラエ』は入手した。今は『マリガトリアン』を解除するためにこうやって鍵を取りにやって来たという訳なのだ。」
「……」
誠三郎の言葉にビー・クイーンはじっと聞いている。
表情がわからないので何とも言えない。
「まだ、疑っているみたいだな。」
「いや、そうではない、お前達の実力を見せてもらって、嘘でないことはわかった。あれだけの実力差があれば、我々を殺すことも出来たはずなのにそうしなかった。今は正直、命拾いをしたとホッとしている。しかし、それほどの実力を持っていても主人に従うとは、やはり我々のように弱肉強食の世界ではないようだな。」
とビー・クイーンが言うと、誠三郎はふっと笑いながら。
「まあ、どう思ってもらっても構わないが、その『ケントルム・テラエ』という剣は今、北の森のダンジョンにいる従魔が持っている。」
「何!北の森のダンジョンだと…?それは本当か?」
ビー・クイーンが慌てたように聞き返す。
「どうした?何か不都合でもあるのか?」
「あ、いや、あそこのダンジョンは普通のダンジョンではない。恐ろしく高レベルの魔物が出現する様になっている特殊なダンジョンだ。普通の冒険者が入っていいというような代物ではないぞ!」
「あーそういうことね。まあ、大丈夫でしょ。」
「えっ、それはどういう?」
「そこには私の主人が行ってるし、従魔はチョッコ・クリムの魔法が使える奴だからな。」
「そんなに、お前の主は強いのか?」
ビー・クイーンが誠三郎に尋ねると、誠三郎はニヤッと笑って頷く。
「ふー、やはりミナヅキという連中は化け物らしいな。」
とビー・クイーンが言いながら空を見上げていたが、ふと誠三郎に向き直る。
「お前達、『マリガトリアン』と『地中国』についてどれだけのことを知っているんだ?」
といきなりビー・クイーンが聞く。
「えっ、あ、いや、私はちょっと出掛けてたので実は余り良くは知らないんだが、聞いたのは、アズマンが自分の国で反乱して攻めてくる人間を地下に沈めたとか?その時に四つの森を作り、そこに地下の帝国に続く扉を作り、四体の魔物にその森を守らせた。そして、その森の管理はアズマンの配下の四人の魔女にさせたとか?その扉を開けるには『マリガトリアン』が必要である。とここまでかな?」
「まあ、大体合っているが、少しだけ教えてやろう。まあ、今の帝国がどうなっているのかを。」
「えっ?今の帝国?」
「そうだ。」
ビー・クイーンは、誠三郎達が知らない今のマリガトリア帝国の話をしてくれた。
それは、想像していた帝国とは全く違っていた。
ギ「あたしをこんなところに呼びつけてどうしようと言うんだ?」
(;´゜д゜)ゞ
ヴ「あー、今、というか、まあデルタさんとの近況ですかね?」
(。-∀-)
ギ「そ、そ、そ、そんなこと、聞かなくてもわかっているだろう!」
Σ(゜Д゜;≡;゜д゜)
ヴ「いやあ、言葉で言ってもらわないとわかんないですよ。みんな、聞きたいみたいだし。」
( ̄▽ ̄)
ギ「ば、馬鹿者!あたしがそんな不埒な事をすると思っているのか!」
ヾ(゜д゜;)
ヴ「何ですと!もしかしてギルガ様はまだ、デルタ様とチューもしていないのですか?」
ヾ(´▽`*)ゝ
ギ「チ、チ、チ、チューだと!たわけが~!」
(///∇///)
まだまだ二人の間には障害が多そうです。
(* ̄∇ ̄)ノ




