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3てへ、ズブズブになっちゃった

《魔法少女ミラクルミラー》

「悪事はそこまでだよ!怪人フレイ!」


「あら。また来たのね魔法少女ちゃん」


またフレイトの戦いになった。でも、私は今までとは心構えが違う。きっと、今まで以上に力を発揮できるはず。


「ほらほら!愚民をかばって死になさい!『カオスビーム』」


周りに集まっている人たちに向けて、フレイがビームを放つ。今までの私なら、すぐに間に入って攻撃を反射した。

でも、今の私はそんなことはしない。何かして批判されるくらいなら、何もしない方がマシだから。


「滅びるのは君だよ!『ミラーダスト』」


「え?うそ!?………キャアアァァァァァ!!!??????」


私がビームを防ぐと思ってたみたいで、完全に油断しきっていたフレイ。そこに、私の普段使わない攻撃が襲いかかった。

攻撃の速度が遅いから使いづらいけど、油断してたフレイに直撃。フレイは悲鳴を上げながら消えていった。これでお仕事終了!

私はビームが撃たれた先を見て、


「ギャアアァァァァ!!!????」

「痛い!痛いよぉぉぉ!!!」

「カメラが!俺たちのカメラがぁ!」

「きゅ、救急車だ!救急車を呼べ!あと消防も!」


私はそんな悲鳴を無視して、ビルの上を飛んでいく。もう私は迷わない。逃げ遅れた人ならともかく、自分から戦いの現場に来るような人を守ったりなんてしない。それよりも、被害が大きくなる前に素速く敵を倒すことの方が大事だから。


「……ん。そうだ。今日は連絡しようかな」


まるで今思いついたかのように私は呟いて、スマホを取り出す。メッセージを送る先は、私の唯一の癒し。同い年でクラスメイトなのに、背がちっちゃくて凄い可愛いあの子。

でも、可愛い見た目なのにアレは凄いんだよ。私の辛いことを、全部忘れさせてくれるの。しかも、学校だと見た目通り幼い感じなのに、普段の様子は微妙に大人っぽいし。偶に見せる大人っぽさにドキッとしちゃうんだよね。……これがギャップも選ってヤツかな?

まあ何でも良いけど、早く来ないかなぁ~。



《僕》

ミラちゃんに呼び出された僕は、路地裏へやってきた。ミラちゃんは見た目が路地裏には似合わないからすぐに見つかる。


「やっほぉ~。ミラちゃん。来たよぉ」


「あっ。やっほぉ。それじゃあ早速行くよ」


ミラちゃんはそう言って僕の腕を掴む。それから、


「『プラクティスワールド』」


そう呟くと、僕たちの前に時空の裂け目みたいなものができあがる。そして、それに吸い込まれていって、


「おぉ~。相変わらず何もないね」


「でしょ?ここには、君と私しかいないんだよ」


若干のヤンデレっぽさをにじませながらミラちゃんが何か言ってるけど、そこは無視。僕たちはあくまでも友達。悩みを聞いて傷をなめる仲。

僕たちがいるのは真っ白い場所で、どこまでも白い空間が広がっている。凄い神秘的な白さだけど、今からここを汚すのは凄い背徳感を感じるね。


「じゃあ、脱ごうか」


「……うん」


2人で服を脱いで、絡み合いながら話を聞く。悩みを色々打ち明けてるけど、僕との絡み合いの方に意識を割いてて内容は支離滅裂。かなり矛盾が多いよ。

勿論僕の方も意識の大半は攻めるのに使ってるから、返答もひどいけどね。



「……んぅ~。今日も凄かった」


連戦を繰り返して、やっと僕たちは落ち着いた。連戦の最後の方はミラちゃんが半分気絶してるような状態だったけど、あえて戦いだったと書いておこう。決して一方的にやったわけではないと。


「ふふっ。リフレッシュは出来た?」


「うん。ありがとう。凄いスッキリしたよ。……またよろしくね」


「はいはい。連絡待ってるよぉ~」


だいたい終わったから、僕たちはこの空間から抜け出す。抜け出すのは入るときと同じで、手をつないで次元の裂け目みたいなところに吸い込まれるだけ。

さっきまでの空間だと時間の進み方が100分の1くらいになるらしくて、まだ2分くらいしか経ってないことになってる。便利だねぇ。

僕たちは空間から出るとお別れして、それぞれ帰って行く。またコーヒーとかエナドリとか買って帰ろうかなぁ~。


「……ぇぐ。……ぅぅ」


飲み物を大量に買った帰り。ちょっとした路地裏から、微かに声が聞こえてくる。僕とミラちゃんみたいな事をしてるのかなって一瞬思ったんだけど、よく聞いてみると泣いてるようにも聞こえる。

これは、聞き覚えがあるから分かったよ。誰かさんが泣いてたときと似てるし。


「大丈夫~?」


路地裏に入って声をかける。そこにいたのは、


「っ!?こんな所に人が!……くっ。殺してやるわ!」


2本の黒い角。紫色の目。背中から映えた翼。ちょっときわどい暗めの衣装。

見覚えがあるよ。この子、ミラちゃんと戦ってた怪人じゃん。


「……殺されたくはないけど、悩みくらいなら聞くよ。怪人ちゃん」


僕はトラブルにでも愛されてるのかなぁ?まあ、とりあえずこの子を慰めてあげようか。……この子とも一線越えるなんて、ないよね?





「魔法少女を慰めてたら一線越えちゃった……てへぺろっ」 《完》

この作品は一旦ここで終了です!

この作品の他にも同じような短さの作品を投稿しているので、作者のページから「長編化予備群」のシリーズを覗いて頂ければ!!

人気があった作品は長編化します。勿論この作品も……チラチラッ(ブックマークや☆をつけて頂ければ、続きが書かれるかも……

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