猫は金貨よりも コイン二枚目
登場人物
ミユ
「さて、ココからミユさんの回想と言うか昔話が始まるんデスが…」
パタン と唐突に本を閉じてミハヤは言う
「ミハヤさんの事覚えてますよね? これミハヤさんが語ってるって分かってますよネ?」
わざとらしくそうゆう事を聞いてから、
「ここからの話し、ミユさんの懐古語りがハジマルだけなんで折角なんでこうしようかなと」
と、唐突にあらぬ方向を向いて、
「よろしくお願いシマス、ロストさん!」
「はいまたまたまた勝手に連れ去られてきたロストさんです!!」
もうやけっぱちに様に元気よく自己紹介をする全体的に黒い紫の瞳の幼女、今章は遅めの登場のロストは元気よく自己紹介をする
「もー未夜ちゃん! いつもいつもイキナリ僕を連れ去るのは———」
と諦めたようにこちらを向いて……
「? 何でマスター?」
「エ、マスターって誰‥? ここに居るのはお客さんと自称ミハヤさんだけだけど…」
ポカンとした顔のミハヤ
そんなミハヤをげしげしと見つめた後、
「……まぁいいや」
特に気にした様子も無くロストは言う
「で、今度は何かな? また場のつなぎ? それとも冒険?」
「イエ、今回はちょっとミユさんの昔話が入るのでチョットロストさんの幻影を使いたくて」
「……僕を映写機として使いたい、と?」
「ええそうです、ロストさんはミユさんの過去話聞いてましたよね?」
「まぁそうだけど……」
少し嫌そうな顔のロスト
「ちょっと今回のあの事件あんまり思い出したくないんだけど……」
どうやらその原因は今回の物語の結末にあるらしい
一体何があったのだろうか?
「あ、一応言いますがまだネタバレは厳禁ですからネ」
「はいはい分かってますよマスター、全くホント人使いが荒いんだから…」
「…あの、ミハヤさんとロストさんは今回合うのが初めてのはずなんですが……」
「あぁはいはい、そうですね、初めましてこんばんは」
雑な扱いに不満そうなミハヤ それを気にせずロストは、
「んじゃ、行くよ 幻影劇場の開幕———
「二ゃははは! 今回も大量大量!!」
私は高らかに笑いながら宝箱の財宝をカバンへと詰める
「いやー、今回の情報はマジだったのかー! 若干疑心暗鬼だったが、これは結果オーライという事よ!」
私ことミユはトレジャーハンターをやっている この時代、今更呪いとかそうゆうのを信じる者はほとんどおらず、各地でお宝さがしをするヤツが絶えない
正に大探索時代とでも言おうか
「しっかし… ここは呪われているとか結構噂されていたが……」
拍子抜け、とは思わない むしろ、ここから気を引き締めていかなければならない
お宝あるところに呪いアリ、デマにせよ見間違いにせよ、最低でも誰かが呪いがあると言うような原因が何処かにあるはずなのだ
「お宝を見つけたんなら呪いなんて無い、と威勢を張りたいところだが…」
チラリとカバンの宝を見て、
「むしろ、宝があるんなら呪いもあるんだろ、って考えるのが私的にはしっくりくるんだよなー…」
むしろ、何で宝を見つけた途端呪いが無いと安心するのだろうか
何処かの言葉でハシゴを降りる時は一番下の段を降りる時が最も気を付けねばならないと聞いた事がある
これは安心した時が一番危ないという意味らしい
「それには賛成ですわ、何せ私もそれで何度危ない目に遭った事やら……」
当時の事を思い出して思わずため息を付く
古典的な落とし穴は言うには言うには及ばず、毒矢、火炎放射、更には大岩と言ったトレジャーハンターを楽しませるアトラクション(引きつった笑み)が用意された所が山ほどあった
ホントよく助かってるな と神のご加護を信じないといけない
「…とは言っても、私は神なんか信じないけどね」
とは言った物の、神の存在自体は信じている きっと私が聞いた事も無いような所に住んでいるに違いない
それでも、私は神のご加護は信じていない
いつもいつも、神に祈りを捧げる聖職者に失笑を禁じ得ない
神は何もしてくれない 仮に神が何らかの力で私が気付いていない時に命を救ってくれていたとしても、なら、何で私が命を懸ける羽目から救ってくれないのか
「……何一匹でぐちぐち喋ってるんだろ」
遂に私のも寂しさの病が回ってしまったかな
いつもはお宝を見つけたら大が付くほどテンションが上がっていたのに、この日だけは少し沈んだまま、今度こそ落とし穴に引っかからないように慎重にこの洞窟から出る事にした
ミハヤ)ふーむ、やっぱ最近はハイファンタジー、異世界系がトレンドなんですねー
ロスト)あーんま僕は異世界系は見ないけどね
ミハヤ)……一回このミハヤさんもハイファンタジーに登場してみようかな?