4.管理官ドツーク
出向したヤレル管理官の代替要員として、ドツーク管理官が赴任してきた。
新任だったヤレル君と違い、何年か管理官を務め、各地を転任してきた。
彼ならうまくやってくれるだろう。一安心だ。
「言うまでもないと思うが、惑星アサーテには、できるだけ手を出さずに、見守る方針でいきたい。何らかの介入をするときは、必ず報告してくれたまえ。」
「分かりました、ボヤク支部長。報告書、申請書は必ず提出します。」
経験者だから、細かいことを指示しなくても、分かってくれる。
と、思っていた......。
やたらと申請書が多い。
しかもあまり使われない『天罰:雷撃』の使用許可申請だ。
とにかく、ドツーク管理官に話を聞かねば。
「なぜこんなに『天罰:雷撃』の使用申請があるのかね?
今までこれは、よほどのことがない限り、使われてこなかったんだよ。
領民を虐殺する領主とか、魔力が暴走した魔王とか。」
「私が赴任してから発見しただけでも、王族による不正、教会内部の腐敗、商人のあくどい取引、などが十件ほどありました。今後、こういったことを防ぐためにも、天罰を与えるべきです。」
「ちょっと待って。それくらいで、『天罰:雷撃』を発動させていたら、避雷針が必要になっちゃうよ。」
「気象学の発展につながるかと。」
「この申請は全部却下です!本部に上げるまでもない。」
この後も、ドツーク管理官による申請は、増える一方だった。
ささいな不正も見逃せない性格らしい。
なるほど各地を転任させられてきたわけだ。
申請書の却下に追われるボヤク支部長の胃に穴が開く日は近い。
ドツーク管理官は、『天罰:雷撃』に代わる新たな制裁手段はないものかと、今日も真剣に考えていた。




