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3.査察官バレル

バレル査察官がやってきた。

支部長のボヤクさんが、資料を見せてあれこれ説明している。

俺も惑星アサーテの管理官として同席する。

「アサーテでは、最近魔獣被害が減ったようですね。

瘴気による健康被害も少なくなっている。

これは、シアサーテ国が独自に聖女召喚を行った影響でしょうか。」

「ヤノアサーテ国でも、ある程度魔獣被害が減っていますね。

どちらも人口が増えてよい傾向です。

魔族国では、科学技術の発展が見られます。

前任者がかなり被害を与えましたが、その後順調に発展しているようですね。

喜ばしいことです。」


よかった!勇者育成のことは、何も言われなかった。

気づかなかったのかな。ラッキー!

一通り説明が終わると、バレル査察官は、軽く会釈をして部屋を出て行った。

廊下を歩く足音も遠ざかる。

今のうちに、勇者の能力停止を解除しよう。

早くしないと死んじゃうかもしれないから。

「えっと、危ない、危ない。魔王城にいるじゃないか。

早く能力を戻さないと......。」

「誰が魔王城にいるんですか?戻すって、何を?」

背後から、楽しそうなバレル査察官の声がした。

「君、何か隠してるなぁと思ったんですよ。

自分から教えてくれて助かりました。」

「ほう......勇者育成ですか。それには、申請が必要なこと、ご存じですよね?」

俺は、バレル査察官に連れられて、ボヤク支部長の部屋に向かった。


結局、申請違反ではあったものの、被害もほとんどなかったということで、口頭注意だけで許してもらえた。

そのかわり、俺はしばらく、人手不足で有名なゴノアサーテ星系に出向することになった。

首の皮一枚つながったって感じ。


「本当に申請書一枚書いておけば、こんなことにならなかったのにねぇ......。

まぁ、申請が通ったとも思えないけど。

あちらは、ものすごく忙しそうだから、体に気を付けて。

戻ってくるのを待っているよ。」

ボヤク支部長、本当にいい人だ!

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