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下酢の末路について

「へぇ、あの下酢って人は警察に連行されたのか」


「どうも近所の人も怪しい人物が徘徊してるって警察に通報していたみたい」


 休学明けの昼休み。

 俺と佐奈、奈々と田井中さんと服部君と真由と啓介の7人で昼食を摂りながら、昨日の朝にお父さんから聞いた話を田井中さんや啓介にも教えた。


「それにしても、あの下酢って学校を退学していたんだってね」


「どうも会社が破産寸前になってて、学費が払えなくなったらしい」


「それでかぁ」


 そして同様にお父さんから聞かされた下酢の事実について話をした。

 どうも悪野達の事件の前に、会社が立ち行かなくなって学費が払えなくなったために退学になったという。

 俺達が通っている高校は私立なので、学費は高めだ。

 なので、この学校では、学費の支払いは1年に2回に分けて支払う事が出来るようになっている。

 それなのに退学になるって事は、分割しても払えなくなったって事だろう。


「父さんが言うには、あの下酢の会社の社長は、本来社長の器ではなかったみたい」


「どういう事?」


 さらに真由の話に、佐奈が食いつく。

 やはり、気にはなるか……。


「本来は、あの会社は別の親族が継ぐはずだったんだよ。 それが気にくわなかったのか、今の社長が父親である先代と親族を殺して乗っ取ったんだって」


「それでなのね。 達也叔父さんや父さんがある会社の雰囲気が悪い方向に一変したって言ってたのは、それだったんだね」


「あの社長は、自分のお気に入りの社員だけを優遇してたし、取引先も会社によっては見下してたみたい」


「そりゃあ、続々と切られるわけだ」


「うん。 ちなみに下酢が連行された直後に、彼の父親も逮捕されたみたい」


 しかし、聞いただけでもえぐい内容だなぁ。

 破産寸前に追い込まれた会社は、元々は今の親子でない別の親族に継がせようとしていたのが、それが気にくわないからって無理やり乗っ取るとか。

 先代は、今の下酢の親子が社長や経営者の器ではないって分かってたから、他の親族に継がせよとしてたのにな。

 いわゆる自分中心の考えなのだろうか。

 下酢の父親も逮捕されたって話だし、最早会社は維持できないだろうな。


「とはいえ、油断はならないけどね」


「警察に連行される際には取り巻きも居たって話だし」


「ああ、確か過去に凶悪犯が脱獄したって話もあったくらいだ。 あの父親を持つ下酢ならありえそうだ」


「だから、登校も下校も一緒になる事は維持していくよ」


 とはいえ、まだ油断はできない。

 何らかの形で脱走や脱獄し、佐奈を自分のものにしようとすると思われる。

 なので、暫くは俺達と佐奈は一緒に下校したり登校したりすることになる。

 田井中さんや服部君とは、途中で合流したりしながらだが。


「とはいえ、現時点での厄介事のメインは百合原になるのかな?」


「そうみたい。 あの女、多くの教師が教育してても寝耳に水みたいで、効果がないみたい」


「相変わらず思想の押し付けで、みんなげんなりしてるしね」


 とはいえ、学校に在籍している中での最優先に対処すべき危険人物は百合原となる。

 田井中さん曰く、相変わらず他の教師からの教育的指導を受けても効果がないようで、逆にさらなる思想を押し付けているらしい。

 そのせいで、みんながげんなりしているのも真由は見ているようだ。


「久留里校長も頭を抱えているみたいだね」


「だが、同時に校長になったからには厳しく処していくと言ってたでござるな」


「あの人は、百合原のような思想の押し付けをする人は嫌いみたいだからね……」


 百合原の行為に頭を抱えながらも、厳しく処していくと決意している久留里校長の話題に入りつつも、俺達は昼食を食べ終えた。

 なお、俺のは佐奈が作った弁当だ。


 やっぱり、佐奈の作る弁当は最高に美味しいんだよなぁ。 

 

 こうして、昼休み終わりの10分前に昼食を食べ終えて、トイレで用を足し終えてから教室に戻るのだった。


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