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《12》強面皇帝と近衛騎士団総隊長2

 絶望。。

 護衛失格。。。


 茫然と陛下の消えた場所を眺めていた。

 隣に佇むフローレンも真っ青な顔で呟く。

 「……またお一人で始末しに行ってしまわれた……」と。

 落ち込み具合が半端ないもう一人の幼馴染を励ます為にも、「マークなら余裕、余裕!大丈夫っしょ」と肩をポンポンと叩いて笑みを浮かべた。



 敵味方が血を流さず、戦いを終わらせる方法。

 それは、マクシミリアンが戦場に出ること。

 だが、皇帝自ら戦場に現れるなんて、他の国ではない異例なこと。

 今頃、けりが付いてるな………リオジェラテリアの諸君よ、御愁傷様……。としか言葉が出ない。

 あの距離を一瞬で行き来出来る陛下の魔力の高さ。天罰のような落雷を今頃繰り出しているのだろうな。間近で拝見出来ないことが残念でならない。



 (いいなーうらやましいなルシアンが。ルークの活躍をあとでた〜っぷり聞かなければ!)



 本来なら、陛下を追いかけて戦場まで行くべきなのだが、いつものことながら、数刻もしないうちに戻られるだろう。

 だって、マクシミリアンは最強だから。


 人ではないと思う、、やはり神なのだと思い至る。



 「レックス、とりあえず戻るか!」



 フローレンは落ち着きを取り戻していた。

 私の背中に手を添えると「マークなら余裕なんだろ?」と朗らかに笑う。



 「それよりみたか?マリー嬢に跨がり黒マントを纏って颯爽と飛び立ったあのお姿!格好よすぎて心臓とまるかと思ったよな!!」と感極まった様子である。感動しすぎて声が奮えている。


 「そうだな!最高だったな!」と私も相槌を打ち笑った。



 「あとで絵姿かいてもらおうな!」


 「それな⭐︎⭐︎⭐︎」


 (くぅぅーー!!やっぱマークはかっけーなぁ!!)



 あの勇姿を忘れないように心のアルバムにしっかりと記録した。自室に新たな姿絵が加わるかと思うと気分が上昇していく。



 案の定、数分後に陛下からの連絡が入る。


 ““我が国の勝利!帰城するとのこと。””


 ただ、敵味方の兵に怪我はないが、関係のない一般人に攻撃を当ててしまったから手当ての為の医者を用意せよ。と直接フローレンに連絡があった。


 政務会議場に集まっていた大臣たちにも我が国の完全勝利!を高らかに伝えた。


 所々から安堵の声が聞こえている。

 リオジェラテリア王国に対しての賠償責任をどのようにするか、などの意見が上がっていく。ある程度まとめ終わるとあとはマクシミリアンの帰りを待つのみ。

 

 到着まで優雅にお茶を飲みながら、『マクシミリアン皇帝陛下 武勇伝!』で大臣たちは盛り上がり、談笑していた。

 「隊長殿も陛下の逸話をお話し下さいな」なんて囃し立てるもんだから、ついついながーく話をしてしまったた。大臣の輝かしい瞳をみたら調子が上がってしまったな。


 

 フローレンは医者の手配はしたものの、医局部に一名患者が来る。準備せよ。と指示を出しただけ。

 平民の男辺りが巻き込まれたのだろうと判断したため大臣にはそのことを伝えなかった。

 私も問題ないだろうと考え、その後は負傷者一名のことなど頭の片隅にもなかった。


  

 陛下からの連絡が入ってから、一時間が経った。

 更に一時間。

 そのまた更に一時間……。



 三時間を過ぎた辺りから、(あれ?マーク遅くない?)と思い始めた。

 いつもなら帰城の連絡を受けて、数分後には戻られるのに……待てども待てどもお戻りにならない。


 大臣たちは陛下の武勇伝に更に花を咲かせていたので時間の感覚がおかしい。だから陛下のお戻りが遅いということに、誰一人疑問を持っていなかった。

 

 余りにも遅すぎる。何かあれば連絡は入るはずだろうがその連絡も未だない。

 流石のフローレンも焦りを見せ始めた。


 何かあったのだろうか。余りにも遅すぎる……

 不安で心臓がドクンドクンと激しく波打つ。

 状況把握のために二人で会議場を出て執務室に向かった。


 何度も、何度もこちらから陛下に呼びかけても返答がな得られない。伝達魔法を繋げようとしても、ブチっと切断されてしまう。

 唯一状況を把握しているルシアンに確認しようとしても連絡がつかない。

 陛下の御身に何かあったのではないか。と更なる不安が頭を過っていく。



 その直後、国中の兵からの連絡で““マクシミリアン皇帝陛下 重症。現在馬車で帰城中。””と城中に響きわたっていた。

 

 

 目の前の視界がぐらりと歪み頭の中が真っ白になった。



 (嘘だろ……そんなわけない。マークが怪我をするなんてないんだ。ありえない。何があったんだよ。ルシアンと連絡がとれないのもマークの身に、いや二人に何かが……くそっ……)



 隣のフローレンも青白い顔をして茫然と立ち尽くしていた。


 廊下からバタバタと無数の足音が近付いてくる。

 大臣たちの焦りが伝わってきた。

 

 (無事でいてくれマーク。マークがいなければ、、俺たちは生きる意味を失ってしまう。)

 

 やはり付いていくべきだったと後悔の念が押し寄せ焦りと憤りを自分の太ももにぶつけた。

 


 マクシミリアン皇帝を敬愛する会の会員一同も心の底から祈りを捧げた。



 《どうかマクシミリアン皇帝陛下、ご無事であってください、、神よお助けあれ。》


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