二章の⑦ 二人ぼっち
入学式で試験が突如として始まった。
その内容は、現在約300人いる人間を200人まで絞り込む。 つまり、約100人は入学できないというものだった。
ルールは以下のとおり
① 約300人の生徒には1部づつパンフレットが配布されている
② そのパンフレットには1~40の番号がランダムに1つ書かれている
③ 1~40の番号を1人づつ揃え、40人のクラスを作り、係員に伝える
④ クラスはAからEクラスまである
⑤ 原則として手段は自由
主人公:誼人は、望と協力関係を結ぶが、二人の番号が同一というまさかの展開。
これから、どうなっていくのか……!?
望は続ける。
「特待生3人が偶然1、2番に固まるって事はさすがにありえないんじゃないかな~? この学校って特待生は1学年10人しかいないんだよ? だからあの人もわざわざ言ったんじゃないかなぁ。その特待生の番号がこんなに偏るって事ある?」
誼人は、自分がたった10人しかいない特待生だという事に妙な自尊心の充足を覚えた。
しかし、充足を覚えた感情とは別に、理性は冷静だった。
それは、ある仮説が頭をもたげていたからだった。その仮説がどれだけ信憑性があるのかを確かめたかったからなのか、迷わず口にしていた。
「キリが良すぎないかな。会場の席数も、クラスの数も、それに特待生も。全部の数字がキッチリとハマりすぎている気がする……」
発言する事で情報が頭の中で整理され、具体的な意見を続ける事ができた。
「今、思ったんだけど、特待生が10人って事と、クラスが全部で5クラスって事、そして長身の女の番号が1番、俺たちの番号が2番って事を偶然じゃない。つまり人の手が加わった意図的なモノなんだと思う。こういう仮説がたてられないかな『特待生は、クラス分散するように同じ番号を与えられている。その番号は1と2』」
後方からまたもや大声、それも男の声が聞こえたが、望月は誼人に目をすえたまま、続く仮説を待ってくれた。
「さっき言った、番号が280人に均等に割り振られている事を前提に、この仮説で状況を分析すると、この会場にいる1、2番は欠番が無ければ16人、そのうち10人が特待生ってのが、まぁ立てられる予想……かな?」
「若しくは、16人特待生候補がいるけど、実際に入学できるのは10人だよって場合もあるかもしれないし、パンフレットの交換が禁止されていないから、どうなのかなという思いもあるけど……」
ここまでスムーズに情報整理ができた事に、お互いがお互いを良き協力者だと感じ始めていた。
特に誼人は望の雰囲気から来る謎の安心感にとっぷりとつかっていた。
ある程度頭の回る生徒達は、大体は先程会話にあがった程度の状況は把握しているだろう。
そんな中で誼人は、自分たちだけが持っているであろう「特待生は1、2番である」という仮説をなんとか武器にできないかと考えていた。
この時、クラス振り分け試験開始から実に25分以上が経過しようとしていた。
二章 二人ぼっち 完です。
最初からここまで読んでいただくのは結構長かったと思います。
ありがとうございました。
ここから物語は、起承転結の承が続いていきます。
また、次章から登場人物も増え、それぞれの策謀と思惑が交差していきます。
今後共、宜しくお願い致します。




