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魔神が行く異世界大蹂躙  作者: 夜桜
五章 神獣大激突編
57/82

カレンの依頼

カレンの依頼は今回では終わりません

また、今回最後の方で矛盾点らしき物がありますが、そこについてはきちんと考えてあるので安心して下さい。詳しくは後書きのP.Sをご確認下さい。

竜の谷。数多のドラゴン系統の魔物が生息する魔の谷である。そしてその危険度はSSSと、かなり高い。


「はぁ!」


そんな谷を一人の少女が襲い来る多種多様なドラゴン系モンスターを手に持つ一本の剣で次々と薙ぎ払いながら駆け抜けている。


「ガアアアア!」


「ギャオース!」


「グララララ!」


「これしきでボクを倒せるとでも?」


三体のドラゴンが一斉に襲い掛かるが、少女ーーカレンは身体を回転させる事で彼等を弾く。そしてそのままドラゴン達の体を足場代わりにして次々と首を跳ね飛ばして行く。


「ふぅ……一先ずは落ち着いたかな?」


首を跳ねられたドラゴン達は大地を揺らしながら倒れ込む。そんな彼等の上でカレンは辺りを探って他の敵が近くにいないことを確認して一息着く。


「それにしてもこの応龍の剣……何故だろう……凄いしっくり来る……そう、まるで体の一部のように……」


カレンは自らの手に握る一振りの剣を眺めてそう呟く。


「GYAOOOOO‼︎」


「っと、また新手か……」


カレンが考え事をしていると、新たな敵がカレンの警戒範囲に侵入して来た。カレンはまた下級竜かと思い剣を握る手に力を込めるが、そこに現れたのは予想を大きく裏切る存在だった。


「GYAOOOOO‼︎」


「え?ファイヤー・ドレイク?」


目の前に現れたのは全身が炎に包まれている巨大なドラゴン。ファイヤー・ドレイクだった。

ファイヤー・ドレイクの登場により周囲の温度が数度上がり、カレンの頬がチリチリと音を立てる。


「ゲオルギウスを討伐しに来たって言うのに、まさかその討伐対象より格上の存在と戦う羽目になるとはね……」


ファイヤー・ドレイクは災害級でも上位に位置する。つまり和人が倒したデスピナスと同等の存在なのだ。


「GYAOOOOO‼︎」


不意にファイヤー・ドレイクは口から炎を放ちカレンを攻撃する。


「っと、いきなりだね!」


だがそれに簡単にやられるカレンでは無く、手に持つ応龍の剣でファイヤー・ドレイクの放つブレスを真っ二つに切り裂く。

カレンに切り裂かれた炎は、カレンの左右を進み、その先にあった岩を一瞬にして溶かしてしまった。


「流石ファイヤー・ドレイクのブレス……あれの直撃をくらったら流石にボクでもダメージ負うね……」


カレンは冷や汗を流しなが呟く。その視線はファイヤー・ドレイクの僅かな動きすらも見逃さないようにと、鋭くファイヤー・ドレイクを見据える。


「GYAO!」


その視線に反応したのか、ファイヤー・ドレイクは炎を纏う己の体でカレン目掛けて突進して来る。


「あつっ!」


カレンは余裕を持ってその突進を回避したが、ファイヤー・ドレイクの纏う炎の熱さ想像以上だったため、僅かに顔を顰めてしまう。そしてそれはファイヤー・ドレイクの前では致命的だった。


「GYAO!」


「えっ……」


突進を回避されたファイヤー・ドレイクは、そのまま尻尾を振るい、的確にカレンを捉えた。

攻撃を受けたカレンは体を炎で焼かれながら逆方向にある岩に叩き付けられた。


「GYAOOOOON‼︎」


炎を纏う尻尾の攻撃を直撃させたファイヤー・ドレイクは、勝利の雄叫びを上げ、カレンが吹き飛んだ岩の方向へ視線を向ける。


「GYA?」


そして違和感に気付いた。吹き飛んだ方向にあるのは壊れた岩だけで、カレンの姿が何処にも無いのだ。そして、そこで漸く自らの上に掛かる影の存在に気付いた。


「やってくれたね!」


そこにはファイヤー・ドレイクを超える巨体を持つ青色の龍がいた。


「ファイヤー・ドレイク、君は強いよ。人間形態でも負ける気はしないけど苦戦はすることは認める。でもね、本当の僕は君よりもずっと強いんだ」


そう言って応龍の姿になったカレンはファイヤー・ドレイク目掛けてブレスを放つ。ファイヤー・ドレイクも咄嗟に反応してブレスを放つが、僅かな均衡のを得て徐々にファイヤー・ドレイクのブレスが押し返されて行く。


「GYA……GYA……」


ファイヤー・ドレイクは苦しそうな声を上げつつも負けじとブレスに力を込めるが、押し返される速度を僅かに遅らせる事しか出来ず、遂には完全に押し返されてしまった。


「GYAAAAAA⁉︎」


カレンの放ったブレスを受けたファイヤー・ドレイクは悲鳴を上げる。そしてそこにカレンがトドメとばかりに鉤爪を振り下ろす。

振り下ろされた鉤爪はファイヤー・ドレイクの纏う炎をも貫き、その柔らかい腹部に深々と突き刺さった。


「G……GYAOOON‼︎」


「ぐあっ⁉︎」


ファイヤー・ドレイクは最後の力を振り絞って思いっきり尻尾をカレンに叩き付けた。それには流石のカレンも呻き声を上げるが、その時にはもうファイヤー・ドレイクは既に生き絶えていた。


「イテテ……流石災害級上位の魔物だ。強かったな……」


そう呟きつつカレンは応龍の姿から人間の姿に変え、ファイヤー・ドレイクを和人から貰ったアイテムボックスに放り込んだ。


「さて、次こそはゲオルギウスを見付けたいな」


そして戦いの爪痕が残る周囲を軽く見回した後、ゲオルギウスを求め歩き出した。


〜〜〜〜〜〜〜〜〜

〜〜〜〜〜


「いないなぁ……」


ファイアー・ドレイクとの戦闘から数時間。今だに目当てのゲオルギウスは見つからない。


「そろそろ竜の谷の最深部だけど……まさかゲオルギウス程度の強さでここの最深部にいる何て事無いと思うんだけどな……」


ここは天災級の魔物までも生息している。そしてそれらは最深部付近に住み着いている。そこは例え災害級の魔物と言えど安易に踏み入る事は無い。

ファイアー・ドレイクなどの災害級上位の魔物なら別だが……そこまで考えたところでふと違和感に気付いた。


(あれ?そう言えば何で災害級上位のファイアー・ドレイクがあんな入り口に近い所にいたんだろう……)


カレンは感じた違和感について少し考えたが、その違和感は直ぐに解明された。


『ほぅ、こんな所までよく来たな小娘』


そんな声と共にカレンの頭上からボキボキと何かを喰らう鈍い音が聞こえて来た。それに気付き咄嗟に頭上を仰ぎ見ると、そこには全長30m程のドラゴンが15m程のドラゴン……今回の討伐対象だったゲオルギウスを喰らいながらカレンを見下ろしていた。


「雷神竜ファガン……」


それは世界を創造した七柱の神々の名を冠むるこの世界最強の竜種の一角、雷神竜ファガンだった。


雷神竜ファガンとは神獣たる応龍達とは違い、神の力を持っていない。しかし、それでいて神獣にも匹敵するほどの実力を持つ、この世界でも最高位に位置する魔物だ。その強さは最高位の名に恥じず紛れも無くこの世界最強の一角を担う。その危険度は絶望級。弱い邪神達では束になっても到底太刀打ち出来無い程の強さを持つ。仮に太刀打ち出来るとしたらベルゼブブと同格の七大罪の邪神クラスでは無いとまともに攻撃し合う事すら出来無いだろう。


『フハハハハ、どうやらワシを知っているようだな!それでいて取り乱さ無いその胆力は関心するにあたる!』


ファガンは絶命したゲオルギウスを頬張りながら豪快かつ楽しそうに笑う。しかしカレンの心境はそれどころでは無かった。

”竜種”の頂点たるファガンを前に”龍種”の頂点たるカレンは歓喜に震えていた。


『取り乱さ無いでも流石に声を出す事は出来無か。小娘、主は運が良い。ワシは今腹がふくれておる。見逃してやるからさっさと帰るがよい』


ファガンはそれを怯えて声が出無いと判断し、上から目線でそう伝える。


「君は何を勘違いしてるんだい?」


そしてカレンはそれを一刀両断する。


『なに……?』


そんなカレンの様子に違和感を覚えたファガンは僅かに警戒して声をかけた。


「ドラゴンでもやはり竜種は愚かだね。同じドラゴン族として恥ずかしいよ……」


『それは侮辱と取ってよいのか?』


ファガンは静かに、それでいて確かな怒りを孕んだ声で語りかける。


「そんなのも判断出来無いのかい?君は本当に馬鹿だね」


『そうか……よく分かった。見逃してやろうと思ったが、やめだ。貴様はここで殺す』


そう言ってファガンは己の手に巨大な雷の玉を作り、目に見え無い速度で投げ付けて来た。


「ボクも舐めれた物だね。こんなもので倒せると思われるとは……」


だがカレンはそれを応龍の剣で真っ正面から真っ二つに切り裂く。


『なに⁉︎』


驚愕に目を見開くファガンに内心ほくそ笑み、次の瞬間には真面目な表情に戻して次の行動を取る。


「君は本気で相手をしてやろう……」


そう言った直後カレンの体は光に包まれ、そして次の瞬間にその場所にいたのは青色の鱗を持つ蛇のようなドラゴン。応龍の姿となったカレンだった。


『貴様ァ……応龍だったのか!この忌まわしき蛇もどきめ!』


「君に言われたくは無いね!このトカゲもどき!」


ここまでくれば察していただけるだろうが、同じドラゴン族でも”竜種”と”龍種”はとことん仲が悪い。遥か昔から何千と繰り返し戦い血を流して来た。

竜種は種類が多く数が多い。龍種は数は竜種に比べ圧倒的少ないが一匹一匹が竜種数体〜数十体分の強さを誇る。

しかし雷神竜含む七体の竜は龍種の頂点たる応龍と同格だ。つまりこの戦いはどちらが勝ってもおかしくないの戦いなのだ。


『応龍、ここであったが百年目!今日こそ貴様を屠ってくれるわ!』


「僕の名前はカレンだ応龍なんて名前じゃない。だけど君は名前を呼ばないで。虫唾が走る」


そんなやりとりをした次の瞬間、二匹は空中にて激突した。ここに最早何回目かも分からない龍種対竜種の戦いが始まる。

皆さんお察しの通り竜種には火、水、風、雷、土、光、闇の竜がおります。そのどれもがカレンと同等の実力です。じゃあ過去の竜種対龍種の戦いは龍種の惨敗じゃん!実は違うんです。その謎は次回で!


P.S

龍種と竜種は仲が悪いですが、神竜であるヴェルフェンは姿は竜種ですが、全てのドラゴン族の神的存在なので竜種と龍種の仲の悪さには含まれません。簡単に言うと地球で言う黒人と白人は仲が悪いけど、崇拝する神は同じって感じの認識です。

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