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【キミの声をきかせて】~声を失った少女は、四人の王子に溺愛される~  作者: みみまる.com


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28/28

EP28最終回:キミの声は愛を叫ぶ。


きょーくんと話をしたあの日の夜、帰ってきたきょーくんが私に謝ってきた…。



「…澪…ごめんな。力になれないかも…」



そう言って申し訳なさそうに笑うきょーくんに私もなんだか申し訳なかった。



あれから…きょーくんと春琉くんはあまり喋らなくなって…


そして私もあからさまに春琉くんにはもう避けられていた。



「澪ちゃーんっ!!」


「あ、碧くん、こっちの席あいてるよ〜」


「澪の隣は俺だから碧あっちね」


「お前も毎日二年の教室まで飽きもせずによくくるよな〜」



そう言って元気よく現れた碧くんと、あれからずっと気にかけてくれるきょーくんと律くんとお昼を食べている。


春琉くんは私たちの輪にも入らなくなってしまった。



「え〜?だって僕澪ちゃんのこと大好きだし〜っ、ね?澪ちゃん」


「えぇ…ありがとう?ふふっ」


「またどっかデート行こうよぉ〜」


「えー?そうだなぁ…どこがいいかな?」



そんな明るい碧くんに私は元気を貰えてる。



「碧、澪に甘えてんなよー」


「甘えてなんかないからっ!澪ちゃんは彼氏いないんだから別にいいでしょ〜っ!」


「こいつは…ダメ。俺が振り向かせるって決めてんの、デートなんてさせねぇからな」



そう言ってな?と笑うきょーくん。



「か、勝手に二人で決めないでよっ、あっ、そうだ…みんなで行こうよ、ね?」


「デート?ありえない…行くなら碧と響也で行っておいでよ。俺は澪と二人で家でお留守番するから」



そう言って律くんもマイペースに話に入ってきて、私の気持ちを知っても変わらないみんなに元気をもらえる。



そして、きょーくんが思い出したように



「澪、足りないのあるって言ってたよな?買い物あるなら俺放課後付き合うよ?」


「わっ…そうだった…お願いしていい?一人じゃ持ちきれなくて…いつもごめんね?」


「気にすんなって言ってんだろ?」



私の頭をポンポンっと優しく撫でるきょーくんはあれからずっと私に付き添ってくれていた。



そして、放課後になる。

先生に呼ばれたきょーくんを教室で待ちながら窓から外を眺める。



私の視線の先にいるのは、一人で帰っていく春琉くん。



たまに女子に絡まれては嫌そうな顔をしながら追い払ってて、相変わらずだな〜なんて思う。



「…ふふふっ」


「…何一人で笑ってんの?」



そう言っていつの間にか戻ってきたきょーくんが隣にいた。



「な、なんでもないよっ…ごめん行こうか?」


「…はぁ…澪ってわかりやすいよな

春琉見てたんだろ?

こんなに避けられてても…やっぱ好きなの?」



そう言って真剣な顔をするきょーくん。

そんなきょーくんに少しだけ気まずくなって俯きながら答える。



「…うん…ごめんね…嫌われてるのに何言ってんの?って感じだよね…」


「…はぁ…まぢであいつのどこがいーの?って感じ。澪に寂しい思いさせてこんな顔にさせやがって…」


「あはは…だよねー…忘れるように努力はしたるんだけど…ね」



そう言うとため息を吐いたきょーくんは、何かを覚悟を決めた顔をした。

そして私を酷く愛おしそうな目をして見る。



「澪…俺はお前の事すげぇ好きだよ…昔からずっとな…。


街中で俺とのキーホルダー大事にしてくれてるお前のとか信じらんないぐらいすげぇ嬉しかったんだよ俺…。


再開してから昔から変わらないお前の真っ直ぐさとか…泣き虫なのにまぢお節介で優しくて強くて…まぢでそーゆーとこ…好き…。


昔から大好きだったお前には幸せになってもらいてぇ。


俺が一緒にして笑顔にしてやれねーかなって思ったけど…春琉をいつも見てるお前を見てやっぱり俺じゃダメだなって…思ったわ…


俺の好きなお前の笑顔は春琉と一緒にいる時が一番可愛い…。俺にその笑顔はつくれねぇ…


春琉のことが…どーしても好きか?」



そう言って愛おしそうに私を見るきょーくんの目は悲しみに揺れていた。



「うぅ…っ、ありがとう…でも、ごめ…んね?春琉くんが…好き…っ」



私の答えを聞いたきょーくんはフッと悲しそうに笑うと



「はぁ…春琉にはムカつくけど…春琉は澪が好きだよ…


春琉は前にお前を傷つけたことすげぇ悔やんでた。自分は何も澪に何もしてあげれてないって言ってた。


お前のこと好きすぎて嫉妬でまた暴走したくねーんだと…それで…自分の好きな気持ちを抑えて、俺に澪を任せたいって言ってきたんだ


澪の気持ちを無視してそんな事を言う春琉にすげぇムカついてたから黙ってた…ごめん


俺の勝手だよな、それで澪が俺に振り向いてくれたらよかったけど…澪が悲しそうなのはやっぱ耐えらんないわ俺。


今日春琉ギプスがとれるから病院行ってるよあいつ…気持ち伝えてこいよ


春琉の事が好きでも俺のこと忘れんなよ…いつだってお前の力になるから…これからもな。

振られた時は俺選んだ方がいーよ?」



そう言って明るく笑うきょーくんはいつもの明るい笑顔で私の背中を押してくれる。



「きょ…きょーくんっ…ありがとう…いつもそばで支えてくれて…ありがとうっ…私の好きはっ…きょーくんとは違う、けど…っ、大好きだよっ!ありが…とうっ」



私も精一杯の泣き笑いできょーくんに微笑んだ。


私の泣き笑いの笑顔を見た瞬間…きょーくんの目は見開くと…見る見るうちにポロポロと涙が溢れ出す。



「っくそー…まぢで…涙とまんねぇ…っ


しかもっ…最後の顔が泣き笑いって…昔に最後だった日と…一緒じゃねーかよ…っ


おら…泣いてんの、見られたくねぇ…から…バカ…はやくっ…行けよ」



泣いてるきょーくんを置いて行くのができなくて…私が立ち止まっていると


近づいてきたきょーくんがまだ涙を零しながら小さな声で


「…いけっ」


そう言って私の背中を手でぽんっと押し出した。



「……っ…いってきます…っ…」



そして、私は走り出す。



走り出した澪後ろ姿を見送ったあと誰もいない教室で嗚咽を堪えながら泣き崩れる響也。



「……いくな…よっ…くそ…っ…みお…すき…だっ…」



何年にも及ぶ片思いがここで終わった。





──────────────……



私は、走った…。苦しくても息が上がっても病院に向かって走り続けた。



春琉くんが罪悪感で身を引いてたなんて知らなかった…そんなにも一人で後悔してたなんて知らなかった…


何も私に出来なかったと言う春琉くん。


そんなわけないじゃんっ!!

私を助けてくれたのは誰だと思ってるのっ!!




走り続けてると…


やっと大好きな後ろ姿が見えた。


ギプスがとれた手をポケットに突っ込んで気怠げに歩く私の大好きな大好きな人。



春琉くんを見るまでは、いろいろ言いたいことがあったけど…見つけた瞬間そんな言葉たちは頭の中から落ち去っていって



あの事故の日と同じように、もう二度と春琉くんを失いたくないって気持ちが溢れて…



今度こそ…私の声であなたの暗い気持ちからもう一度救ってみせるよっ!!!



私の人生を…出なかった声を…変えてくれたのは春琉くんなんだよっ!気づいてよっ!



かけがえの無い世界で一番大好きなあなたに伝えたい言葉を、貴方が呼び戻してくれた私の声で今度こそはちゃんと届けるよっ!!



私は大きく息を吸うと、夕暮れの街の中でありったけの愛を込めて叫んだ───



「──春琉くんっ!!!!大好きですっ!!!」



私の声が響き渡る。



春琉くんはバッと振り返ると信じられないものを見る瞳で目を見開いた。


そんな春琉くんに私は涙を流しながら全力で走ってその広い胸の中に飛び込んだ。


飛び込んできた私に唖然としてる春琉くん。



「うわっ…は?…え……澪っ…」


「春琉くんが……大好きなんですっ!!……気づいてよっ…!」



そう言ってしがみついて泣く私に春琉くんは切なそうな顔をして遠慮がちに手を回すと



「…俺なんかで…いいのっ…」


「当たり前だよっ…私を拾って救ってくれたのは誰だと思ってるの?最初からずっとずっと一緒にいてくれたのは誰っ!春琉くんでしょ?

春琉くんじゃなきゃ私は…やだよっ」



その答えを聞くと春琉くんは愛おしそうに幸せそうに私を今までで一番強く強く抱き締めた。



「……ったく…俺がどんだけ我慢したと思ってんの…もうどんだけ嫌だって言っても…あとから響也が好きとか言い出しても…もう逃がさねぇよ?」


「逃がさなくていいっ…春琉くんが好き」


「…俺もお前が死ぬほど好きだ…嫉妬でおかしくなりそうなぐらい好きだ……すげぇすげぇ嬉しい。もう二度と誰にも渡さねぇから…覚悟しとけよ」


「うんっ!!」


茜色の夕日に包まれながら、お互いの温もりを確かめ合うように強く強く抱きしめ合ったのだった。



────────────────…



その後…



「ただいま……っ」



幸せの気持ちのまま春琉くんと手を繋ぎ、二人で寮の扉を開けた。



リビングに入った瞬間、待ち構えてたみんなは笑っていて



「はぁー…最悪。やっぱり二人くっついてんのかよー!!その手、離せよっ!」



そう言ってきょーくんは頭をガシガシかいた後、明るく笑った。



「春琉くんっ!ずるい!せっかく次のデートの約束してたのにぃっ!!僕諦めないからね?春琉くんが澪ちゃん悲しませたらすーぐ奪いにいくんだからね?!」



怒りながらも最後は最高の笑顔で笑う碧くん。



「俺は二人が付き合ってても関係ないよ。澪の隣にずっと一緒にいるのは俺だもんね?」



律くんは、相変わらずマイペースな顔をして私の隣にしれっと並び私の左手を握ろうとしてくる。

それを見た碧くんは私に前から飛びついてきて響也くんは後ろからそっと抱きしめてきた…。



あれ…私の彼氏は春琉くんになったはずじゃ…?



「おい…てめぇら、澪はもうお前らのじゃなくて俺のってわかってんの?触んじゃねぇ!!」



そう言って怒る春琉くんに三人は笑うと



「えー、俺は別にお前が付き合ってても澪が俺に振り向いてくれるまでずっといるよ?」


ニカッと笑う響也くん。


「僕も春琉くんが澪ちゃん泣いた瞬間すぐ奪いに行くつもりだから、ずっと澪ちゃんにくっついてるよ?」


可愛い笑顔で笑う碧くん。


「彼氏とか彼女とかそんなのあってもなくても変わんなくない?俺はずっと一緒って約束してるからずっと一緒にいるよ?」


相変わらずマイペースな律くん。



「…お前ら…まじで……」


怒りで震える春琉くん。





お母さんを亡くして声を失って、絶望の中私を救ってくれたのは春琉くん。

一人ぼっちだった私の心を助けてくれたのは、この寮の四人の王子様たち。


四人の王子様たちに囲まれて私はこれからもこの温かくて幸せが溢れる寮でずっとみんなで笑って暮らしていくよ───。



ここまでよんでいただきありがとうございました(*´>ω<`*)某サイトで逆ハー1位でした。ありがとうございました。

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