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私、悪役令嬢おたすけ課 ~魔法少女は公務員です?!~  作者: ビオラン
番外編

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プロジェクトと生意気な後輩

ここからは、完結後の番外編です。

登場人物を活躍させたくなった時に、気まぐれに更新していきます。


「エミリー先輩ーー!! こっちですーー!」


 接続の扉の前で試行錯誤をする後輩達に呼ばれ、私は駆け寄った。彼らの目の前には大量の荷物が積み上げられている。

 どう見ても扉を通らないであろうサイズの物達。


「こんなに荷物いる?!」

あまりの荷物の量に、私は思わず声を上げてしまった。


 3人いる後輩を呆れたように見ると、各々慌てて目線を逸らしてくる。


ーーこれは確信犯かな。


「いい加減にしなさいって言ってるでしょう!!」


 怒っても目線を逸らし続ける彼らを放置して、私はおもむろに荷物袋の中身を確認し始めた。


「まって! 誰よこんなにお菓子いれたの! 誰が食べるの?!」

 袋の中からは大量のお菓子達。

 後輩達に見せると少し面倒そうに3人は答えた。


「いやだってエミリー先輩、お菓子あればチョロそうかなーって」

 こう先輩を敬いもしない発言をするのは後輩のジルだ。目を離した隙にサボろうとしてくる厄介な奴である。外面は良いのに、私には性格の悪さを隠そうともしない。


「妥当ですね。子供じゃあるまいし……と言いたいところですが、先輩には最適な賄賂だと思われます」

 こんな失礼な発言をしてきたのは2人目の後輩クレイ。真面目で的確な発言をしてくれる一方、物凄く毒舌だ。先輩を先輩と思ってないのではなかろうかという発言についイラッとしてしまう。


「だ、だめですよぅ。そんなこと言ったら。あ、あう。え、えと」

 ここでドギマギしているのは3人目の後輩マナ。引っ込み思案な性格だ。私のことをフォローしてくれているのかいないのか、言葉数が少ないため未だにキャラが掴めていない。


 後輩の適当な返答を聞いて、私の何かがプチっと切れる。


「なんでそういう発想になるのよーーーー!!」


 私は呆れと怒りに任せて叫んでしまっていた。



ーーいきなりお恥ずかしい姿を晒してしまったが、これは最近よくある光景である。


 私は今プロジェクトのリーダーで、3人の後輩を率いて仕事をしているのだ。

 今回はプロジェクトに入る前に、後輩を連れて下見に行くはずだったのだが……準備の段階で一悶着起こってしまった。

 後輩が荷物に無駄な物を入れていたからだ。その内容は、私のご機嫌取りにお菓子を入れるというもの。


 私は子供か!


 なんなら自分達が食べたかっただけだろう!

 怒りを通り越して、ツッコミどころが多すぎる。


 どうしてこうも一癖も二癖もある後輩がついたのか。

 上層部が私を弄んでいるのではないかと思ってしまう程だ。人事を操れそうな上層部なんて部長くらいしか思いつかないのが腹立たしいが。


 私が頭を抱えていると、扉の調査に来たのか見覚えのある白い制服の姿があった。いや、少し虹色のブローチが増えただろうか。


ーータロウだ。


 だいぶ向こうにいるにも関わらず、直ぐにあれがタロウだと分かってしまった。

 向こうも私の姿に気付いたのか、ニコリと微笑みながら近付いてくる。


ーーさて、どうしたものか。


 実は屋上でのあの一件からタロウと上手く会話が出来ない。どうもギクシャクしてしまうのだ。

 いや、だってあんなことがあった後だ。どうすれば良いのかさっぱり分からないのだ。

 お陰様で私の心臓の鼓動が早まっている気がする。


「あ、えと……タロウさん、お疲れ様です」


 普通に声をかけようとして……うまくいかずどもってしまう私。

 やってしまった……と思ったが、タロウは気にすることなく「おう」と言い、私の横を普通に通り過ぎて行った。


 いや、普通に通ってくれたら良かったのに。


ーー普通と見せかけて、タロウは通り過ぎ様に耳元でこう囁いた。


「何? 早速俺のこと意識してくれてるの?」


 私が思わず振り向くと、タロウは少しだけ意地悪そうな顔をしてこちらを見ていた。

 私は自分の顔が火照るのを感じつつ、「なっ?!」と声を出してしまう。しかし、タロウは何事も無かったかのように後輩達の所に向かって行った。


ーーなんて奴だ。


 人の心を弄んでいるのだろうか? あの自分だけ余裕ぶった様子に腹が立つ。


 私は自分の顔を手で仰いで冷ますと、心情を悟られないように急いで後輩の所に向かった。


◇◇◇


「……で、この大量の荷物は何なんだ?」

 目の前に置かれた大量の荷物に、タロウも驚いている模様。


「備品課に荷物を運んでやれと、親父から言われて来たらこの荷物。お前ら何を運ぶ気だ?!」


 タロウが呆れて後輩達を見ると、当の後輩達は背筋を伸ばし始めた。私に対する態度とは大違いで、とても誠実さを出している。それぞれ口を開いた。


「えーっと、飯です」

「先輩への賄賂ですね」

「あの……ただのクッション材です」


「うん。みんな正直に言おうね」


 発言は安定のクズだ。

 私はにこやかにツッコミ、ガンを飛ばす。


 タロウは私達の会話から何かを察したように、大きくため息をついた。

「先輩がこれだと、後輩もこうなるのか……」

「え?! 私のせいですか?!」


「ほんと、先輩のせいで私達こんな後輩になってしまってー」

「先輩、無様ですよね」

「あわわわ」


 ここぞとばかりに主張する後輩達。


「黙っとれい!」

 私が思わず怒るとスッと黙る後輩達。


 タロウは後輩と私との会話に呆れ、また大きなため息をついたのだった。

後半に続く。

(一話に入れるには長い気がしたので、分けました。)

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