表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
咲也・此花STEPS!! 4~もと・訳ありフリーターの俺が花いっぱいの国でにゃんこな王様になるまで~  作者: 日向 るきあ
STEP8.そして、大団円へ

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

49/54

STEP8-3 ヒーローになった、そのさきも~梓と奈々緒の場合~

「これでしばらく、この海もみおさめかー……」

「だねー……」

「ここ来ると、思い出すわ。

 俺、このガケから落ちたんだよな。

 そして、ナナとサキに救われた。

 歴史が変わって、なくなっちまったことだけどよ。

 ……お前たちを殴ったことも。サクレアにひでぇことしてたのも」

「アズ。

 いいんだよ、もう、手放して。

 俺たち、そのために『高天原』にいったんだろ?

 あそこでお前は、それに見合うだけの苦労をしたんだから……」

「ありがとよ、ナナ。

 でもあの過去は、俺にとっちゃ、やっぱり確かにあった事実なんだ。

 そこで犯した罪も。そいつへの後悔も。

 消えてなくなったから、ハイそうですかと忘れていいとは、俺にはどうしても、思えねえでいるんだ。

 すまねえな。せっかく苦労してくれたのに……」

「あのさ。

 まさか『だから俺はひとりで旅に出る』とか言わないよね?

 もしもそんなこと言ったら、俺もさすがに怒るよ?」

「ちょ、まってナナちん!!

 そんなおれ命知らずじゃないから! 海辺でナナちん怒らせるほど勇者じゃないからねっ?!

 ……っていうか、そんな殊勝な野郎じゃそもそもねーし……

 ナナのおふくろさん笑ってくれたし、ナナが板ばさみにならねえし。

 俺的にはそんでもーOKだから!

 ほかの野郎が勝手にむかつくぐれーはぜんぜんいーわ! むしろグッジョブ俺だし!!」

「そんなこといって、ほんとは気にしてくれてるんだろ?

 偉名宮への出張、やっぱいこうって言ってくれたのお前だよ?」

「……

 お、お前のせーだから……」

「え?」

「クズ野郎の俺が、イメージぜんぜん合わないこといったりしたりしてるの。

 お前のせーだからっ。

 ……その、ちゃんとセキニンとってくれよ?」

「もちろん!

 改変前の過去のこともさ、割り切れないなら、それで悩んじゃうなら、俺が一緒に考えるよ。

 いのちだけじゃない。こころもちゃんと、ひとつにつなげて。

 おまえ自身が、おまえをホントのヒーローと思えるようになる日まで……ううん、そのさきもずっと、アズといっしょに向き合ってくから!」

「ありがとう、ナナ。

 ……ありがとう」



七瀬 奈々緒 ななせ ななお:国土管理省広報部所属、『七瀬の七番目』

名門七瀬家の七男として誰からも愛されて育った、ちょっとのんびりな癒し系。

彼が扮する“勇者ナナキ”は世界的人気キャラ。アニメやゲームまである。

サキとは高一時代に同級生として出会い、ツイブレ談義がきっかけで親友に。双子の妹の花菜恵はなえ、親友の梓とも一緒に、いろんなイベントを開催した。

<前世>七瀬 奈々希 ななせ ななき:『七瀬の七番目』、朱鳥あすか国建国王

偉名王国で弱者救済に尽力した活動家。その一環として『光の都政策』を廃案に追い込んだがいろいろあって有名になりすぎ、ほとぼりがさめるまでユキマイに留学。

そこで賢者メイに師事し、偉名海没の予測を得る。

避難先として新国家『朱鳥』を設立し、功労と人望から王に推された。

国情が落ち着き、民主化のため退位したあとは、大貴族として実力派議員としてバランスのとれた舵取りをみせ、愛される国を作りあげた名君。


蒼馬そうま あずさ:蒼馬バイオ研究所職員

亜貴の弟。奈々緒の親友で、サキ、サクともよき友人。

高校の文化祭でバンドをやっていたとき、パフォーマンスとして舞台に引っ張りあげた見物客が中学生の奈々緒だった。二人はその場で意気投合し、大の親友になる。

その後色々あり、命がひとつにつながった一蓮托生の間柄と判明。ますます仲良しになった。

<前世>アズール:偉名王立研究院の被験体、活動家、朱鳥王の騎士長

偉名王立研究院を逃げ出し、奈々希と出会ったことがきっかけで義賊となった人造夜族。

しかし『盗みをすれば結局誰かが傷つくし、お金をばらまくだけでは根本的な救済にはならない』と諭され、奈々希の仲間になる。

その後『光の都構想』を廃案に追い込んだことで有名になりすぎ、ほとぼりが冷めるまでとユキマイに留学。そこでサクレアたちと出会い、生涯の友人となった。

朱鳥国設立後は、奈々希と命をつなげて一の騎士となり、つねにそばで支えつづけた。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ