STEP8-2 海に臨んだキャットウォークでの会話、ふたつ
~1.カイルさん・ゆきさん・ロク兄さんの場合~
「しかし、ふしぎな感じじゃの。
歴史が変わる前にはまともにまみえたこともなかった陸星とわしらが、いまでは親戚同士、なのじゃからなあ……」
「これからはほんとの家族になるのよ。おじい様も一緒にね?」
「そういえばカイルさん、前世にわたしがゆきさんと婚約したとき、とてもお寂しそうでしたっけ……」
「いまだから言うのじゃが、どうせならダメモトで告白しとけばよかったかなーなどと、思ったりもしたもんじゃ。
それでも、どこかでわかっていたのじゃな。あれは、運命の出会いなのじゃと。
そのおかげで今があるのだから、これはこれでいいのじゃよ。
幸せにおなり、陸星、ゆき」
「はい!」
憂城 甲斐:参謀本部長
憂城の長老。夜天種。ふだんはのんびり、決めるところは決める。
何度か転生しているが、サクレア=サキをかわらず敬愛し、夜族社会を支え続けた。
学究と発明をこよなく愛し、その影響で孫のゆきさんとしあなは創薬研究と発明の道に進んだ。
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<前世>憂城 カイル:王立研究院被験体、『憂城』技官長
ゆきさんたちとともに施設に収容されていた夜天種。
夜族解放後、ユキマイに仕官、サクレアと仲良くなる。
いつもは気弱で要領も悪いが、サクレアのためなら不可能をも可能にするポテンシャルを発揮。
ユキマイ城改修時の大幅リニューアルを率い、夢をいっぱい詰め込みまくった『空も飛べちゃうすごいお城』を実現させた。YUIのメインプログラミングを行ったのも彼。
憂城 ゆき:ユキシロ製薬株式会社製薬部チーフ兼主席研究員
夜天種。知的で妖艶でフリーダムな美女。ユキマイ国の前身にして屋台骨・ユキシロ製薬の中枢を担いつつ、サキたちの先生役もつとめる。ついにロク兄さんと婚約した。
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<前世>
七瀬 ゆき:偉名王立研究院の被験体、教師
王立研究所の施設に収容されていた夜天族。夜族解放運動により自由の身となる。
国費留学生としてユキマイに留学したときには、進んでサクレアや子供たちに勉強を教え『ゆきおねえちゃん』と慕われた。
後に、解放運動の旗手である七瀬 陸也と結婚。
子供の教育、大人の学問の大切さを説き、自ら教鞭をとるかたわら、各地に学校や図書館を多数建てた。
七瀬 陸星:国土管理大臣、『七瀬の六番目』
名門七瀬の六男。ナナっちたちの七歳上のお兄さん(母違い)で、ロクにいと呼ばれている。
知的で紳士的で、上からも下からも頼られる。
はたから見るとやばいくらいサクに心酔しているが、最愛の人はゆきさんである。
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<前世>七瀬 陸也:騎士、『七瀬の六番目』、朱鳥国騎士団長
偉名王国が行っていた夜族への差別政策に反対し、夜族解放運動を行った騎士。
弟の奈々希たちと共に『光の都構想』を廃止に追い込み、夜族たちの自由も勝ち取った。
活動を通じてゆきさんと愛し合うようになり、彼女の成長を待って正式の伴侶に迎えた。
二人の結婚は、偉名における人間と夜族の和合の証として語り伝えられる。
朱鳥国設立時には、その立役者にもなった。
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~2.亜貴とイサの場合~
「そうだ、さっきメール来たんだ。
おやじとおふくろがいよいよこっち来れるって。
まだうちうちのことだけど、報告しとくな。
下準備そろそろ始めていいよな?」
「おう、頼むわ。
イザっちたちの結婚式には間に合うんだろ?」
「ああ。
朱鳥で誠人さんと遥儚さんの結婚式よばれてるし、それからにはなるはずだけど」
「りょーかい!
にしてもなー……
さびしくなっちまうな、あっきーたち行っちまうとさ」
「七瀬の人たちから違和感が消えるまでの間だ。すぐ戻ってこれるさ。
ってかイサはこれからたのしい二度目の新婚生活だろー? さびしいヒマなんかねーだろっての。
ま、もし振られたらいつでもメールくれよ。俺らひとりもん連合でヤケ酒つきあうから★」
「いらねえええ!!」
蒼馬 亜貴:ユキマイ国立蒼馬研究所元所長、主席研究員
夜族の名門出身。朱鳥国立東雲研究所に勤める父母が大恋愛の末に結ばれ、授かった子供。三つ離れた弟の梓を溺愛している。なお容姿は亜貴が父親寄り、梓は母親寄り。
アニメ『ツインブレイブ』シリーズのマニアで、ツイブレ博物館を作るのが夢。
淡谷 勇魚:福祉厚生省大臣
情報系EX級の異能をもつ天才児として生まれた。その能力を生かして、まずは全力でシャサさんの幼馴染になり、学業のかたわら彼女のマネージャーに。
ユキシロ製薬でも労務など手広くこなしつつ、シャサさんのフォローをしつづけた。
努力実って、現世でもシャサさんとの婚約にこぎつけ、めっさ幸せのご様子である。
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<前世>
イーサ・イサナ:相談役
いつもみんなを明るく励ます、気さくなムードメーカー。
賢者メイの後継者たる大天才で、技術も論文も多数残しているが、決して威張ったりしない。
サクレア即位後は文官の長として、その為政を影から支えた。
幼馴染のシャサに恋し、いろいろあった末に結ばれた。




