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「メイ?しっかりして。メイ?」

かすかにナナコの声が聞こえる。呼吸がものすごく早くなっていて、苦しくて。3日間、食欲もなく、ずっとお腹をこわしていたの。

頭や背中を撫でるナナコの手が励みだった。ハルキやショウタやリリの手も大好きだけど、ナナコの手が一番好き。


一日中、少しずつ注射器みたいなので食事を摂ったけど、味なんてわからなかった。もう、口に入れて欲しくないくらい、しんどかった。


夜になって、リンゴの汁をもらったの。それだけはすごくおいしいって思った。本当に、おいしかったな。


寝る前にオムツを換えて、ナナコが言った。

「明日も点滴に行こうね。」


それが最期だったの。


夜中のうちにまた、すごく苦しくなって、その後、眠くなって、気がついたら、今いる、こっちの世界に来ていたの。


朝になって、みんなが起きた時にものすごく泣いていて、切なかったわ。幽霊になった私はそばにいるのに、みんなには見えてなくて。みんなが人形みたいにブラブラになった私の体を代わる代わる抱っこして泣いた。


「もっと抱っこしてあげれば良かった。」

「しつけとはいえ、あんなにきつく叱らなければ良かった。」

「一回でも多く、膝に乗せてあげれば良かった。」

「もっとバギーで外に連れて行ってあげれば良かった。」

泣きながらみんなが口々に言ったの。

「私は、たくさん抱っこしてもらえたと思ってる。きつく叱られたことも怒ってない。お膝にだって、たくさん乗せてもらって嬉しかった。お外も、たくさん連れて行ってもらって感謝してるよ。」

幽霊になった私は、みんなのまわりをうろうろして、伝えてみたけど、みんなは泣くばかり。もどかしかったわ。


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