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その14

その14


「魔法のランプ」を手に入れた!


近くの公園でやってたバザーで珍しさも手伝って思わず買ってしまった。

本当は隣りにあった年季がはいっているが綺麗に手入れされた茶釜も迷った。

でも狸が出てくる可能性もなくはない。

そうすると、このアパートはペット禁止だから見つかったら追い出されるかもしれないと思いランプだけにした。

掘り出しモノなのかは分からないがインテリアとしては良いように思う。

勝手に『魔法のランプ』にしてしまったが、

多分今回は『普通』のランプだ。

ランタンとか行灯タイプではない。

いわゆるアラビアンランプである。

あの形は飲み物を入れて注ぎたくなるが油を入れて口の所に火を灯すのだ。

そのアラビアンランプを手に入れた。

とすれば『魔人』である。

最初は擦ってみたが出て来なかった。

まあ『普通』のランプだし。

そうそう『魔人』と言えばランプだけじゃない。

指輪に壺、炊飯器?もそうだ。

「ご主人様なんなりとお申し付け下さい」

「願いを何でも叶えましょう」

「アラビ◯ド◯ン、ハ◯チャ◯ン」

なんかの召使いタイプと封印された悪魔タイプがある。

その悪魔というのが『ジン』だったり『イフリート』だったりする。

だいたい後者は偶然封印を解かれて出てくるが、封印を解いてしまった人が機転を利かせ封印し直されるのだ。

物語によくあるエピソードだ。

そんな『魔法のランプ』が出てくるのが千夜一夜物語、世に言うアラビアンナイトだ。

『魔法の指輪』や『魔法の絨毯』があるし『開けゴマ』の合言葉も有名だ。

……そういやバザーにいた兄ちゃんは完全にコスプレだったな。アラジン?アリババ?シンドバッド?…思い切ってシェヘラザードか!いやターバン巻いてたし、男だし、さすがに無理があるな。

そんな事を思いながら過ごしていると夜になりウトウトして、どうも眠ったらしく夢を見た。

目の前に昼間買ったランプがあったので擦ると口からモクモクと煙が上がり、気が付くと巨大な青いランプの魔人がこの上ない笑顔でこちらを見つめている。

はっきり言おう。こちらは魔人をほぼ目をつぶって見ている。

ヤバイ…非常にヤバイ。夢とは言えヤバイ。文章で良かった?良くないか?

イラストとか映像でもモザイクは絶対いる。

名前とか出さなければ良いはずだ。

こちらが呆然と佇むなか魔人はいろんな冗談を矢継ぎ早に言いながらも、願い事があれば叶えると言って嬉しそうに待ち望んでいる。

ならば…。

魔人にランプに戻れるかと聞いた。

…お安い御用です。それが願いでも良いのですか?と魔人は無駄に表情豊かに迫って来るじゃないか。

青い魔人の問いにそれはそれは大きく頷く。

不可解な願いにも魔人は饒舌に何やら語りながらランプに戻って行った。

ヨシッ!!そのまま大人しくしていろよっ!!ガムテープだっ!!ロープだっ!!

とにかくランプをグルグル巻きにして、これでもかと言わんばかりにグルグル巻きにするするする。中から魔人の声が聞こえたように思うが、そんなの聞こえない。

ようやく一息着いた時にはアラビアンランプの原形を留めていなかった。引越しの荷造りでもここまでしない。

魔人が、あの魔人が悪いんだ。なんであの魔人なんだ。

そうか、こういう時『普通』の魔人ならば問題なかったのに。

なんで、こんなに疲れなくちゃいけないんだ…。

で、目が覚めた。なんだ?あれは?夢にしても酷すぎる。

『エクスカリバー』の夢も酷かったが。いろんな意味でそれ以上だ。

そうだ…『魔法のランプ』は…あった。

もちろんグルグル巻きにはしてない。

んっ?今動かなかったか? 地震?

まさか…いるのか、魔人?いても問題のあるのじゃなく『普通』の方で頼むぞ。

そっと手に取り抱きかかえ丁寧に擦る…。

なぬ?!ランプの口から煙が!!

その煙が人の形に…頭が…身体が…腕が…なんだか嫌なオーラとともに形成されていく。

人の顔がはっきりしてくる。野蛮で邪悪な瞳がギラギラとルビーのように紅く輝きこちらを凝視している。

封印された悪魔の方が入っていたのか!?

あぁ…召喚プログラムなんかに頼らなくてもアッサリ悪魔を呼び出してしまった…。

しかも…多分…言う事…聞いて…くれ…なさそう。

ちょっとさっきの夢まで時間を巻き戻せないかな?青い魔人の出てくる…前で。

出来ないよな…。

顔の下半分はもじゃもじゃ髭で上半身裸の魔人が夢で見た青い魔人と違った意味でこの上ない笑顔でこちらを見つめると言うか見定めてると言うか…。

こんな風貌なので見た目で損するタイプかもしれない。

つまり良い魔人だと思いたい…そうじゃなさそうだなぁ…。

魔人の瞳が光った瞬間顔が巨大化し口が大きく開かれると轟音を響かせ迫って来た!!

ダメだ!!そう思った時目が覚めた……。

夢?の夢?…夢オチ?それにしてもおぞましい夢だった。

ほっぺたをつねる古典的なやり方や顔も洗ったので、今度こそは目が覚めてる…はずだ。

そういや 如意棒の時も嫌な夢みたなぁ。

三蔵法師が出て来たよな。あれも悪夢だったな。

夢魔ナイトメアにでも取り憑かれてるのか?獏でも飼えないかな?

『引き寄せるモノ』なんていらないからお祓いにでも行こうか?

ゆう・れいひなら仕事の関係上その手の知り合いも多いだろう。「もったいない」と反対されそうだけど。

そうだ…『魔法のランプ』は…あった。

…んんっ??デジャヴュ?夢からは覚めたはず?動いてないよな?動いてないよな?

グルグル巻きはともかく、口は何でもいいから塞いでおこう。

これで間違って擦っても出て来ないだろう。

蓋も…塞ぐと言うか接着剤で止めておくか?

いや、ガムテープにしよう。

せっかくのインテリアなのに見映えが悪いが仕方ない。

と、手に取り損ねてランプを落とし蓋も転がしてしまった!

全身の汗が即座に引いたのか、一度に噴き出したのか分からない程焦ったが、当然、何も起こらなかった。

その後は口も蓋も塞いで部屋の角の棚の上に置いている。

たまに何故か揺れているように見えるのは安定性の問題か気のせいだと思いたい…。

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