表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
魔法学園アスタロト  作者: 虚構人


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

PR
2/2

入学そして──共鳴 PART2

Bランク闘技場に到着した一向は、中心の大きなゴーレムが目に入った。


「アリスせんせーあれはー?」


「あれが、的ですよ?これから魔法を見せてもらいます。あのゴーレムに攻撃したり、あらかじめボロボロにしてありますので治癒なのできる方がいれば、頑張って下さいね!では、席順に早速いきますよー?準備は、いいかー!」


「「「おー!!」」」


「なにがおー…よ。ふんっまぁいいです。やっと貴方の魔法を知る事ができますので」


アビスが見上げ彼女──カイナをみた。


「……そっ」


そのあまりにもそっけなく返事ですら怪しい返しに、頬を膨らませたアビスはポカポカ、カイナの胸を叩く。


「もっと構って下さいぃ〜」


「…」


「無視しないでぇ!?」


潤んだ目でアビスはカイナの袖をつかんで、ブンブン回す。ここでアリスが視線を向けた。


「はーい、そこの二人〜イチャイチャしちゃダメよー?」


その声にアビスの動きがピタッと止まり、みるみるうちに首から上が真っ赤になり、両手で顔を押さえ、しゃがみ込んでしまう。


そんな彼女を一瞥もせず、カイナは列へと向かう。


「アビスさんも列に来て下さいー♪」


顔を隠しながらカイナの後ろに並ぶアビス。そんな彼女を見てそれぞれ生徒達が思う。


(Bランク代表ウブなのかなぁ?)


(アビスちゃん、可愛いなぁ)


(こいつ、本当に代表かよ。けっ)


(結婚してくれ)


「はーい、では!!!1番、レミハル・バードット!!」


「はい!!」


呼ばれた生徒が前に出る。


レミハル・バードット、目立つ肌の赤髪で、その身体付きは魔法使いとは思えないほど鍛えられている男子生徒。


「さぁ!いくぜ!!」


紅色の魔法陣がレミハルの前に現れる。彼はその魔法陣の中央に手を伸ばした。そこから──炎の剣が抜かれた。


そして炎の剣を握り、駆け出した。


剣を──ゴーレムに振り下ろした。


キィィィィンッ!!


と鋭い音が響く。


「あっあれ?とけねぇ!?ってか、かた!!」


アリスが首を傾げる。


「炎の剣になのに、随分と金属らしい音が響きましたねぇ〜…魔法は『炎剣』でよろしいですねぇ?」


走って戻ってきたレミハルが息を切らしながら頷く。


「では、次行きますよー。二番!アレン・クォール!!」


「は〜い」


アレン・クォール、桃色髪で目立つ様な一見ないが、その身長は2mある。だが。それがなんだという話だ。


「ふんっ!!!」


力強く、地面に手を置くと、前方の土が数十個ほど四角形の様に切り取られ宙に浮かび、ゴーレムに向かって飛んでいく。


ガコンッ!!!


その土がゴーレムの右腕に向かって命中した。右腕が崩れる様に落ちた。


「おー!腕おとせましたね!よくできましたぁ、これはどういう魔法ですかぁ?」


「すげー」


「くそっ」


「やるー」


軽く拍手の音が響く。振り返ったアレンが手を振って答える。


「俺の魔法は『大地転移です』」


「はーい『大地転移』ですねぇ。分かりましたぁ〜、次行きますよー」


ふと、顔を隠してたアビスがカイナの袖を掴む。


「あの…イチャイチャしてませんからね?勘違いしたらダメですよ…」


「…当たり前よ」


カイナのその一言に安堵と共にどこか残念そうな顔をしたアビスは首を振って、気を取り直す。


魔法の見せ合いは続いていく。


「はい、次!セリーナ・カリュー!」


「はい!」


セリーナ・カリュー、翠髪のボブの彼女は、どこか落ち着いた印象で、ふわふわしてる。


「私の魔法は『祈り』です」


彼女は両手を祈るように合わせる。どんなのことを祈ってるかはわからない。だが、『大地転移』で壊されたゴーレムの腕が再生していく。


だが、されだけじゃない。その後ゴーレムの片腕が崩れた。


「ほぉ。なるほどですね〜。セリーナさんの魔法は『祈り』ですね〜」


セリーナの元にレミハルが目を輝かせながら駆け寄る。距離はだいぶ近い。


「おいおい、すげーな!お前の魔法!再生させれるし、壊せるのか!?」


「もちろん、魔力の消費が激しいんですけどね…えへへ。嬉しいなぁ、そんな褒められると、ありがとね。祈る内容によっては私自身が壊れちゃうからなぁ。Bランク程度の魔力だと尚更…ね」


どこか、自身なさげに俯くセリーナの肩をレミハルが軽く叩く。


「まっこれからだろ?成長するんだから、俺たちはなっ!」


アビスが気になったのか間に入ってセリーナの方を向く。


「その祈りは仮に魔力が足りてる内容でも必ず成功するの?」


アビスの問いに一瞬だけ彼女は目を丸くさせるがその動揺を隠すように微笑んで答える。


「もちろん魔力が足りてれば祈りは届きますよ?ですが、さっきのはただの的ですから。防御魔法や干渉を防ぐ魔法などをされたら当たり前ですが、無効化されます」


「ふーん、祈りは万能では、ないのね」


興味を失ったのか、列に戻ったアビスはカイナと一瞬目があったような気がして顔を赤くした。実際はあってもいない。


次々と生徒の名が呼ばれていく。


「次!アビス・ケイネル!!前へ!」


「やっと私ですね」


振り向いてカイナに「見てて下さい」と言わんばかりの顔をした。当のカイナはただ前を向いている。


アビスは訓練用の木刀を手に取り構えた


その瞬間──


「──終わらせます」


小さく、しかし確かに響いたその一言と同時に、彼女の姿が消えた。


「……え?」


誰かの間の抜けた声が、闘技場に落ちる。


次の瞬間。


ズンッ──!!


ゴーレムの巨体が、わずかに揺れた。


「なっ……今の……」


生徒達が視線を向ければ、ゴーレムの背後にアビスが立っている。


だがそれだけでは終わらない。


──消えた。


また、消えた。


「はっ……!」


今度は左。


キィンッ!!


硬質な音とともに、ゴーレムの肩口に一筋の斬線が走る。


「速っ……!」


誰もが目で追えない。


見えるのは、結果だけであり斬撃の跡だけが、時間差で浮かび上がる。


右。


上。


背後。


連続で響く重く鋭い音。


キィンッ、キィンッ、キィンッ──!!


「ちょ、ちょっと待っ……」


観ている生徒の声が震える。その間にも──


ズドンッ!!


ゴーレムの片腕が落ちた。さらに一瞬後、


バキバキバキッ!!


胴体に無数の亀裂が走る。


「終わりです」


いつの間にか、アビスは最初の位置に戻っていた。


──その直後だ。


ドガァァァァンッ!!!


ゴーレムが、遅れて崩壊した。


粉塵が舞い上がり、闘技場を包む。静寂。誰も、声を出せない。やがて。


「……は?」


誰かの呟きが、ようやく現実を引き戻す。


「い、今の……全部、木刀で……?」


「見えなかったんだけど……」


「何回斬ったんだよ……」


ざわめきが一気に広がる。


アビスはそんな周囲を一切気にせず、くるりと振り返りまっすぐ、カイナを見る。


「……どうですか?」


少しだけ期待を滲ませた声。そしてほんのわずかに頬を染めながら。


カイナが視線だけを彼女に向ける。


「おそ……」


「は?」


ポカーンとした顔で彼女はカイナを見続ける。生徒達もカイナのその一言に苦笑いをこぼす。


ズンズンとカイナに近づくいていくアビス。ピタッと止まると我慢してたのか、それとも恥じらいか、不満の声が溢れた。


「なっ!?なんなんですか!こっちは頑張ったんですよ!目で見ていて下さいねって言ったんですよ!?酷いです!プンプンです!」


最終的には、頬をぷくっとさせて、カイナの胸をポカポカ叩く。


そして初めてここで、カイナは彼女の手をとって止めた。


「遅いと言えるぐらい、ちゃんと貴方の動きを見ていたわ」


「──っ!?」


カイナからの初めてのちゃんとした返事と返しに、アビスはみるみる内に顔が真っ赤になっていく。口をパクパクさせ、言おうとする事がでない。


どうにかして言葉を絞り出した。


──ずるいですよ


たったのその一言だが、確かに全て詰まっているとカイナ以外のみんなが察した。


「はい、イチャイチャはそこまでですよ〜アビスさんの魔法は『加速』ですねぇ〜では、次にカイナ・シェイネ!!前へ!」


カイナが前へ出る。


先ほどBランク代表の動きに遅いという評価をした生徒にみんなの視線がいく。


その中で少し熱のこもった目線も──アビスだ。


(見せて下さい。カイナさん)


アビスの目は輝いている。身体は若干、前に出ている。その時、カイナが振り向いていってんを見つめる。


「…見せる前に……貴方こっち来て」


生徒達がカイナの視線を追うと──アビスだった。


「……へっ?わっ私ですか?……はっはい……しっ仕方ないですね」


戸惑いつつも彼女はカイナの隣に立った。頬に少し熱を持たせながらチラチラと隣を見る。


「それで……なっなぜ、私を?」


「私の魔法………『全域増幅』」


その瞬間、二人から魔力衝撃波が発生した。


魔力衝撃波とは、魔力密度が瞬間的に爆発した時になる現象だ。


「わぁ…二人…ではなく、アビスさん自身の魔力が…すごいですね。強化魔法に近いですが……少し違いますね。今のアビスさんの魔力だけならAランクは軽く超えてますよ?」


一部の生徒が急な衝撃波に腰を抜かす。アリスだけが。興味深そうに二人──カイナを観察する。


「よろしく……」


「よろしくって……すごいです。こんな魔力、感じたことなどありませんでした…行きます!」


ズバァァァン!!!


とアビスが駆け抜け地面を蹴り上げた。


──そして、木刀をボロボロのゴーレムに向かって貫くように身を加速した。


音が遅れてやってくる。


ドカァァァン!!


あまりの衝撃波にBランク生徒全員が吹き飛びそうになる。


Bランク闘技場の砂埃が晴れた。生徒達が目にしたのは


ゴーレムが、先ほどまで倒れていた場所には、巨大なクレーターが生まれており、そこにはたった一人のアビスだけがいた。


巨大なクレーターの中心に立つ少女の顔は目を輝かせ、高揚していた。


先生がそのクレーターまで近づき観察する。


「終わったというのにまだ、魔力密度は高いですね。それに魔力だけじゃなく、威力までも高まっていました。魔力が増えたと言ってすぐにコントロールができてもここまで綺麗には行きません……カイナさん、貴方は彼女の何を強化したんですか?」


振り返った先生の表情は若干の恐怖が滲んでいるが誰も気づかないだろう。


「全てだ。彼女の全てを増幅。速度、魔力、威力、身体能力諸々……疲れた…」


「全てはだいぶ強力な魔法ですね…『全域増幅』で合っていますか?」


「……ん」


「では、そう記録しておきます。えー的だったゴーレムが無くなったので一旦ここまでにします!!まだ名前を呼ばれてない人は明日午後にここへくるように!」


軽い衝撃波と共に加速したアビスがカイナの目の前に来た。


「カイナさん!!また…またっ!お願いします!」


目がキラッキラしている。


「ん〜カイナさぁん…」


スリスリとカイナにアビスの頬が寄せられる。 


「えーでは、教室に戻りますよ!みなさん、戻りましたら、渡すものがありますので座って待っていてくださいね〜私はゴーレムの事を伝えてきますのでぇ〜」


そして生徒達は教室に戻って行った。



主人公 カイナ・シェイネ 魔法『全域増幅』


Bランク代表生徒 アビス・ケイネル 魔法『加速』


Bランク担当教師 アリス 魔法『虚像』


Bランク生徒 レミハル・バードット 魔法『炎剣』


Bランク生徒 アレン・クォール 魔法『大地転移』


Bランク生徒 セリーナ・カリュー 魔法『祈り』




評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ