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5.職を考えました

説明会になってしまいました。

流しても、問題ないです。

 今日含め卒業パーティ(タイムリミット)まで、5日。


 昨日、殿下から買って貰ったバレッタを眺める。

 緋色の宝石が付いた、シンプルな物。個人的には好きなデザインで可愛いと思う。値段は可愛くなかったが。

 ハーフアップに髪をまとめる。うん、悪くない。


 シンプルなドレスに着替え一人庭を歩く。


 理想的なのは、家出からの失踪。それからの、死亡偽装もしくは縁切り。罪や罰と無縁な状態で、自由に生活したい。


 …”暁の姫君は闇夜に“は、典型的な少女ゲーム。暁の姫君だから、赤系の髪色を持つ主人公だと思うだろう。だが違う、「聖属性の暖かな魔法」の事を指す。

 この魔法を使える、平民の少女が闇のように深い艶やかな黒髪を持っているところから「闇よ」が来ている。

 実はこのタイトル、テッド殿下(メインヒーロー)がラストシーンで主人公(スピネル)に言う告白の抜粋。

「暁の姫君。君は闇夜に溶ける様に美しい。身も、心も。君は、僕だけの姫君になってはくれないか?」

 だっけな?正直悶えてて、よく覚えてない。


 攻略対象は、テッド・レイ・クォーツ王太子殿下、ゴシュ・タイト・ベリル騎士団隊長補佐、なんたら宰相見習いに…幼馴染の…思い出せるのはここまでだ。


 魔法について考える。

 池近くのベンチに座る。

 左手を水面に伸ばす。マリンの使える魔法は、水系統。

 手を上に動かす。池の水が動きに合わせて盛り上がる。振り上げれば、勢いよく踊り出す。恥ずかしい呪文詠唱がないのは幸い。…少し残念な気がするけど。

 今度は手を手を使わず、イメージだけで水を動かす。コントロールは難しいが可能だ。

 応用、空気中の水分を固めて目前に出すイメージ…気を抜くと消えるが、可能。

 ゲーム通り、マリンの魔法の腕は中々だ。ゲームのマリンは、これを使ってしょうもないいじめをしていたっけ…勿体ない。

 魔力チート…は流石にないし、他の属性を使えそうな気配はない。


 これを使って、奇術師路線で行くのは流石にありふれ過ぎて困難だろう。精々、掃除や洗濯が楽くらい?割りかし正体隠して侍女とか…


「…うん?侍女!?それだ!!」


 あくまで私は貴族。貴族の友人知人も居る…はず!そこに上手い事転がり込んで、住み込み侍女っていいのでは!?我ながら名案!




「…って言うことで、私を侍女にどう?」


 優雅な仕草で、ティーカップを置く。


「…はぁ?馬鹿なの?」


 突然の訪問に、親友オリビン・ぺリッド伯爵令嬢は毒を吐く。


「いきなりお茶に来たと思ったら、急に給仕を下がらせて、挙げ句の果てには侍女にどう?馬鹿じゃないの?」


 オリビンは、春を思わせる黄緑の長く緩やかな髪を揺らし、太陽のように暖かな目は極限まで細め、呆れを示している。


「大体、何?殿下と喧嘩でもしたの?あんたの行動力は認めるけど、頭冷やしなさいよ。お得意の水魔法でさ。」


 見た目に合わない棘が、マリンを襲う。

 反論したいが、オリビンはただ「考えな直しなさい。」と諭している。心配しているのだ。


「ありがとう。オリビンは優しいわね。」

「べっ…別にアンタ達を思ったことじゃないから。」


 カァッと頰を染めている。

 これは良いテンプレツンデレ。照れる美人良き。


「でも、考えた結果なのよ…家族に内緒で、1週間からのお試しでいいから!少しだけ…少しだけ!!」

「嫌よ…ウチでは。あっ、」


 オリビンは、悪戯を思い付いたようにニッと笑う。あれ、私より悪役っぽいのでは…?


「そういえば、侍女を探してる方がいらしたわ。」

「えっ、マジ!?」


 マジ?と繰り返し、オリビンが訝しげな表情になる。おっと、俗語が。扇子で素早く表情を隠す。


「…本当ですの?」

「本当よ。貴方さえよろしければ、明日にでも私の知り合いという事で伝えますが?」

「えっ…でも…そんな急に」

「もちろん、情報は偽造しまして」

「お願いします、是非とも!」


 キラキラと手を握る。

※余談:名前について4


・友人:オリビン・ペリット

→ペリトッド



毒舌ツンデレキャラ、楽しいです!

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