code08 凍結②
階段まではすぐだった。
上を見ると。
外国人が数人、降りてきていた。
1班のメンバーが抑えにかかっている。
「来るぞ」
すり抜けた1人が、階段踊り場に。
つまり、すぐ頭上に迫ってきていた。
「待て、この‼」
堀口がニット帽の外国人に手を伸ばす。
ニット帽は工具をたくさん抱えていた。
追い込まれ堀口とこちらを交互に見て。
己の状況を見たか、取り乱して叫び。
堀口の手がかかった瞬間。
「わーーっ!!」
こともあろうに。
抱えていた工具を、すべて投げ出した。
階段外めがけて。
真下にいるのは、我々。
自分と高桐警部だった。
なにを考える時間もなかった。
気づいたら――。
積もっていた地面の雪が顔に当たって。
高桐警部が、おおい被さるように、
自分の上に乗っていた。
「大丈夫か」
すぐ耳元で言って、起き上がっている。
こちらもすぐに起き上がった。
粉雪の上に座り込んで、向き合った。
「悪い。とっさに押しすぎて、すべった」
「いえ、こちらこそ……大丈夫ですか」
右肩を手で押さえていたので、訊いた。
平然と答える。
「ちょっと打った。大したことない」
地面はアスファルトだ。
すべったって……。
「すみません」
「だから大したことないって。立樹のせいじゃないだろ」
「でも」
「あんなの誰が予測できるんだ。投げないだろ、ふつう」
笑うので、つられて笑ってしまった。
「そうですね」
「そっちは怪我、ないんだな?」
「はい。ありがとうございました」
言いながら、2人で立ち上がった。
検挙されて行く外国人と。
取り囲む捜査員たちを見送る。
「じゃあ行こう」
警察車両の方へ歩き出す。
その一部始終を。
堀口が見ていたと知ったのは、
後日のことだった。
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