第43章:守護者の章
人型の怪物はゆっくりと玉座から立ち上がった。
鱗が擦れる音が広間に響き渡る。
両手を宝へ伸ばし、二本の剣を取った。
刃は長く、細く、黒く、
その気配は恐ろしかった。
守護者たちが即座に反応した。
レイン、カエル、セラフィーヌが前へ進み、
ランク10の気配を解き放った。
――今だ! とレインが叫ぶ。
三人は同時に攻撃した。
剣が破壊的な力で振り下ろされる。
だが――一瞬。
閃光。
追えぬ動き。
――ザシュッ!
二つのものが地に落ちた。
皆が見た。
それは――セラフィーヌの両手。
彼女は後退し、血が溢れ出した。
一瞬、誰も理解できなかった。
沈黙。
セラフィーヌは震えながら言った。
――わ、私の手が…
恐怖が広間を満たした。
アリスが即座に反応した。
――下がって!
彼女はセラフィーヌを引き、止血を始めた。
覇者たちは感じた。
絶対的な危険。
人型の怪物は笑った。
――どうした?
――攻撃するんじゃなかったのか?
守護者たちは恐怖を覚えた。
カエルが剣を握りしめた。
――この化け物め…
レインも武器を構えた。
――共に攻めるぞ!
二人は最大の技を放った。
巨大な攻撃が怪物へ向かう。
だがその存在は剣を持ち上げ、静かに言った。
――第一章…
瞳が光る。
――斬撃。
剣が振るわれ、空気が裂けた。
守護者たちの攻撃は――消えた。
切り裂かれたかのように。
広間は静まり返った。
アレンは震えを感じた。
心が一瞬止まった。
――章…?
――奴も章を知っているのか?
怪物は剣を下ろし、冷たく言った。
――弱き人間。
――自分の力すら使いこなせぬ。
その瞬間、覇者たちが動いた。
マーカス、アルドリック、キアラ、ルン、シオン。
全員が攻撃に加わった。
マーカスは重剣で突進し、
アルドリックは四元素を呼び出す。
キアラは風の刃を生み出し、
ルンは影に消え、
シオンは数多の技を準備した。
だがその間、アレンは動かなかった。
立ち、観察していた。
アリスが命じたからだ。
――アレン、背中を守って。
彼女はセラフィーヌの止血に集中していた。
もし守護者が襲えば、アレンが止めねばならない。
だから彼は静かに立ち、
刀の柄に手を置き、
音を聞き、気配を感じ取っていた。
戦いは――今、始まったばかりだった。




