第35章:再会
アレンが故郷へ戻ってから数日が過ぎた。
今は四日目の朝。
アレンは分かっていた。
王女からの招待を欠席することはできない。
時は迫っていた。
まもなく魔族領への遠征が始まる。
彼は庭へ出た。
そこには皆がいた。
ライアンは木剣で鍛錬していた。
レッドとブルーは剣の動きを練習していた。
エレナはエリラの世話をしていた。
アレンは静かに言った。
――行かねばならない。
皆が彼を見た。
――明日、宮殿で会合がある。
そしてエレナを見て続けた。
――レッドとブルーに風と土の書を渡してくれ。
――彼らは学べるだろう。
レッドとブルーは驚いた。
だがアレンは真剣に告げた。
――私がいない間…家族を守れ。
二人は同時に答えた。
――はい、師匠!
アレンはライアンの前に膝をついた。
――ライアン。
少年は真剣に見つめた。
――世界を知りたいなら…もっと強くならねばならない。
ライアンは小さな剣を握りしめた。
――はい、父さん!
アレンは微笑んだ。
そして立ち上がり、エレナに近づいた。
彼女を優しく抱き、口づけを交わす。
――必ず戻る。
エレナはうなずいた。
――待っています。
アレンはすぐに旅立った。
今回は一人。
その速度は圧倒的だった。
だから一日で街へ到着した。
前回の旅が二日かかった理由は単純だった。
レッドとブルーは彼の速度と耐久に追いつけなかったのだ。
街に着くと、宿へ戻り、その夜は休んだ。
翌日は重要な日になると分かっていた。
五日目の朝。
アレンは早く起き、新しい衣服を買った。
大会決勝で切られた目隠しも新しくした。
準備を整え、宮殿へ向かった。
宮殿は巨大だった。
武装した衛兵が入口を守っていた。
アレンは扉まで歩み寄る。
――王女の招待で来た。
衛兵の一人が驚いた。
――盲目が…宮殿に招かれた?
もう一人が彼の腕を軽く叩いた。
――馬鹿者!
――誰だか分からないのか?
そしてアレンに敬意を込めて言った。
――失礼しました。
――あなたは大会の覇者、アレン「あれ」。
アレンは静かに答えた。
――そうだ。
衛兵たちは軽く頭を下げた。
――お通りください。
アレンは宮殿へ入った。
広大な廊下。
豪華な空間。
彼は目が見えなくとも、響きや足音でその壮大さを感じ取った。
やがて一人の男が近づいた。
宮殿の執事だった。
――アレン様。
――お待ちしておりました。
アレンはうなずいた。
――案内してくれ。
執事は歩き始め、幾つもの廊下と階段を越え、
大広間へ到着した。
扉が開かれる。
――皆様、すでにお揃いです。
アレンが入ると、そこには遠征の仲間たちがいた。
大陸の守護者たち:
レイン、57歳、ランク10
カエル、48歳、ランク10
セラフィーヌ、62歳、ランク10
遠征の指揮者:
アリス、ランク9
そして大会の覇者たち:
アルドリック「元素の継承者」、ランク9
マーカス「紅の巨人」、ランク9
キアラ「静風の姫」、ランク9
シオン「千技の賢者」、ランク9
ルン「斬月」、ランク9
全員がそこにいた。
待っていた。
そしてアレンが入った瞬間――
全ての視線が彼へと注がれた。
大会の覇者。
剣士。
――「あれ」。




