第13章:家族と時
月日は穏やかに流れていった。
ベンガルトラとの契約を果たした後も、アレンは毎日鍛錬を続けた。
剣の技は磨かれ、炎の制御も向上した。
アークテルの技はもはや彼にとって未知ではなかった。
しかし六か月の修行の後、アレンは重要な事実に気づいた。
――戦士たちが直面する真実。
ランクの壁は巨大だった。
技は大きく成長していたが、ランクは上がらなかった。
自らのエネルギーを分析し、理解した。
ランク7への跳躍は、それまでとは比べものにならないほど困難。
力だけではなく、理解と経験が必要だった。
アレンは落胆せず、静かに受け入れた。
――「ならば……鍛錬を続けるだけだ。」
三か月後、もっと大きな出来事が訪れた。
静かな夜――エレナは出産した。
小さな木の家は緊張と喜びに包まれた。
やがて赤子が生まれ、エレナはその子を抱いた。
――「アレン……男の子よ。」
アレンはゆっくりと近づいた。
目では見えない。
だが呼吸を感じた。
小さく、柔らかく。
温もりを感じた。
小さな手の動きを感じた。
慎重に手を伸ばし、赤子の頭に触れた。
微笑みが浮かぶ。
――「ライアン。……それが彼の名だ。」
時は流れ、家の生活は賑やかになった。
アレンは鍛錬を続け、エレナは家を守り薬草を教え、ライアンは日々成長した。
さらに家族は増えた。
三年の間に娘が生まれた。
アレンは彼女を「エリラ」と名付けた。
祖母の名にちなんで――本を通して世界を教えてくれた人への敬意。
ライアンが三歳になる頃、彼は活発な子供になった。
父の鍛錬を追いかけ、剣が空を切る音を聞くのが好きだった。
時には尋ねた。
――「どうしてそんなに鍛えるの?」
アレンは静かに答えた。
――「世界は広い。……愛するものを守るために強くならなければならない。」
ライアンは理解できなかったが、父を尊敬した。
三年間、アレンは一日も鍛錬を欠かさなかった。
剣技。
炎の制御。
炎の章。
体は強く、心は精密になった。
そしてついに――ランク8に到達した。
多くの戦士が決して届かない領域。
だがアレンは知っていた。
まだ足りない。
アークテルの書から学べることはほぼ尽きた。
だが世界は書よりも遥かに広い。
さらなる成長には、実戦の経験が必要だった。
ある夜、風が家を包む中、アレンは未来を思った。
いつか旅に出なければならない。
新たな地を探り、強敵と戦う。
だが彼は約束を覚えていた。
――ライアンが四歳になったら、初めての獣の仲間を得させる。
自分がトラと契約したように。
だから決めた。
もう一年。
家族と過ごす一年。
その後、再び世界へ。
だが知らぬままに――
静かな家に、予期せぬ出来事が迫っていた。




