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ヴァルハイム・プロトコル ―神代湊は平穏に生きられない―  作者: かたろーしゅ
第一章 再び響く角笛

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1話 プロローグ

書きたいものを書こうと思いました。

2026/6/8 後書きに状況イメージ添付

 夜の首都高速は、完全に封鎖されていた。

 この輸送区間には事前の制圧が敷かれている。

 外部車両の侵入は存在しない。

 追跡も、接触も、起こるはずがない。


 編隊は四台。

 先頭は妨害と進路確保を担うセダン。メルセデス・ベンツ Eクラス

 中枢は指揮車両のSUV。アウディ Q7

 中央に輸送車両のバン。トヨタ・ハイエース

 最後尾に後方警戒のセダン。メルセデス・ベンツ Eクラス


 それは、完璧な輸送編成だった。


「アルファ、状況報告」

「問題なし。ルート維持中」


「チャーリー2、後方確認」

「追跡車両なし。完全クリア」


 その確認が、最後の正常だった。


 次の瞬間。


 音が割り込んだ。


 エンジン音。

 高回転域まで一気に跳ね上がるターボの咆哮。


 続いて。

 エンジン負荷の抜ける音。

 「Sututututu……」

 ターボの圧縮空気が逆流する、連続した気流音。


「……何だ、この音は」


 誰も答えない。


 封鎖されている。

 この区間に“車両は存在しない”はずだった。


 だが。


 後方、闇夜の中から、ヘッドライトが一つ浮かび上がる。


 黒。

 低い車体。

 無駄のない挙動。


 スバル・WRX S4


「……後続車両はゼロのはずだろ!!」

「確認済みだ! 封鎖も完了している!!」


 だがそこに“いる”。


 そして、その存在は追跡ではなかった。


 後方セダンが最初に捕捉する。


「後方接触!? いや違う、追いつかれてる!!」


 だがそれは正確ではない。


 WRXは“追っていない”。

 ただ、その車両がいるべき位置に“すでにいる”。


 距離を詰めているのではない。

 位置を支配している。


 セダンが回避操作を入れる。


 その瞬間。


 荷重が崩れた。


 タイヤの限界ではない。

 操作の遅れでもない。


 「修正しなければならない状況」を作らされた。


 次の瞬間。


 後輪が跳ねる。

 制御が崩壊する。


「うわっ――!!」


 スピン。

 横転。

 ガードレールへ衝突。


「チャーリー2、ロスト!!」


 後方警戒が消える。


「後方排除しろ!! アルファを逃がせ!!」


 指揮車両(SUV)が動く。

 


 同時に先頭のセダンも迎撃態勢へ移行する。

 戦術は変わった。

 護送から迎撃へ。

 目的はただ一つ。


 バン(アルファ)を逃がすこと。

 時間を稼ぐこと。


 だがそれは、成立しなかった。


 WRXは“追わない”。

 “並ばない”。

 “見せない”。


 ただ次の位置にいる。


 SUVが横に出る。

 封鎖ラインを形成する。


 その瞬間。


 視界の中心からWRXが消える。


 次に現れたときには、すでに横にいた。


「……いつの間に……」


 それは速度ではない。

 加速でもない。


 認知の遅延だった。


 判断が一瞬遅れる。

 その一瞬で車体が崩れる。


 SUVの重量バランスが消える。

 横荷重が限界を超える。


 ガードレール。

 火花。

 横転。


「ブラボー、ダウン!!」


 指揮系統が消える。


 残るはセダン一台。


 先頭のチャーリー1。


「くそっ……やるしかない!!」


 加速。

 迎撃。

 封鎖。


 真正面からの制圧ライン。


 だが。


 その瞬間にはもう遅い。


 WRXはそこにいた。


「……何だ今のは……」


 セダンの判断が一瞬遅れる。


 その遅れが致命傷になる。


 タイヤがわずかに逃げる。

 荷重が崩れる。


 次の瞬間。


 制御不能。


 スピン。

 横転。


「チャーリー1、ロスト!!」


 残るは一台。


 バン(アルファ)。


 それだけだった。

 運転手の呼吸は荒い。

 無線はもはや意味を持たない。


 背後には何もいないはずだった。


 だが。


 エンジン音は途切れない。

 タービンの連続音が追い続けてくる。


 理解より先に恐怖が成立する。


 これは追跡ではない。


 これは。


 「封鎖された世界の中で、唯一ルール外にいる車両」だ。


 そしてバンは逃げ切る。

 湾岸の埠頭へ。

なんか色々とガバいイメージ画像だけどw

ちなみに、状況的にまだ夜じゃなくて夕方です。

とりあえず状況イメージしやすようにAI生成画像ドーン


挿絵(By みてみん)



ご拝読ありがとうございます。

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引き続きよろしくお願いします。

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