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プロローグ

「そのときは何か具体的な作戦立てたりしたんですか?」

「ああ、立てた。試合でも概ね実行できたと思うぞ」

「どんな作戦です?」

「まあ、そんときの作戦は一言で言えば判定狙いだな。あえて倒しにいくのを抑えたってことだ。麻岐部(まきべ)さんもやってみるかい?問題点が昔の俺と共通しているから試すのも一つの手だぞ」


「はあ?判定狙い、ですか?」


 思いもよらない鹿河の返答に麻岐部は戸惑う。

 あえて倒しにいくのを抑えたってどういうことだ?と。



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