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サラの笑顔

「ハヤト先輩って、料理作るんですね、なんか意外です」


「美味しいんだよ、もしかしたら、学園のコックさんよりも上手だったりするかも」


「・・・・・・・マスターは和洋折衷、他にも様々な国の料理を作ることが出来ます。 旅が長かったので」


「・・・・・・・・この子は誰です?」


二人の間から、ひょこっと頭を出したニオに対して、アミカは不思議そうな表情を浮かべる。


「この子は、ハヤト君の契約精霊のニオちゃんだよ、肌とか髪がすべすべで、物凄く気持ち良いんだよ〜〜」


「・・・・・・・精霊さんですからね」


「どやあ」


小さな胸を張るニオの行動に、アミカは笑いを堪えきれなくなった。


「・・・・・・・・・どうして笑うのです」


「ごめんなさい。 なんだか、私の今までの精霊さんのイメージって、もう少し怖いイメージがありましたから。 ニオさんみたいな、可愛い精霊さんがいるなんてって思ったら、なんだかおかしくなって」


「・・・・・・・・私は本当はもっと凄くて、妖艶な身体をしてるんです。 嘘じゃないのですよ」


「はいはい、そうだねえ・・・・・・・ニオちゃんに癒されるなあ」


「・・・・・・・・サラさんって、結構怖いもの知らずなんですね。 こっちも意外かも」


3人のやり取りが気になったのか、ハヤトがキッチンから、3人の元にやってきた。


「仲良いな、お前たち」


「サラさんは以前よりも明るくなった気がします。 ルティアさんもいつも話してますよ?」


「ルティアが? なんか変なの」


ニオ、サラ、アミカの3人から視線を移すと、鍋の蓋がカタカタと鳴り始めていた。


そろそろ煮込み終わる頃合いということだろう。



「・・・・・・・・なんだか、良い匂いがしてきたよ??」


「あーーーー、お腹すきましたあ」


「・・・・・・・マスター・・・・・・・ご飯・・・・・・・マスター」


「はいはい、待ってろ」


蓋をあけると、グツグツと白い湯気を立てながら、ハヤトはそこに、塩を摘んで入れた。


「そろそろ良いかな」


火の力を弱め、底の深い更に、料理を盛り付ける。


「・・・・・・これって、ロールキャベツ??」


「美味しそう〜〜」


「マスター・・・・・・・マスター・・・・・・マスター・・・・・」


ニオは我慢出来ない子供のように、足をジタバタさせて、ハヤトが飲み物を持ってくるのを待っている。


「お待たせ、それじゃあ食べようか」


「頂きます」


「マスター、お腹空きました」


「・・・・・・・身体が温まる、ハヤト先輩、これすっごく美味しいです!」


「本当に、こんなに美味しい料理が食べられて幸せだよ、ありがとう」


ハヤトの手作りロールキャベツは女の子(精霊含む)に大変気に入ってくれたようだ。


「ハヤト先輩、どうしてこんなにお上手なんですか? 」


「・・・・・・・俺の師匠が、壊滅的なくらいに料理が下手でな。 それこそ生きるために、いろんな国の料理を本を見ながら作ってたら、こういう風になってたんだ」


「マスターは旅の途中も様々な料理を作ってくれました。 オデン、マーボードーフ、ピロシキ・・・・・・・・・どれも美味しかったです」


「なら、また作ってやるよ」


「こんなに美味しいなら毎日食べられますよね」


「そうだね」



「人間は食べたものが力に変わるからな、美味しいものを食べれば、それだけその人は力を出すことが出来る」


「・・・・・・・誰かの手料理ってこんなに美味しい物なんだね」


「サラさん・・・・・・・」


「・・・・・・・・(そっか、サラは貴族の出身だから、身内の手料理を食べたことが無いのか)」


ハヤトは少しづつ、サラへと近づいていく、まるで怯えている小動物に近づいていくように。


「・・・・・・・・ハヤト先輩、私行きますね。 ご馳走様でした」


アミカの声は二人には届いていなかったかもしれない。


二人の間には誰も入れないような壁が出来ていたからだ。


「・・・・・・・・・・・サラ」


「・・・・・・・・・・・ハヤト君、私はね。 華道、剣術、馬術、料理って色々習ったんだ。 でも・・・・・・お母さんに料理を食べて貰える機会が無かったなあって思ったんだ。 ごめんね、いつまでも過去のことを引きずるのって、重い女だよね・・・・・・・・」


「・・・・・・・サラは俺の秘密を知りたがってたよな」


「えっと・・・・・・・・うん」


「俺はアサシンだったんだ」


「・・・・・だった?」


薄く涙を浮かれながら、サラはゆっくりとハヤトに対して顔を上げた。


「うん、破門された。 俺の・・・・・・・・・大事な友達を俺のせいで、死なせてしまったから」


「・・・・・・・・」


「俺は、当主の息子ということもあってか、処刑ではなく、破門で許された。 その友達は俺よりもアサシンの才能があったし、次の当主間違い無しだった。 俺のせいなんだよ、あいつが助けてくれなければ、俺はここにはいなかっただろうな」


サラは黙ったままハヤトの話に聞き耳を立てている。


「・・・・・・・今でも、その時のことを思い出して、うなされる時がある。 だから、過去に囚われてるのは、サラだけじゃ無いと思う」


「・・・・・・・・そっか、私だけじゃ無いんだね」


少しだけ安心したのか、笑みを浮かべながら涙を拭っていく。


「・・・・・・やっぱり、サラは笑った方が可愛いよ」


ハヤトはサラの体をゆっくりと抱きよせる。


「!? ・・・・・・・・・そういうこと言われると恥ずかしい」


「・・・・・・・・・マスター、おかわりです」


「おわっ!?」


「・・・・・・・・びっくりしたあ」


「マスター、マスター」


「はいはい、待ってろ」


「なんか、ニオちゃんのおかげで和んだかも・・・・・・・えへへっ」


「やっぱり、サラは笑顔が似合うな」


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