眠られぬ夜のために
最新エピソード掲載日:2026/03/03
ある荒野に一軒の家屋がある。その家には神を呪う無神論者バートルビーと、正教の静寂主義を纏う少女ヘルミーネがいた。ヘルミーネの手によって、地面に疲弊して倒れていた「あなた」は招かれる。歓待なき歓待、救いなき救い、終わりなき終わり。物語は進展しない。二人の対話はつねにすでに空転している。神は存在するのか。終末にいたるまでの空疎なおしゃべり。二人の髪は、おのれの傷口をなぞるようにくねっていて、おのれの軌跡をたどるように波打っている。二人との生活、日々繰り返される対話を通して、「あなた」は彼らの根底に共通の呪いが横たわっていることを知る。「夜が眠られぬ」という呪いに。
作者の言葉
2026/03/03 00:54