929、岩のドラゴンの予言を受けて
五味と九頭と加須は立ったまま沈黙していた。
ユリトスやアリシアたちも立ったまま五味たちを見ていた。
「俺たちが死ぬ?」
「近いうちに?」
「レセンに転生をお願いしなければならない?」
五味は言う。
「俺たちの願いは転生なのか?」
九頭は言う。
「いや、岩のドラゴンは願いを考えておけと言った」
加須は言う。
「つまり、レセンへの転生の願い以外の願いを叶えてくれるドラゴンがいるということか?」
ラーニャは三人に近づいた。
「あんたたち、死ぬの?」
五味は笑って言った。
「へ、し、死ぬように見えるか?」
オーリは言う。
「病気で死ぬのかしら、それとも事故で・・・」
九頭は冷や汗をかきながら笑う。
「俺たちは病気じゃないぞ」
アリシアは言う。
「殺されるとか・・・」
加須は笑って言う。
「ば、バカなこと言うなよ。俺たちが殺される?誰に?」
チョロは言う。
「ガランかな?」
五味と九頭と加須は震えた。
「バ、バカなことを言うなよ」
「そんな奴に殺されてたまるかよ」
「俺たちは死なない・・・死なない?」
加須はそう言って、舌を止めた。
加須は言う。
「レセンの所に行っても、転生させてくれるわけだから、死ぬのと同じだよな?」
九頭は言う。
「でも、意識は残って前世に戻してくれるはずだ」
五味は言う。
「こっちの記憶も残っているのかな?」
九頭は言う。
「それは残るだろう?俺たちがまだ、出来杉や美好麗子を覚えているように」
加須は言う。
「死ぬ前にレセンの所に行かないといけないけど、レセンに転生させてもらったら、あっちの世界に行くわけだから、こっちの世界では死ぬことになるんだよな?」
九頭は言う。
「加須、何をおまえは同じことを言ってるんだ?」
「いや、俺はつまりこう言いたいんだ。レセンの所に行って転生させてもらうことは、こっちの世界での寿命を縮めることになるってことだろ?」
するとまた大地が揺れた。
また岩のドラゴンが現れたようだ。
岩は喋った。
「言い忘れていた。おまえたちがレセンの所に行き異世界転生の約束をしても寿命は縮まらない」
加須は言った。
「約束?」
岩のドラゴンは言う。
「レセンは死んだら転生する予約を受け付けてくれる。だから、おまえたちはなるべく早くレセンに会うほうがいい。そして、こちらの世界の人生を全うするのだ」
五味は訊く。
「岩のドラゴン、教えてくれ。願い事を叶えてくれるドラゴンはレセンではないのか?」
岩のドラゴンは笑う。
「ふはははは、それは秘密だと言ったろう?」
チョロは訊く。
「ドラゴンの秘宝って何だ?どこにあるんだ?」
岩のドラゴンは言った。
「ではまた会おう。今度こそ、さらばだ。ふははははは」
その声はいつのまにか風の音に変わっていた。
チョロは悔しがる。
「ちくしょう、あんにゃろ、俺の質問は無視かよ」
五味は言う。
「ユリトスさん。旅の予定、ガンダリア王に会うより先にレセンに会うのじゃダメか?」
ユリトスは言う。
「うむ、構わんが、どちらに先に行くかは、レセンの居場所次第だな」
オーリは言う。
「レセンはガンダリアにいるのかしら?」
ジイは言う。
「それはガンダリアに着いてから調べんか?少し肌寒くなった。テントへ戻りますぞ」
ジイはテントに入った。
チョロもブツブツ言いながらテントに入った。
他の九人はまだ外にいた。
しかし、何も言うこともなく、しばらくして、それぞれのテントに入った。




