第21話:運命の人と出会ってしまいました?
セラティアさん視点で描いてみました。
――時は少し戻って沿岸都市アクアロンデ
ウチはセラティア、一応海のエルフの巫女で食べる事が好き。
一応と言うのは、まだちゃんと降神巫で自分に神を憑依させた事がないんよ。
元々両親の顔は覚えてなくて礼拝堂に住み込みで生活していたんやけど、神と言う存在を信じ切れんかったのよね。
そんなウチが舞踊の修練をしていると街がヴァルキューレに襲われ、修道長が風のエルフの族長に会って起こった事を伝えてこいって訳が分からないうちに船に入れられてしまったんやわ。
まさか沿岸都市アクアロンデから一人で離れる日が来るなんて……
それに急いでいたから舞踊の衣装のままで、上が紺色ノースリーブのタートルネックでバックレス、下がミニからミディ丈目のアシンメトリーマーメイドラインのスカートで露出が多くて恥ずかしい……しかも、なぜか髪をイカ墨で染められるなんて屈辱的。
近くにあった薄水色のクロークをかぶって隠せただけマシやけどなぁ
船底の貨物室は、騒がしいガサツそうな男ばかりで最悪な気分なんやけど、そこに血まみれの女性まで運ばれて来て一瞬空気が凍った。
……かと思ったら、女性の槍に突き刺された傷口がみるみるうちに塞がりだして凄いやん
色々ビックリしちゃったけど下手に絡まれないように下向いてよ……
しばらくして今度は、ウチより少し背が高そうで、黒めな茶の髪と髭を生やした男性が横にやってきた。
ロングTシャツにカーゴパンツとドレープベルトブーツ姿のオジサンで、木々が燃えたような臭いがする。
こっちを見てる……
思わず下を向いて固まってしまう。
恥ずかしい、パニクッて挙動不審になってしまい腕がピクピクしちゃうやん……
船に入れられ幾日かが過ぎ、いい加減お腹が空き過ぎて倒れそう。
そんな中、横目でチラッと見たら男性の周囲を精霊達が飛んでいる。
しかも一種類だけではなく全属性の精霊の輝きに目を奪われ
「あなたからは色々な光が見えるわ、精霊に好かれているのね」
……綺麗。
いけない、話しかけちゃった。
「そっそうかな……?」
「ウチはセラティアよ、あなたずっとウチの隣に居たのに一言も声掛けてこなかったわね」
「俺は華房将生だ」
「ふ~ん……」
ハナブサマサキかぁ
あまり聞かない変わった名前、それによく見ると髭がダンディ。
緊張して喋り方が硬くなっちゃった。
包容力がありそうな落ち着いた男性にお近づきになれるチャンス!?
「……で、微動だにせず座っていたセラティアさんが何か用かな?」
警戒してる?口調が少し怖い……
特に用事は無いし、お近づきになりたいなんて言えないし……
「えぇっと…………ウチ、風のエルフの族長に会いたいんやけど、頼れる人が誰もいなくて……はじめて会った人に言うんのもおかしいんやけど、できれば同行しれくれると嬉しいんやわぁ」
わぁ言っちゃった、言っちゃった。
「折角だけど、俺は近くの街に着いたら一度ミズドガルドからアールヴヘイムに戻る予定だから」
ちょっと即答!
これでもウチ結構可愛い方だと思うやけど、胸だって大きいし
「いやいやいやいや、アールヴヘイムはまだ危ないでしょ! 少し寄り道した方が……何かこうヴァルキューレも戻って行くかもしれないやろ、そこでウチと一緒に風のエルフのところになっ」
ウチ何言い出してるん……恥ずかし過ぎて泣きたい……
「やはり一緒には……」
しかも再びの断りの言葉に涙が溢れちゃう、どうしようどうしよう……
泣こうと思った訳ではないのに涙が(グスンッ
「分かりました。風のエルフのところに着いて行きますから」
「本当に一緒に着いてきてくれるん?」
えっえっえっ!?
頭にポンッとか手置かれて萌え死ぬし
マジでぇぇぇぇ 凄い嬉しいぃぃぃ
……思わず腕に抱き着いちゃった。
これもしかしてウチの初恋かも……かも……かも?




