↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

29/34

029 対決。

 





 ラークは軽く跳躍して、Sランク工作員の前に立った。

 山小屋から20mの距離だ。


 工作員は男で、歳は30前後。銀髪、長身、眼鏡。短めの戦杖を装備。

 いきなり殺すのは、暗殺者のやり口だ。そこで、まず話し合いを試してみた。


「誘拐犯の仲間だな? 否定は不要だ。こちらの要請は、誘拐した少女を返してもらうこと。そうすれば、誰も怪我せず済む」


 対して、言葉を発したのは、工作員の連れだった。

 こちらは40代の男で、脅威ではない。ただ身なりの良い服を着ているので、上流階級に属している者だろう。


「お前たちは、ル・ボルドーの手下か!」


 ラークは、ル・ボルドーという名前に聞き覚えがない。


 工作員が舌打ちする。連れが、ラークに余計な情報を伝えてしまったからだろう。

 それから、ようやく口を開いた。


「占い師ごときが、我々の妨げになれると思っているのか? 身の程をわきまえろ」


 ラークの今の職業は、Gランク占い師。

 当然、前職のSSSランク暗殺者は、通常の《能力透視(ステータス・スキャン)》では表示されない。


「話し合いは決裂か?」


 ラークが確認すると、応答のごとく工作員が攻撃を仕掛けてきた。


「《業血地獄ヘル・エンド》!」


 《業血地獄》──全てを焼却する炎の雨を降らす、災厄スキルだ。

 さすがSランクだけはあるが、《業血地獄》だと、ここにいる全員が死ぬことになる。


 もちろん工作員は別だ。連れの男も含めて《結界フィールド》がかけている。


 ラークは地を蹴り、《存在しない剣(π)》で、《結界》を切り裂く。

 同時に、『連れの男』の胸倉をつかんで、空高く放った。


 工作員が吠える。


「なんだと──!」


 刹那、〈業血地獄〉が解除。『連れの男』に結界を張ったということは、死んで欲しくないわけだ。よって、結界を無効化された上で放り上げられた『連れの男』を助けるためには、《業血地獄》の解除しかない。


「お次はこれだ」


「貴様、待て──」


 ラークは攻撃の手を緩めず、工作員の懐内に飛び込み、《刀化》+《連斬》。

 同じ個所へと、無数の斬撃を叩き込む。これで工作員を守っていた《防御膜シールド》も破壊。


 だが工作員の命は取らず、その右腕を切り落とすに留めた。


「命が惜しかったら、仲間を連れて消えることだ」


 ここで工作員を殺すと、山小屋内にいる男たちが何をするか分からない。すなわち、ゆるふわ少女に危害を加える危険があるのだ。


 工作員は切断面から血を流しながらも、ラークをにらみ返した。


「貴様、何者だ? 占師がこんな──さては職業を偽装しているな?」


「お前ごときでは、僕には勝てない。いいから、降参して──」


「《血の雨(ブラッド・レイン)》!」


「聞いたことのないスキルだ」


「私のユニークスキルだ。よく聞け、愚か者〈血の雨〉スキルが降らすのは、厳密には『血』ではないぞ。物体を溶かす『何か』だ。《防御膜》さえも溶かしてしまうものだぞ」


「話の分からない奴だ」


 ラークは《粉砕拳インパクト・ブロー》連打で、工作員を吹き飛ばす。

 ついで《加速ブースト》で、吹き飛んだ工作員の後ろに回る。


「血の雨が降る前に、死んでもらう」


 手刀を一閃。

 工作員を背中から、切り裂いた。


 その流れで、ラークは山小屋内へと突撃。

 屋内には、ゆるふわ少女の他に、誘拐実行犯の男が2人。


 まずは男の一人に、《弾丸ブレット》を叩き込み、排除。

 残りの男は、案の定、ゆるふわ少女を盾にした。


「ち、近づくな! この娘がどうなっても──」


 ラークは《時間緩慢パーフェクト・ワールド》を発動。

 時の流れを遅くした中で、さらに《加速》。


 これでは、常人には瞬間移動にしか見えない。


 これで男の後ろに回り、迷走神経を叩いて殺した。

 かくして、ゆるふわ少女の救出に成功。

 アリアと離れてからの経過時間は、168秒。


 この間も、《存在感知》は発動していた。

 よってアリアとアーサーが戦闘に入っているのは、確認してあるが。


(アリア、踏ん張れよ)





評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。