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三日月の三分の一の月を一日(ついたち)月というのですね
三日月の三分の一の月は
一日月というのですね
白い影のやるせなさ。
青春と言う装飾は派手だけれど
髑髏と血と涙と弱さを隠しこんだ暗い廊下に
誤って落としたワイングラスの
割れたガラスのかけらのような今夜の月、
を見上げて心洗われる私の眼にも
貴女と同じくらいのやるせなさが
白い影として浮かんでいるのだろう。
三日月の三分の二の月は
二日月というのですね
黒い影の音。
黒い影として浮かんでいるのは
貴女に追い縋るローズキングダムの門の鐘の
鳴り響く茜色の雲を見上げて交わした約束を
その可愛い小指に結びつけた可愛い女、
京は白梅町の洋風マンションの少し上に住んでいる
ハーモニカの上手な女の心の花の色、
白とピンクのグラデーション、
永遠に色褪せない果実の香りに濡れた心臓の音。
三日月の三分の三の月は
三日月というのですね




