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う~

 クロスと別れた私達は、図書館内で伝説の魔法使い達の本を探すことになった、のだが。


「……ここ一帯が伝説の魔法使いの本」

「しかもこんなに沢山あるのか。大変だな」

「うん、しかも一番上の棚は私が背伸びしても手が届かないし」


 そう言って私は頑張って背伸びをして手を伸ばす。

 けれど届かない。

 そう思って今度は魔法を使おうとしたら、頭を押さえられる。


「! な、何をするんだ!」


 上の棚の本をとろうとしていたのにこれでは手が届かない。

 私がそう思ってリオネルを睨み付けるとリオネルは笑って、


「上の棚は全部俺が見るから、ルカは手の届く範囲で探せばいい」

「うう……でも頭を押さえることはないと思うんだ。これ以上縮みたくない」


 私がそう答えるとリオネルは顎に手を当てて考えてから、


「それで身長が低くなるとは思えないな」

「! で、でもそんな気もするし! 毎日私、牛乳を飲んでいるのにこれくらいの背丈だし。出来る事はもっとやりたい」

「なんでそんなに背が高くなりたいんだ?」

「格好良くなりたい! そしてモテたい!」


 私は即座に答えた。

 やっぱり私は背ぐらいたかけれもっとこう、格好いい感じの素敵な女性になれるるかもしれないのだ!

 男でイケメンチートがあれば話は別だがそれがない私はせめて……と思っていたら私はリオネルにさらに強く頭を押された。


「や、やめ、背が低くなるぅううう」

「ルカの“お嫁さん”は俺だ。勝手に伸びるな。この“相棒”でもある俺を置いていこうとはいい度胸だ」

「うぎゃああああ」


 そうやってじたばたしているとそこで、


「あれ、ここで何をやっているの?」


 そう、私達にスールが別の誰かを連れて現れたのだった。









 突然現れたスールと、本を片手に現れた美形。

 銀髪に緑色の目をした男で、美形だったが……。


「あれ、エルフ?」


 珍しい人種が現れて、私はつい呟いてしまう。

 それにそう呼ばれたエルフは頷いて、


「エルフのシヴァンだ、初めまして。スールから話は聞いている。ルカとリオネルだったか」

「はい」


 私とリオネルが頷く。

 するとすぐに気の毒そうな顔になり、


「……こんな風に可愛かったり綺麗だったりするから、スールの餌食に……スールに変わって俺が謝る。申し訳ない」


 そう言って頭まで下げられてしまった。

 あれ? この人真面目で普通の感性を持っているんじゃと、ここに来て珍しいものに遭遇したような気持になっているとそこでスールが、


「酷いよ、私は美しいものをさらなる高みに連れて行っているだけなんだ!」

「でも人によってはそれが好ましくない人もいるから、スールはほどほどにするように」

「う~、だったらシヴァンが私の相手をしてくれても……」

「俺には似合わないよ。可愛いスールが着るから似合うんだし。俺もそれを見ている方が楽しいな」

「う~」


 スールは呻いてそれ以上は言わなかった。

 そこでシヴァンが手に持った本を戻そうとする。

 私は何となく聞いた。


「それには何が書かれていたのですか?」

「そうだね、魔王と勇者と聖者たちの秘密かな」

「ぜひ、貸してください」


 私はそう答えたのだった。 


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