かなりきつい言い訳では
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どうやらクロスもその魔王候補とやらが区別がついていないらしい。
でもここに危険な人物達が潜入しているといった情報が、リオネルの兄、クラウド達にも流れていたらしい。
これは果たして、関係がないといえるのだろうか?
これらの情報が、
「私達をおびき寄せる罠になっていないといいな」
「どういう意味だ?」
「どうもこの学園に……私とリオネルがここを選んだのは偶然のような物なんだけれど、良くない輩が入り込んでいる、そういった情報があったらしいんだ。……だから意図的にここに私達は集められたんじゃないか、という疑惑を私はもったんだけれど……」
「……お前達は本当に何者だ? しかも“聖者”の話まで知っているとは……ここの天才的な魔法使いの稀覯本については知らないようだったし、そこからの情報でないとするなら……」
クロスがそう聞いてくるのを聞きながら私は、リオネルの方を見て、
「どうする? リオネル」
「……このクロスとは情報交換はしておいた方がいいかどうかって事か」
「うん、魔王候補の情報は私も欲しいし。でもそのリオネルの話は、クロスの中だけで留めて欲しい部分もあるかな。現状ではどこに敵がいるのか私も把握出来ないし」
そういった話をしているとリオネルは少し黙ってから、
「クロスにだけの秘密だ。これは守れるか?」
「……お前達の情報や能力に関しては気になるし、こちらの情報も思いの他持っているようだから、良いだろう。場合によっては協力関係がとれるかもしれない」
クロスがそう答えるのを聞いて私はリオネルを見上げる。
そして周りに人がいるかどうかの確認をしてから、
「俺は、ここの学園長クラウドの弟、つまり“勇者”の末裔なんだ」
「……どうりで顔が似ていると思ったら……何で王子様がこんな普通の生徒の振りをしているんだ?」
「ルカと一緒に普通の学園生活を送りたかったので」
「それだけで、王子様が身分を隠してここに通うのか?」
「うーん、でもお王子様の身分が無ければ、結構好き放題に“暴れ”られそうだしな」
その答えにクロスは沈黙した。
次に私の方を見て、
「変な人間には変なのがくっついてくると。そういえば都市の、誰だかという王子は魔法やらなにやらに秀でているが、一緒に居る友人もかなり規格外で、強力な能力を持つ“英雄”だとかなんとか……」
「ワタシハタダノヘイボンナFランクマホウツカイデ、ソノヘンニハエテイルザッソウノヨウナアリフレタソンザイデス」
私は自分の正体が発覚するのを恐れて、すぐさま反論した。
そんな私を見てクロスが嘆息する。
「かなりきつい言い訳では」
「キノセイデス」
そういい返すとそれ以上クロスは何も言わなくなった。
言ってもしょうがないと思われたのかもしれない。
これぞ、ごね得、と私が思っているとそこでクロスが、
「とりあえず情報が入ったらそちらにも話す。“勇者”の末裔ならば問題ないだろう」
「分かったこちらも何か入り次第、そちらに流す」
そういった会話をして、私達はクロスと別れたのだった。




