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外伝・その四十三(至高の通信地政学チート編):第四期国営海底電信線・極地不凍線の敷設令と、凍れる北海を包囲して世界をハメ殺す百パーセント即時同期

天竺インドの国営最高級白麻布で欧州の酷暑と繊維利権を完全にハメ殺し、大奥での怒濤の流し素麺の竹筒千本乾燥をも生き抜いた正一位・太政大臣たる織田信長。安土城の総大総督府の玉座に座る覇王の視線は、初秋の清々しい風が城下を優しく包み込むなか、世界の情報地政学の歴史を五百年先んじて完全白化(ホワイト化)する、次なる未曾有の地球規模通信チートへと向けられていた。


元平の御世、新政庁が第三期工事として敷設した海底電信線大洋横断線、ならびに大空を往来する空中世界環状空路は、地球全域の主要海域を一瞬で多重同期させていた。しかし、信長の持つ二一世紀の電気通信知識は、温暖な大洋を繋ぐだけでは満足するものではなかった。先回り登記を完遂していた極東の不凍港(のちのウラジオストク周辺)から、蝦夷地や極北の海域に至る北海一帯は、冬になれば巨大な流氷が押し寄せ、船舶の往来が制限されるため、不意の情報隠蔽や異国の不穏な動き(ブラック環境)の死角となる恐れが依然として潜んでいたのである。


信長は地球北海海域の主導権を一文の狂いも無い精度で永久に完全掌握するため、脳内の長距離電気通信知識、ならびに材料工学の知識を完全同期。流氷の凄まじい圧力と、極寒の海水による腐食に十割絶対に耐えうる特製の二重鋼線防護被覆(天然ゴムと麻糸、そして国友鍛冶の特製焼き入れ鋼を用いた不滅の被覆鉄線)を開発。極東の不凍港を起点に、北極海周辺の開拓地や極寒の港湾網を緊密に結ぶ、前代未聞の海底大工事ーー『第四期国営海底電信線(極地不凍線)』の敷設を電撃的に発令したのである。


「ーー信長様! 北海百年開拓を率いる安東愛季殿、ならびに明智光秀殿より電信! 凍れる北海の底を包囲する不滅の防護鉄線が十割完全に繋がり、極地全域の『即時同期網』が、戦う前に盤上で完璧に完成いたしました!」

内政副総裁の直虎が、安土城の最奥に設置された新型のからくり多重電信印字機の前にて、興奮のあまり大粒の涙を流して平伏した。


信長は不敵な笑みを浮かべ、総大総督の直衣を翻してその巨大な電信盤の前に立った。

「うむ、直虎よ。南蛮の国々や北方の欲深き大国どもが、氷に閉ざされた海の向こうからの報告を一通受け取るために、不確実な陸路や犬ぞりに数ヶ月を費やしている暗黒の時代において、我が新政庁はすでに流氷の断線すら十割先回り封殺する不滅の通信回廊(極地不凍線)を完成させたのだ。これで地球規模の情報覇権は、一兵も損なうことなく我が新政庁の盤上で完全に詰んだ」


信長が自ら電信の鍵盤を叩き、極東の不凍港総局へ向けて秋の開拓規律を送信した。その僅か数秒後、電信機が「カタカタカタ……!」と激しく音を立て、万が一の遅延も無く、極寒の北海からの即時返答を一分の狂いも無い精度で印字し始めたのである。

その様子を目撃していた武田勝頼や上杉謙信ら近代官僚、そして安土に滞在していた世界中の商神たちは、驚愕のあまり腰を抜かしてその場にひっくり返った。


「な、何ということだ……! 流氷が押し寄せる凍れる海の底に、鋼で固めた鉄線を巡らせて横断させることで、極寒の地の声が鳥の羽ばたきよりも速く同期するというのか!? 我々が数ヶ月かけて運んでいた情報は、戦う前にすべて過去のものとなった……! 織田の通信地政学、マジ神仏……!」

南蛮の商神たちが涙を流して畳の床に平伏するなか、信長が提示したのは、世界を恐怖させる軍事力ではなく、新政庁が全額保証する『国営海底極地不凍線・地球全域即時情報共有の基本法度』であった。

他国が連絡の遅れや氷閉ざされた環境によって作戦の齟齬をきたしている段階で、新政庁はその日のうちにすべての状況を多重に把握し、先回りのハメ手を打つことができる。織田の圧倒的な「未来技術・即時同期・ホワイト雇用」の情報の前に、欧州の外交覇権は、戦う前にこの電信線の微かな電流の前に完璧にハメ殺されるのだった。


ーーその頃、地球規模の巨大な通信無双を完璧に詰ませ、世界の民から「情報の神仏」と唱念されていた最高権力者、織田信長は、安土城の総大総督府の裏手にて、再び別の意味での滝のような冷や汗を流していた。


世界の完全白化という欲深き計略を成し遂げた信長であったが、夜の大奥に足を踏入れた瞬間、帰蝶、直虎、英国王女、そして甲斐姫らが、植物園で収穫されたばかりの大量の「極上西瓜スイカ」を前に、一分の狂いも無い完璧な温もり包囲網を敷いて待ち構えていたのである。


「信長様、お帰りなさいませ。極北の海の底を貫く鉄線による未来の情報ハメ手、誠に見事な計略にございました。さあ、今夜は大奥一同、行く夏を惜しみながらお茶目に楽しむ『晩夏の国営西瓜の種飛ばし大会』の規律を執筆(実食)いたしますが……労働者にございます我らの有給休暇および夏の安息の規律に基づき、十割黄金の長椅子の上から動かなくなった我らのための、広大な庭園の敷物の手配、一分の狂いも無い『飛距離のからくり測定管理』、ならびに深夜の庭の畳や椅子の隙間に挟まった数千個の西瓜の種の手拾い片付けの交代制職務シフト、本日の深夜番は信長様、あなた様に十割完全に割り振られておりますよ?」

帰蝶が最高の笑顔で、大奥の広大な畳敷きや庭園の椅子の下に散らばった数千個の西瓜の種と、一分の狂いも無い手作業での手拾い清掃指示書を信長に手渡した。


「ま、待て……! 余は今、北海の底に防護電信線を敷き詰め、世界の覇権国を戦う前に完璧にハメ殺してきたばかりなのだぞ……!? なぜ戻ってきた瞬間から、長椅子から一歩も動かぬお前たちのために、一人で真夜中に赤子をあやし、小さくてベタベタした数千個の西瓜の種を四つん尋(つん這い)になって暗闇の中で一人で分類し、一粒の狂いも無い手拾いで掃除し続けねばならぬのだ!」

信長の悲痛な叫びに対し、十五歳に成長した甲斐姫が、西瓜を美味しそうに頬張り、種をプッとお皿へと飛ばしながら笑顔の先回り牽制を仕掛けてきた。

「太政大臣たるもの、国営海底電信の利潤を精査する前に、まずは身内の晩夏の一分の狂いも無い夜間の片付け環境を一から完璧に白化(ホワイト化)していただかねば困ります。さあ、一粒の拾い残しも許されぬ種片付けの激走、お励みください!」


英国王女も「タネトバシ、マジ神仏! ノブナガ様、お種拾いよろしく!」と、お布団に包まりながら完璧な笑顔を見せている。


「世界をハメ殺すより、深夜に一人で数千個の西瓜の種を拾う方が十割むずかしいわ! というか、種の甘い匂いで羽虫が寄ってくるではないか! 余の再生したばかりの限界胃壁がストレスと晩夏の激務で本当に戦う前に跡形もなく崩壊しちゃうよーー! 誰か、余の胃薬(胃壁保護剤)を北海不凍電信の速度で持ってきてぇーー!!」

昼間は冷徹に地球規模の通信網を統治する総大総督でありながら、夜は大奥の完璧なる夏の規律ぬくもりの前に白目を剥き、嬉しさと緊張の冷や汗で西瓜の種をピカピカに回収する覇王信長。だが、ぐっすりと眠る子どもたちの愛らしい寝顔と、至高の種飛ばしを楽しそうに振り返る妻たちの笑顔を見つめ、胃壁の激痛を堪えながらも、心の底から幸福なる微笑を浮かべるのであった。


(外伝・その四十三・至高の通信地政学チート編・完)

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