外伝・その四十二(超巨大盛夏衣服無双編):天竺国営最高級白麻布の欧州電撃市場投入令と、酷暑に悶える王侯貴族をハメ殺す織田東インド商会の衣服完全独占
世界初の空中世界環状空路を発令して大空の物流覇権を完全にハメ殺し、大奥での怒濤の西瓜果汁床拭き掃除をも生き抜いた正一位・太政大臣たる織田信長。安土城の総大総督府の玉座に座る覇王の視線は、真夏の強烈な太陽が城下を黄金色に焦がすなか、世界の衣服と繊維の歴史を五百年先んじて完全白化(ホワイト化)する、次なる未曾有の超巨大経済内政無双へと向けられていた。
元平の御世、天竺や日ノ本国内の特選繊維栽培地の先回り国営化を完遂していた新政庁は、すでに地球規模の最高級繊維の主導権を盤上で完璧に掌握していた。信長は脳内の二一世紀の自動紡績技術、ならびに繊維の吸湿速乾性に関する科学知識を完全同期。当時、ジメジメとした盛夏の酷暑と、重くて洗いにくい南蛮の粗悪な麻や羊毛の衣服(ブラック環境)に喘いでいた欧州の特権階級を衣服から完璧にハメ殺すため、現地で効率的に計画栽培・精製されたこれまでにない軽さと圧倒的な清涼感を持つ至高の繊維ーー『国営最高級白麻布(高級リネン)』の大量生産に十割完全に成功したのである。
信長はこの至高にして圧倒的な「清涼の富」を用い、一分の狂いも無い精度で欧州の衣類市場を戦う前に経済的に完全にハメ殺す、至高の経済大計略を発動した。
「ーー信長様! 織田東インド商会の欧州総局(ロンドン・マルタ島拠点)より、一分の狂いも無い確実なる電信が入電! 我が国営自動紡績場から新型発動機船(重油動力船)で直送された、極上の最高級白麻布が欧州市場へと十割完全に同期(上陸)。その圧倒的な風通しの良さと、南蛮の不当な旧式ギルド(繊維商組合)の十の一という信じがたい適正価格の前に、欧州の繊維市場が戦う前に経済的に盤上で完璧に詰まされ、南蛮の王侯貴族や猛暑に悶える豪商たちが、泡を吹いて平伏しているとのことです」
内政副総裁の直虎が、欧州から逆流し始めた天文学的な純金貨の一文の狂いも無い交易帳簿を抱え、興奮のあまり大粒の涙を流して報告した。
信長は不敵な笑みを浮かべ、総大総督の直衣を翻して世界地図の前に立った。
「うむ、直虎よ。本来の歴史であれば、南蛮の欲深き覇権国どもが、不衛生な繊維工場や不平等な過酷労働(ブラック環境)で民を酷使し、質の悪い衣服を独占して世界を支配するはずであった。だが、我が新政庁が先回りして現地の民を笑顔の固定給で強制雇用し、二一世紀の工学知識で量産した『完全白化の至高の白麻布』を市場に投げ込んだことで、欧州の不当な独占組織は戦う前に根底から完全にハメ殺されたのだ」
欧州の王侯貴族たちの間で、織田東インド商会がもたらした国営最高級白麻布は、またたく間に「神仏の涼衣」として狂気的な大流行を巻き起こしていた。ひとたびその衣服に袖を通せば、肌を蒸れさせていた真夏の不快感など戦う前に一瞬で消滅し、一分の狂いも無い完璧な吸湿性と圧倒的な着心地の良さに脳内が百パーセント支配され、これまでの重くて硬い南蛮の麻や羊毛など戦う前に児戯に等しいと、誰もが織田の衣服の虜となったのである。
「な、何ということだ……! この麻布の雪のような白さ、そして風が身体を吹き抜けるような涼しさは一体何なのだ!? 一糸の狂いも無い完璧な自動織りの目、そしてこれが現地民の搾取や涙のない優良な環境(週休二日制)で育てられたという奇跡……! 欧州の全財産(純金貨)を差し出してでも、織田の白麻布を請い願うしかない! もはや織田の衣類を絶たれれば、我が王家は暑さの前に戦う前に滅びる! 織田東インド商会、マジ神仏……!」
南蛮の王たちが涙を流して織田の契約書(国営最高級白麻布・世界独占流通ならびに衣類覇権条項)に平伏するなか、織田の圧倒的な「未来技術・適正価格・ホワイト雇用」の流通の前に、欧州の経済主導権および財政主導権は、戦う前に一枚の涼しき衣服の前に完璧にハメ殺されるのだった。
ーーその頃、地球規模の巨大な繊維経済無双を完璧に詰ませ、世界の王たちから「交易の神仏」と唱念されていた最高権力者、織田信長は、安土城の総大総督府の裏手にて、再び別の意味での滝のような冷や汗を流していた。
世界の衣服環境の完全白化という偉大なる計略を真夏の爽やかな無双で成し遂げた信長であったが、夜の大奥に足を踏入れた瞬間、帰蝶、井伊直虎、英国王女、そして成田家から赴任してきた甲斐姫らが、先回り環境保護令で清流が美しく守られた安土の竹林から切り出されたばかりの、大量の「特製竹筒」を前に、一分の狂いも無い完璧な温もり包囲網を敷いて待ち構えていたのである。
「信長様、お帰りなさいませ。天竺国営最高級白麻布による未来の欧州繊維ハメ手、誠に見事な計略にございました。さあ、今夜は大奥一同、真夏の暑さを清らかな水流で吹き飛ばす『盛夏の国営流し素麺大会』の熱戦を執筆(開催)いたしますが……労働者にございます我らの有給休暇および夏の安息の規律に基づき、十割涼しき長椅子の上から動かなくなった我らのための、大量の素麺の一分の狂いも無い『茹で・国営からくり水流管理』、ならびに深夜の濡れた数千本の竹筒の洗浄と乾燥の交代制職務、本日の深夜番は信長様、あなた様に十割完全に割り振られておりますよ?」
帰蝶が最高の笑顔で、大奥の庭園を埋め尽くすように設置された巨大なからくり流し台と、一分の狂いも無い手作業での竹筒乾燥指示書を信長に手渡した。
「ま、待て……! 余は今、純白の麻布で欧州の王たちを財政の根元から完璧にハメ殺し、南蛮の富を戦う前に完璧にハメ殺してきたばかりなのだぞ……!? なぜ戻ってきた瞬間から、長椅子から一歩も動かぬお前たちのために、一人で真夜中に赤子をあやし、冷え固まった素麺のぬめりを落とすために数千本の竹筒を一分の狂いも無い手洗いで磨き、炭火の前で一人で乾かすという過酷な単独職務に奔走せねばならぬのだ!」
信長の悲痛な叫びに対し、十五歳に成長した甲斐姫が、爆速で流れる素麺をからくり箸で見事に捕らえながら笑顔の先回り牽制を仕掛けてきた。
「太政大臣たるもの、欧州の繊維利潤を精査する前に、まずは身内の真夏の一分の狂いも無い衛生環境を一から完璧に白化(ホワイト化)していただかねば困ります。さあ、一筒の狂いも許されぬ手洗いと乾燥の激走、お励みください!」
英国王女も「ソーメン、マジ神仏! ノブナガ様、お竹筒お片付けよろしく!」と、お汁を啜りながら完璧な笑顔を見せている。
「世界をハメ殺すより、深夜に一人で濡れた竹筒を千本乾かす方が十割むずかしいわ! というか、竹の湿気と炭火の熱気で余の再生したばかりの限界胃壁がストレスと真夏の激務で本当に戦う前に跡形もなく崩壊しちゃうよーー! 誰か、余の胃薬(胃壁保護剤)を世界環状空路の速度で持ってきてぇーー!!」
昼間は冷徹に地球規模の繊維流通を統治する総大総督でありながら、夜は大奥の完璧なる夏の規律の前に白目を剥き、嬉しさと緊張の冷や汗で竹筒をピカピカに乾燥させる覇王信長。だが、ぐっすりと眠る子どもたちの愛らしい寝顔と、至高の流し素麺を楽しそうに振り返る妻たちの笑顔を見つめ、胃壁の激痛を堪えながらも、心の底から幸福なる微笑を浮かべるのであった。
(外伝・その四十二・超巨大盛夏衣服無双編・完)




