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2名様ですか、森丸くん


「途中から合流ってダメなんでしたっけ……?」


 ダメではない。ただめんどくさい。そう、こちらがめんどくさいだけであって、ダメではない。


 いやいや、そんなことより誰? 君は誰だ?帽子をかぶって前髪とマスクでほぼ顔を隠してる君。森丸の友達なのか?


「あの……やっぱダメですかね?」


 ダメではない。めんどくさいだけ。


「あっ、可能です。205ですよね。もっ……佐藤様の部屋で……?」

「さとう……?」

「はい。あの、佐藤天音様で入られてる部屋で……」

「さとうあま……はい! 佐藤の、そこの部屋です!」


 絶対この人、『佐藤? 誰? は? 佐藤天音……はいはいはい! 森丸じゃなくてそのパターンね!』の間で話してたよね。絶対そう。



 でも一体誰なんだ?


 高いけど低く響くような声と、170cmかもうちょっと小さいくらいの身長。声の高い男性でもあるし、背の高い女性でもある。うーん。


「205はフリータイムのドリンクバーで入られてるので、よろしければあちらでドリンクもお取りください」


 私は、この人は一体誰なのか高速で考えを巡らせながら、一方でカラオケ受付脳が仕事をしてくれるおかげで、自動的に入力を2名様に変更し、自動的に205へと案内することができた。


 名MCは喋りながらもゲストの様子や周りを見て回しているというが、私もカラオケの受付をしながらもトークを回せる気がする。


 そんな片手間バラエティの話は置いといて、この人は誰なのかってことだ。


 

 目線の先の謎の人物は少しまごつきながらもメロンソーダを取って、205の方へと歩いて行った。


 彼は、いや彼女かもしれない君は……待て、彼女……?もしかして彼女!?SHEとかではなくGIRL FRIENDの方の彼女?


 森丸はもしかして、彼女との密会にこの店を選んだのか?先週一人で来たのはその下見だったのか?


 それならこのポップタイムを選んだのにも納得がいく。目立たないもん。



「ほらやっぱメロンソーダ取りますよ。普通は!」

「ね」


 田無くんのパインソーダ論の続きを聞いている隙間など今はないので、申し訳ないけどここは『ね』のカードを切らせてもらう。


「じゃ、洗い物してきまーす」


 私に『ね』のカードを切られた田無くんは、関心が無効状態となりキッチンへと戻って行った。



 もしあの謎の人物が本当に森丸の彼女で、密会デートをしていたならどうしよう。


 どうしようも何も私には関係ないことなんだけど、万が一レザーのファンが池袋の西口にいて、万が一このカラオケポップタイムに流れ着いて、万が一それが森丸の強烈なファンだった場合、この密会場面に遭遇したら、森丸のアイドル人生が終わるような何かしらがここで起きてしまうのではないか。


 カラオケポップタイムが血の海に。


 レジ横にある、一ミリも可愛げがないマスコットキャラクター“ポップン君”の不適な笑みが、私の不安を煽ってくる。タンバリンの服を着て、マラカスを両手持ちのポップン。こいつ歌わねえじゃん。鳴らし者がこっち見てんじゃねえ。


 ポップン君にガンを飛ばしながら、205の真相が気になって仕方なかった。


“ティロリ♪”


 どこかの部屋からモバイルオーダーが入った。出て来たオーダー伝票を見てみる。


『205:(2名) フライドポテト』


 おいおいポテト頼んできた。これは様子を伺うチャンス。


 でも、いいのか?密会ってこちらからドアを開けてもいいんでしたっけ?

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