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リアルRPG  作者: 龍華ぷろじぇくと
第三ステージ 裏切りのPK
35/44

オーク大量発生イベント1

「行くぞ」


 手榴弾の安全ピンを離し、三つ一片に放り投げる。

 少し遅れて暦が走り出したのを見はからい、俺も突撃する。

 出来るだけ固まり、一転突破を目指すのだが、成功確立はとてつもなく低い。


 自分一人だけでも危険なのだ、やはりバッタ並みの奴が一人は……

 俺の横を影が通り過ぎた。

 まるで黒い疾風が駆け抜けるようにオークを切り裂いていく亨。

 その動きはどことなくバッタを思わせる動き。

 まさかと嫌な気分になったが、オークたちの渦に飲まれ、思考などする余裕がなくなった。


 とにかく斬って出来るだけ前に進む。

 亨が道を切り開いてくれているので暦をフォローしながら周囲のオークを蹴散らしていく。

 きっと、こいつもNPC扱いなのだろう。こいつのイベント断ったから後が怖いが、今だけは利用させて貰う。


「暦、無理はすんなよ」


「う、うん」


 手前のオークに突き入れた槍を引き抜き真後ろに現れたオークを柄で押し倒す。

 さらに体を使い旋風のように槍を回し周囲からオークを一掃した。

 まだ少し身が硬いが、オーク相手への怯えはないようだ。

 やはり巨大蝙蝠を倒した実績が彼女にとってプラスに……この場合プラスと言っていいのかどうかは別として、確実に糧にはなっているようだ。


「え。えいっ」


 槍を引き戻し、暦が前方へと手榴弾を放り投げる。

 爆風に煽られ面白いくらいにオークが上空へと跳ね上がる。

 手足をばたばたと動かしているオークは爆風に巻き込まれた奴だろう。

 中心地に居た奴らは軒並みバラバラだ。


 オークの身体が暦より大きいため、余り深く相手に刺すと抜けなくなってしまったり、周りへの一閃もオークに柄が当って止まったりするが、そんな状況を亨が上手くフォローしてくれている。


 そんな亨は暦のフォローだけじゃなく、俺の攻撃後に出来る隙を埋めてくれたり、詰め寄ってくるオークたちを切り倒し血路を開いてくれたりと大忙しだ。

 おそらく、普通にもう一人のフォロー要員を引き入れるよりも、よっぽど役に立つ助っ人だ。

 やっぱり、NPCなのだろうか? 普通の平和を謳歌している人間に出来る動きじゃない。


「思ったより多いですね」


 結局、彼のフォローと手榴弾のおかげで目的地らしい場所まで数時間かけて辿り着いた。

 激戦ではあったがなぜだろうか? それほど生命の危険は感じなかった。

 オークの動きが鈍いのもあるかもしれない。


「目的地に着くまでオークたちは限りなく出てくるらしいぞ佐川。悪いなこんなイベント付き合わせちまって」


「いえいえ、これはこれで楽しいですよ。皆さんと力を合わせて戦う。ゲームの醍醐味じゃないですか」


 亨はそう言うが、ほとんどのオークを倒しているのは彼だ。

 彼のおかげでなんとか目的地前まで辿り着けた俺たち。

 目的の場所はどうやら祭壇らしい。


 丸太の骨組みと板でできた簡素な祭壇の中央には五亡星の描かれた床があり、その床が時々開き新しいオークが出現していた。

 どうやら射出口のようなものらしい。

 五分に一度の割合でオークを乗せた床が競り上がって来ているようだ。

 地下にオークの製造工場でもあるのだろうか?


 そう大体五分に一匹の割合だ。

 緩やかといえば緩やかな増殖ではあるがすでに数千匹出現している後とあっては厄介なことに変わりはない。

 おそらくだが、俺とバッタが出会った瞬間から少しずつ増えているのだろう。


 いや、俺達がこっちの村に旅立った事でイベント条件を満たしたとして一度に大量のオークが現れ、その後から一体ずつ増えている方が司祭者がやりそうなことか?

 クラスメイトたちや他の冒険者が普通にこの町に辿りつけてたし、その時はオークは影すら見えなかったと思った方が良いだろう。

 

 もうすでに目に見える位置にある祭壇からは、今もまた新たなオークが出現したところだった。

 多分、この祭壇が目的地であり、ここに辿りつく事でボスかそれに類するイベントが起こるはずだ。


「あそこだっ」


「道を作ります」


 俺の声に答えるように亨が俺の前に立ちふさがるオークたちを切り殺していく。その合間を縫うように俺と暦が駆け抜ける。

 祭壇に付くと周囲を探る。

 ボタンとかがあれば押して終了なのだが、残念、そういったものは見当たらない。


「お兄ちゃん、あそこ……」


 目の前に迫ったオークを斬ったとき暦が声を上げる。

 意識を向けると近くの一点を指していた。

 敵に警戒しながらそちらを見る。


 祭壇を降りた反対側から祭壇の床に何かが突き出ていた。

 金属製の棒状の物が二本。床に固定されている。

 オークを倒しながら近づいていくと、地下へと向かう梯子だった。


「ここから地下に向かうのか?」


「そのようだ、ねっ」


 俺の背後にやってきた亨がオークを一刀両断する。

 周囲と真下に視線を走らせ、俺は一番最初に梯子を降りていく。

 次いで戸惑いながら暦が降りてくる。


 スカートを穿いているため上は見ないで、と言ってくる暦に見ないよと答え、真下を見ながら降りていく。

 結構深い穴だ。落ちたら死ぬな。


「オークはこの梯子付近には近寄ってこないようですね」


 上から亨の声が降ってきた。


「そりゃよかった。今降ってこられても対応できねぇしな」


 声だけ返して黙々と下へ降りていく。

 やがて広い横穴が現れ、底に辿り着いたことを知らされた。

 待ち伏せは無い。

 ごつごつとした岩の塊が幾つか転がっているだけの洞窟で、どうも急造の人工物のようだ。


 おそらくこの島を作るに当り一番最後らへんに突貫工事を行ったのだろう。

 その過程で砕いた岩を取り除く時間も惜しいと放置したらしい。

 ようするに作業が雑であり、整っていたフィールドと比べると、明らかに人が数日前に鉱石でも掘ってましたよと言えそうな状態なのだ。


 重機らしきものは無いが、ヘルメットやらツルハシが投げ捨てられたように配置されていた。

 素で置き忘れたのか故意に置いたのかは分からないが、一応武器にはなる。

 嵩張るので一つだけ引っつかんで、頭にはヘルメットを被せてみる。

 頭上からの攻撃にちょっとばかし安全性が増したはずだ。

 紐締めてないから意味無いかもしれないけど。

 なんか似合わない気がしたので二つとも戻しておいた。

 使える事もあるかもしれないので亨に後でこの二つ回収しようと持ちかけておく。


「あれ……もしかして」


 少し歩いたその先に、どこかで見たことのある巨大なドアがあった。

 この先にボスが居る? それはまさか……

 信じたくない。信じたくは無いけれど……

 いるのか、バッタ?

 久我山環架

装備:スラッシュソード、厚革の鎧、皮のベルト

所持アイテム:火炎の杖、氷結の杖、雷鳴の杖、ガスマスク、煙球

       万能回復薬

魔法:爆裂魔法(手榴弾)× 8

所持金:10L


 高杉暦

クラス:槍兵

装備:鋼穂の木槍、厚革の鎧

所持アイテム:火炎の杖、雷鳴の杖、万能回復薬

魔法:爆裂魔法(手榴弾)× 3

所持金:390L


 佐川亨


クラス;冒険者

装備;ショートソード、アルミアーマー

所持アイテム:青いリュック、火炎の杖、氷結の杖、雷鳴の杖、ピッキングツール、ニューナンブ × 2

所持金;3000


病室に預け中アイテム

 松明 × 7

 シウレスの森地図 × 1

 皮の鎧 × 1

 レザーベスト × 1

 ショートソード × 1

 鉄穂の槍 × 1

テイムモンスター?

 アンコウモドキ≪仮名≫ 種族名:パックンアンコウ


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