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リアルRPG  作者: 龍華ぷろじぇくと
第二ステージ 幻想の現実
23/44

オーク集団突破戦1

「街、見た目よりもかなり遠くだったんだね~」


 すでに初めの町を出発してから二時間ほどが経過していた。

 歩きつかれた俺たちは森と平野の境目で薪を集め、草原の一角から草を刈り取って暖を取っていた。


 魔物は火を嫌う傾向にあるのか、近づいてきた魔物も火を見るなり遠ざかっていったので火さえ絶やさなければ野宿も可能なようだ。

 かなり近づいたとは思うのだが、平原で見える街は未だに小さく見えている。


「どうも丘の上にあるみたいだね。こんなに遠くてもよく見えるはずだよ。でも、この分だとあと一時間はかからないみたいね」


 薪をくべる俺の横に腰を下ろしてきたナスカが遥か西に見える街を視界に納め呟いた。


「だな。あと一息、化け物どもは強そうなの結構いるけど頑張ろうぜ」


「うん。でさ、話は変わるけど、バッタさんってちょっと謎よね」


 バッタが謎なのは今に始まったことじゃないが、ちゃんと喋れる人間だということは分かっている。

 俺はナスカの問いにそうかぁ? とだけ返しておく。


「女の子でしょ? しかもヌイグルミ着て一人旅? 戦闘に関しても結構訓練したみたいに動いてるしさ」


 訓練されたように動いてる?

 言われてみれば確かに動きにキレがあるというか……最初から俺達が死なないようにサポートしてくれてたよな。

 でも、何かを殺したことはなかった。

 俺の前で震えていた彼女の顔が演技だなどとは到底思えない。


「ムレって女の子にとっては大敵みたいなもんじゃん。まるでキャラ作りしてるっていうか、なりきっててなんてゆーかさ……」


 俺に話しかけていたはずのナスカ。

 急に何かを思いついたように押し黙る。

 しばらく神妙な顔つきで唸っていたが、近づいてきた啓介と暦に気づき顔をそちらに向けた。


「どーしたの?」


「僕も……戦う」


 子供二人は戦力外。として彼らを戦闘には参加させなかったのだが、度重なる戦闘を三人だけで済ませていたことに気を使ったらしい。

 二人とも武器を携えいつでも戦闘参加できますといった様子で、暦は槍を、啓介は二本のショートソードを持っていた。

 ただ、暦の表情は浮かない。兄の言葉に仕方なく付き合っているように感じる。


「僕は騎士。暦は槍兵のクラスなんだ」


 俺とナスカは顔を見合わせる。

 二人同時に思ったのは恐らく、どうしようかと相手の意思をまず聞こう。だったのだろう。

 同時に難しい顔をしてしまったので確実だ。


 確かにゲームなら少年剣士とか少女槍使いは使えるかもしれない。でも現実じゃそうはいかない。

 彼らは特殊な訓練を受けた兵士でもなければ超能力に目覚めた新人類でもないのだ。

 非力な腕力と溢れるばかりのやる気を持ち合わせたトラブルメーカーにしかなりえない。


 確かに訓練すれば戦闘も行えるようになるかもしれないが、俺達だっていっぱいいっぱいなのだ。

 他人の指導をするような力も暇もない。

 下手にちょこまか動き回られるよりも荷車で大人しくしてもらっていたほうがいい。

 しかし、抑圧してしまうと飛び出していきかねない。下手に留守番させるよりは何かさせたほうがいいのだろう。


「じゃあ、後方の敵を頼むよ」


 今までどおりを歪曲して言うことにした。

 後方の敵に備える。つまり戦ってる間に後ろからこられない限り戦闘に加わるなと言うこと。

 そういう事態に陥った場合は強制参加だし、コレでいいんだと思う。


 暇が出来たら少しくらいは剣の稽古してもいいかもな。

 俺自身も必要なんだろうけど。

 休憩を終えた俺たちは再び歩き始める。


 後一キロほど歩けば街に入れるといった所までやってきたときのことだった。

 豚がいた。

 ただの豚じゃなく甲冑つけて斧持った二足歩行の豚。


 しかも一匹ではなく何十何百という大群がどこからともなく現れて俺達を囲んでいた。

 いつ湧いたかすら分からなかった。気が付けば囲まれていた。

 見晴らしのいいはずの草原でだ。


 幸い奇襲だったとはいえ距離はあったので冷静さを幾分かは取り戻せたが、動揺までは消せない。

 いかんせん数が多い。


 さっそく啓介と暦にも手伝ってもらうことになりそうなのだが、タイミングがよすぎる気もしなくはない。

 まるで啓介の戦いで役に立ちたいという意思に反応でもしたような……

 ああ、もう、今は考えている場合じゃない。


 後方の敵は言ってしまった以上啓介と暦に任せるとして、最低一人はフォロー役がほしい。

 とすれば、遠距離から援護してくれるヤツが望ましいわけで、今のパーティー内で言うならばバッタが適任。

 すると前方の敵は俺とナスカの二人だけで何とかする必要がある訳だ。


「ってな作戦なんだがどうだろう?」


 俺の作戦にバッタが頷きナスカも刀を引き抜く。


「なんていうか本格的な戦いがようやく始まったって感じ。腕の見せどころよリーダーさん」


 え? リーダー……って俺?

 思わず自分を指差していた俺にウインク一つ残してナスカが豚の化け物(オークと名づけておこう)に斬りかかった。

 確かに、今までの少数戦とは違う大勢体少数の戦いは初だと思う。

 気の抜けない戦いに、俺は頼りになる鋼鉄の魔法弾に手を掛けた。

 大丈夫、コレがあれば、俺たちは死なない。絶対に、突破してやる!

 久我山環架

装備:ショートソード、皮の鎧、皮のベルト

所持アイテム:火炎の杖、氷結の杖、雷鳴の杖、ガスマスク、煙球

魔法:爆裂魔法(手榴弾)

所持金:140L


 保科雄一

クラス:重戦士

状態:安静必要

装備:錆びた斧、壊れた鎧

所持アイテム:火炎の杖、氷結の杖、雷鳴の杖

所持金:0L


 バッタ

クラス:マルチウエポン

装備:ナイフ×2、臭いロングソード、小型のボウガン、ショートソード、タンクトップ

所持アイテム:バッタのキグルミ、火炎の杖、氷結の杖、雷鳴の杖、煙玉

       組み立て式・鉄塊、ハリセン、着替え、干し肉×10

所持金:3510L


 緋織ナスカ

クラス:侍

装備:刀、鞘

所持アイテム:着替え、干し肉×2

所持金:840L


 高杉啓介

クラス:騎士

装備:ショートソード、ショートソード、レザーアーマー

所持アイテム:薬草×5、血清×2

所持金:0L


 高杉暦

クラス:槍兵

装備:鉄穂の槍、レザーベスト

所持アイテム:火炎の杖、雷鳴の杖

所持金:0L


 四輪荷車   1000L


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