第5話 逃げるための力
私の考えた設定を元にAIが考えた話になります。
・タイトル、あらすじ、タグ、投稿ルールなどもすべてAIまかせ
・設定も面白くなるならば変えて良い
との条件で書きなおしました。
ご興味があれば、ご一読ください。
↓私が自分で書いた方の話はこちら
【逃亡王子の放浪記 ~世界の果てを見に行く方法~】
https://ncode.syosetu.com/n2929ms/
翌朝。
屋敷の裏手にある庭には、昨夜から降り続いた雪が一面に積もっていた。
誰も踏み入れていない場所には、白い雪が平らに広がっている。
その中央に、セイラスとノエルが立っていた。
「まずは、昨日と同じことをしてみよう」
「石?」
「うん」
セイラスは足元から小さな石を拾い上げる。
それをノエルへ渡した。
「これを浮かせてみて」
「分かった」
ノエルは両手で石を包むように持つ。
「……えい」
石は動かない。
「もう少し力を入れてみたら?」
「うーん……」
ノエルが眉間に皺を寄せる。
すると。
ふわり。
石が数センチ浮かんだ。
「浮いた!」
ノエルが声を上げる。
しかし、次の瞬間には石が雪の上へ落ちた。
「できた」
「うん」
「昨日より簡単だった」
「何か違いはある?」
「昨日より、石が軽く感じた」
セイラスはしゃがみ込み、石を拾う。
「つまり、ノエルの力は自分の周囲にある物の重さを変えることができる」
「重さを変える?」
「たぶんね」
セイラスは石を地面へ置いた。
「もう一度やってみよう。今度は、この石をできるだけ軽くする」
「分かった」
ノエルが石へ手をかざす。
しばらくすると、石がわずかに浮いた。
「できた」
「じゃあ、次」
セイラスは少し大きな石を持ってきた。
「これ」
「大きい」
「さっきと同じように」
「うん」
ノエルが集中する。
だが、石は動かない。
「……無理」
「じゃあ、もう少し小さいもの」
次は木の枝。
その次は雪の塊。
さらに小さな石。
何度も繰り返すうちに、ノエルが浮かせられる物と、浮かせられない物の違いが少しずつ分かってきた。
「大きさだけじゃないね」
セイラスは雪の上に木の枝を並べた。
「同じくらいの大きさでも、重いものは動かしにくい」
「じゃあ、軽いものなら遠くまで飛ばせる?」
「試してみよう」
ノエルが枝に手を向ける。
枝が浮く。
そのまま、ふわふわと横へ移動した。
「すごい」
セイラスは枝の動きを追う。
「方向も変えられる」
「どうやって?」
「僕にも分からない」
「セイラスにも分からないことあるんだ」
「あるよ」
「なんか安心した」
「どういう意味?」
「分からない」
ノエルが笑った。
セイラスも枝へ視線を戻した。
「次は、もっと大きなものを動かしてみよう」
「何を?」
「僕」
「え?」
「僕を浮かせてみて」
ノエルの目が丸くなる。
「危なくない?」
「低いところからなら大丈夫」
「でも……」
「昨日、金属の箱を浮かせたんだから、僕だってできるかもしれない」
「分かった」
ノエルがセイラスの前に立つ。
セイラスはその場にしゃがんだ。
「まずは、僕の足を少し軽くしてみて」
「うん」
ノエルが手を伸ばす。
しばらくすると、セイラスの靴が雪からわずかに浮いた。
「浮いた!」
「成功だね」
「次は?」
「もう少し」
ノエルが力を強める。
セイラスの両足が雪から離れる。
ほんの数センチ。
それでも、確かに身体は浮いていた。
「……本当に浮いた」
「すごい?」
「すごいよ」
セイラスはそのまま両手を広げる。
風が外套を揺らした。
「これなら、いつかもっと高く飛べるかもしれない」
「飛ぶ?」
「うん」
「空を?」
「そう」
ノエルは空を見上げた。
白い雲の向こうには、冬の青空が広がっている。
「できるかな」
「できるようにすればいい」
セイラスは言った。
「力があるなら、使えるようになればいい」
「……うん」
その日から、二人の訓練が始まった。
午前中はノエルの能力。
石を浮かせる。
木の枝を動かす。
荷物を軽くする。
セイラス自身を浮かせる。
午後になると、屋敷の図書室でセイラスがノエルへ文字を教えた。
「これは?」
「……り?」
「違う。『旅』」
「たび?」
「そう」
「旅って何?」
「遠くへ行くこと」
「どこまで?」
「分からない」
「また分からないんだ」
「世界は広いからね」
セイラスは本を開いた。
そこには、見たことのない街の絵があった。
高い塔。
大きな市場。
見渡す限りの草原。
雪に覆われた山。
「ここ、行ってみたい」
ノエルが絵を指差した。
「じゃあ、行こう」
「いつ?」
「分からない」
「また?」
「今はまだ無理だから」
セイラスは本を閉じた。
「でも、いつかはここを出る」
窓の外には、屋敷を囲む高い塀が見えていた。
その向こうには、二人の知らない世界がある。
「セイラスは、どうして外に出たいの?」
ノエルが尋ねる。
「いろんなものを見たいから」
「それだけ?」
「それだけ」
少し考えてから、セイラスは続けた。
「僕は、この屋敷しか知らない」
「私も」
「だから、知りたい」
「何を?」
「外がどうなっているのか」
セイラスは窓の外を見る。
「この国の外には何があるのか。魔物のいる場所はどんなところなのか。その先には何があるのか」
「魔物の先?」
「うん」
「人が住んでないんじゃないの?」
「だから、見てみたい」
ノエルはしばらく黙っていた。
「……私も行きたい」
「本当に?」
「うん」
「怖くない?」
「怖いよ」
ノエルは正直に答えた。
「でも、ここにずっといるのも嫌」
「じゃあ、二人で行こう」
「二人で?」
「うん」
セイラスは右手を差し出した。
「僕は外のことを調べる」
「私は?」
「僕を守る」
「分かった」
ノエルはその手を握った。
小さな手だった。
セイラスの手も、まだ子供のものだ。
二人の間で、固い約束が交わされた。
「でも、どうやって出るの?」
「それは――」
セイラスは言葉を止めた。
窓の外を見る。
高い塀。
大きな門。
その先には広い道が続いている。
「考える」
「考えてないじゃん」
「これから考えるんだよ」
「じゃあ、私も考える」
「うん」
その日から。
二人は少しずつ、屋敷の外へ出る方法を考え始めた。
まだ、具体的な方法は何もなかった。
それでも。
二人には初めて、同じ目的ができた。
いつか、この屋敷を出る。
そして――
まだ誰も知らない世界を、自分たちの目で見る。
雪の降る庭には、二人分の足跡が並んでいた。




