主要人物の魔法と精霊
――第77話までの記録――
ここまでお読みいただき、ありがとうございます。
第78話へ進む前に、これまで登場した主な人物の魔法と、彼らに力を貸す精霊をご紹介します。
※第77話までの内容を含みます。
精霊の名前は、本編で明らかになったものを記載しています。マシュウの契約相手については、作中でも確定していません。
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【魔法と精霊について】
魔法の属性が同じでも、戦い方は人それぞれ。炎を飛ばす者もいれば、拳や剣に力を乗せる者もいます。
精霊と契約できるのは、精霊に選ばれた者だけ。その存在を呼び出すことを、顕現と呼びます。精霊は意思を持ち、契約者と言葉を交わしながら力を貸します。
さらに、精霊と一体になる力が、霊融です。レティシアが挑んだセヴランは、この力による一撃で勝負を決めました。
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【マシュウ・ファルニール】
属性:火
主な武器:拳
契約精霊:不明。サラマンダーという見立ては推測。
百年前から積み重ねてきた拳闘の経験に、火魔法を組み合わせて戦う。足運びで相手の懐へ入り、魔法で作った隙を打撃へつなげる。
覚醒後は魔力、魔法の威力、身体能力が大幅に増しており、拳そのものも以前より硬くなった。炎を使わない状態でも、すでに入学当初とは大きく違う。
〈普段使う魔法〉
・火炎矢
炎の矢を放つ魔法。離れた敵への攻撃だけでなく、進路を塞いだり、相手の防御を誘ったりするためにも使う。
・火炎壁
炎の壁を作る。昇星戦では、氷の上を滑るセリカの進路へ置き、動ける場所を狭めた。
・赫牙
炎を纏わせた拳を打ち込み、接触した箇所へ熱と衝撃を叩き込む。飛竜の翼の付け根や、魔物の硬い胸殻を砕いた一撃。
・灼嵐
拳による連続攻撃。相手の守りを打ち崩し、次の拳が届く隙を作って攻め続ける。
・砕星
蹴り込んだ足先で炎を炸裂させる。倒れてきた岩柱を砕き、仲間へ迫る障害を吹き飛ばした。
〈焔龍顕現〉
髪が炎へ変わり、身体に鱗が浮かび、瞳が龍のように変化する。飛竜をも圧倒する力を振るうが、発動中の身体を動かしているのは、マシュウ自身ではない。
仲間のもとへ戻ろうとしても、振り向くことさえできない。その身体は荒々しい声で笑い、敵を容赦なく引き裂く。
変貌中に使われた魔法には、次のものがある。
・焔龍爪
巨大な炎の爪を伸ばし、敵を切り裂く。牙嘴巨鳥との戦いでも使われた。
・焔龍獄
龍の姿を取った炎が敵へ巻きつき、締め上げながら焼く。飛竜の動きを封じた拘束の魔法。
・焔龍咆
口から凄まじい炎の奔流を放つ。飛竜の吐く風を押し切り、その身体を内側から焼いた。
これらは、普段のマシュウが自在に扱える魔法ではない。
また、彼は精霊を顕現させることができない。レティシアとヴァレクは変貌した姿から火の精霊サラマンダーを連想しているが、その正体は明らかになっていない。
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【レティシア・ヴェルナー】
属性:水
主な武器:杖
契約精霊:ネイレア
複数の水流を同時に操り、攻撃、防御、拘束を組み合わせる。放った水を再び集め、別の形へ変えながら戦いを続ける。
・蒼鞭
鞭のような水流で敵を打ち、絡め取り、体勢を崩す。障害物の向こうへ流れを回すこともでき、仲間の拳や剣が届く瞬間を作る。
・蒼瀑
大量の水を一気に押し寄せさせる魔法。昇星戦では、ロルフの風による迎撃を押し切った。
このほか、水を槍や壁へ変えることもできる。どこへ水を集め、どこを守るかという判断が、そのまま戦況につながる。
ネイレアは、長い髪が幾筋もの水流へほどける、女性の姿をした水の精霊。穏やかに言葉を交わし、レティシアの手や肩へ触れて力を貸す。
顕現すると、水魔法の規模と威力が大きく変わる。海難の際には二人を水の膜で包んだが、激流から抜け出すことまではできなかった。
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【ヴァレク・グランヴェル】
属性:重力
主な武器:長剣
契約精霊:グラウム
相手へ重さをかけ、動きを鈍らせたところを剣で追い詰める。穏やかな声と笑顔のまま、相手が抵抗できなくなる過程を楽しむ危うさを持つ。
・重刃
剣へ重さを乗せて斬り下ろす。防御や硬い殻の上から、押し潰すような一撃を加える。
・黒枷
重力で相手を押さえつける。突進を鈍らせ、踏み出そうとする脚を沈め、飛ぶ敵を地上へ引き下ろすためにも使う。
・引掌
対象を自分の方へ引き寄せる。敵の攻撃を引き受けて軌道を変えたり、離れた仲間へ手を届かせたりする際にも使う。
グラウムは、人の倍ほどの巨体を持つ重力の精霊。黒鉄色の身体と膝へ届きそうな長い腕、顔に灯る二つの白い光が特徴。
その力が加わった重力は、飛竜の巨体さえ押し下げた。今はマシュウと息を合わせ、拳が届く場所へ敵を留める働きも見せている。
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【リュカ・フェルド】
属性:土
主な武器:弓、短剣
狩りで培った観察と地形の読みを、弓と土魔法へつなげる。地面のどこを変えれば相手が動きにくくなるか、仲間が通れるかを考えて戦う。
・土隆
地面をせり上げる魔法。足場を作り、敵の脚を塞ぎ、逃げ道へ段差を置くなど、使う位置によって役割が変わる。
矢もただ正面から射るだけではなく、脚の内側や動く際に開く隙を狙う。仲間が前へ踏み込めるのは、彼がその一歩を支えているからでもある。
祖父の世界地図を作る夢を受け継ぎ、自分の足で土地を確かめている。
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【ネラ】
属性:風
主な武器:杖
・群牙
分かれた風を複数の方向から向かわせる。昇星戦では、槍を使うアーヴィンへ左右から攻めかかった。
近い距離で風の向きを変えることを得意とし、相手の手元を逸らすなど、短い風も使い分ける。マシュウから教わった足運びを取り入れ、魔法を放ったあとも相手を見て動く練習を重ねている。
【フェリクス・ローデン】
属性:土
主な武器:杖
・礫雨
小石を浴びせかける魔法。敵が防いだ隙に、自ら杖を持って踏み込む戦い方にもつなげる。
・縛冠
土の輪で足元を捉え、相手の動きを止める。
岩で身を守り、土の壁を作ることもできる。同じ土属性のリュカとは異なり、防御や足止めを杖による近接戦へ結びつける姿が描かれてきた。
【エリオ】
本好きで、マシュウの勉強と日々の練習を支える友人。自身も試合での敗北を受け止め、次へ向けて練習を続けている。
魔法の属性や契約精霊については、まだ詳しく明かされていない。これからどのように戦い方を育てていくかも、見守っていただければと思います。
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【ロルフ】
属性:風
主な武器:剣
・疾翼
風で身体を押し、鋭く踏み込む。
・翠刃
剣へ集めた風を、刃として放つ。
剣の間合いと風の勢いを組み合わせる剣士。レティシアの精霊魔法には敗れたが、風の使い方を工夫し、相手の守りへ届く道を探した。
【アーヴィン・ザイデル】
属性:雷
主な武器:槍
雷魔法と長い槍を使う。穂先を避けて近づいた相手にも、柄や石突で切り返すため、接近すれば安全になる相手ではない。魔法と武器、それぞれが届く距離を使い分ける。
【セリカ・ヴェイル】
属性:氷
主な武器:杖
・氷路
地面に氷の道を作り、その上を滑って位置を変える。
氷の矢による攻撃と足場の操作を組み合わせる。相手には踏み込みづらい場所を、自分が攻める道へ変えて戦う。
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【イリス・ベルナート】
属性:火
主な武器:短杖
マシュウと同じ火属性。火炎矢を使い、離れた相手へ炎を放つ。Aクラスでともに学ぶ仲間の一人。
【オスカー・リート】
属性:金属
主な武器:剣、小盾
金属を操り、形を変える。戦闘の装備だけでなく、留め具や補修など、道具を扱う場面でも魔法が役立つ。旅では、そうした働きが仲間の足を支えている。
【ボルグ・ハーゲン】
属性:土
主な武器:盾、戦鎚
土や石で盾と足元を支え、大きな敵の攻撃を受け止める。飛竜戦では、歪んだ盾へ土を盛りつけ、再び仲間の前へ立った。守ったあとには、戦鎚による反撃が続く。
【ディーン・ロウ】
属性:風
主な武器:二本の短剣
風を刃へ纏わせ、身軽に動いて攻める。足場や敵の傷を見つけて斬り込み、ほかの冒険者が作った隙を逃さない。学園へ通わず、現場で経験を積んできた同世代の冒険者。
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【セヴラン・ヴァイス】
属性:空間
主な武器:細剣
契約精霊:オルディス
透明な面によって、攻撃が進む方向を変える。レティシアとの挑戦戦では、剣を抜かずに彼女の攻撃を退けた。
オルディスは白梟の精霊。翼を広げると、透き通る羽に周囲の景色が分かれて映る。セヴランと言葉を交わし、その指へ頭を寄せる姿も見せた。
霊融すると、灰銀の髪が透け、瞳に銀の輪が浮かぶ。レティシアがネイレアと重ねた水の守りを破り、掌の一撃で勝負を終わらせた。
学園に十人だけいるSクラスの一人。ほかの九人の力については、これからの物語で。
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同じ属性でも、誰と戦い、誰を守るかによって、魔法の使い方は変わっていきます。
それぞれの選択とともに、彼らの戦いにもお付き合いいただけたら嬉しいです。




