10話 英雄王の右腕は謙虚系ナルシスト?!
一分と三十秒。
それはナナが依存思考型魔法人形を倒すのにかかった時間である。
走り出してすぐ急速に加速したナナは、ギルバートムの五倍ほどのスピードで魔法人形との距離を縮めた。
そして、そのままの勢いで魔法人形の右足に目にも止まらぬ速さで綺麗な正拳突きを決めた。
魔法人形の右足は木端微塵に吹き飛んだ。
支えの一つを失った魔法人形はその巨体を支え切れず、バランスを崩した。
その隙にナナは左足の方へ行き、そこに激しい蹴りを入れる。
そして魔法人形が前方に倒れ込んだところで、背中に踵落としを決めた。
その瞬間、魔法人形からパリンッ!という何かが割れるような音がした。
それは魔法人形の心臓とも言えるコアが割れる音。
ナナは魔法人形の胸元にあるコアを背中側から破壊したのだ。
途轍もない威力の踵落としであることが窺えた。
こうしてナナの戦闘は終わった。
一瞬の蹂躙であった。
「つっよ。」
もう、それしか言葉が出なかった。
人間の成せる動きではない。
いや、ナナは人間ではない。
なら、良いのか。
私は考えるのをやめた。
一方でギルバートムはというと、かなり苦戦しているようだった。
ギルバートムには何か作戦があるようで、魔法人形の関節部に魔剣を刺そうと奮闘している。
しかし、『強化』による強化があったとしてもまだ力が足りないようで、浅くしか刺さらない。
そのせいで、せっかく刺しても、魔法人形が力むとポロポロと外れてしまう。
「どうしたらいいんだろ。」
「助けが必要ですか?」
立ち尽くすギルバートムのもとに、颯爽とナナが現れる。
ギルバートムは、ナナはまだもう一方の魔法人形とまだ戦っていると思っていた。
そのためひどく驚いた。
「う、うわあぁぁ、え?
もう終わったんですか?」
「はい。」
「早過ぎません?」
「まあ、戦闘経験の差が違いますからね。
それで?
私は何をすればいいのですか?」
「あのデカブツの関節に雷属性の魔剣を刺し込んでほしいんですけど、ナナさんって魔剣作れますか?」
「作れません。」
「では僕が刺した魔剣を、パンチだのキックだので更に奥へ差し込んで抜けないようにしていただけませんか?」
「了解しました。」
ギルバートムはすぐさま無数の魔剣を出現させ、魔法人形の腕や脚、首や腰などの関節部分に向けて飛ばす。
ナナはギルバートムに言われたとおりに刺さった魔剣に次々と打撃を与え、更に奥へと差し込んでいく。
刺さった魔剣で体を動かしにくくなったのか、魔法人形の動きが鈍る。
「よし!」
ギルバートムはそう言うと指を鉄砲の形にし、人差し指の先端に魔力を集中させる。
その瞬間、魔法人形の目が激しい光を帯び始める。
「まずい!」
私はそう言って岩陰から飛び出し、全力で「ああああぁぁぁぁ!!!!」と叫んだ。
目からビームを放とうとしていた魔法人形は、私の大声による影響で一瞬動きを止める。
その隙に、ギルバートムが魔法を放った。
「『電磁砲が描く星座』!」
ギルバートムの声と共に、彼の指先から青い稲妻が放たれる。
魔法人形はコアを守ろうとして、腕を胸の前に持ってくる。
その結果、魔法人形の肘に刺さっていた魔剣に稲妻が直撃した。
するとそれを起点として、稲妻が魔法人形の体中に刺さった他の魔剣へと、まるで星座を描くかのように走り始めた。
稲妻は全身を巡り、魔法人形の体は青い光の線に囲まれた。
そしてギルバートムが指をパチンッ!と鳴らすと、魔法人形に強力な電気が流れた。
強い電撃を受けた魔法人形は、体がショートして倒れた。
ナナは倒れた魔法人形の胸元に耳を当て、コアの動きを確認する。
「ナナさん、どうですか?」
「コアの停止を確認しました。
これにて戦闘終了です。」
勝てた。
私は「ふう。」と息を漏らし、安堵する。
すると、ギルバートムが私のもとに近寄って来た。
「ありがとう、ソフィ。
危うく死ぬとこだったよ。」
「お耳、大丈夫ですか?
ちゃんと聴こえますか?」
「ん~、大丈夫ではないかな。
ソフィの声が小さく聞こえるからね。
ただ、鼓膜は破れてないと思うから、じきに治るんじゃないかな。」
「そうですか。
よかったです。」
「ナナさんはどうですか?」
ナナさんの方を見ると、魔法人形の胸からコアを取り出し、破壊しようとしているところだった。
再起動を防ぐためだろう。
私たちに視線を向けられていることに気づいたナナさんは、そそくさとコアを破壊すると、私たちのもとに駆け寄って来た。
「どうしましたか?」
「ナナさんはお耳、大丈夫ですか?
私の声でおかしくなってたりしませんか?」
「右耳が故障しました。
城に戻ったら付け替えます。」
「ご、ごめんなさい。」
私が謝罪すると、ナナは優しい声で言った。
「謝る必要はありません。
あの瞬間は、あの行動が最適解でしたから。
それに、私たちの耳のことを考慮し、声を少々抑え気味にしてくれたことに私は気づいています。
その優しさだけで十分です。
またこのような機会がありましたら、今回と同じく私の耳をぶっ壊す覚悟で叫んでください。」
「そんな機会が来ないことを祈っておきますね。」
私がそう言った時だった。
扉がゴゴゴと音を立てて開いた。
中は暗く、ここからでは何も見えない。
「どうやら、この依存思考型魔法人形に勝つことが、この扉を開ける条件だったみたいだね。
ソフィ、ナナさん。
先に進みましょう。」
私たちは導かれるがままに、扉の先へと歩みを進めた。
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扉の先には石のレンガで作られた長い廊下が続いていた。
一本道の先は見えず、闇へと向かって歩いているような感覚に陥る。
作られてからかなりの時間が経っているようで老朽化が激しく、いつ崩れてもおかしくない。
廊下を早く抜けたかった私たちは足早に先を急ぐ。
二分ほど歩き続けたところで、異変が生じた。
ナナさんが出し続けていた『火球』が、突然消失したのだ。
「どうしましたか?」
心配して私は訊く。
「大変微弱ではありますが、どうやら『霧散結界』が発動しているようです。」
「え?!」
私とギルバートムは驚いて、自分たちが発動している魔法を確認する。
しかし、私たちには特に変化はない。
私の『変身』は発動したままだし、ギルバートムの『雷球』も発動したままだ。
「僕たちは影響を受けていないみたいだ。」
「どういうことでしょう?」
「千年前の戦争において、レフィーリア様やキャメロン様のようなエレーナ様の味方は『霧散結界』の影響外にありました。
恐らくではありますが、彼らの子孫も『霧散結界』の影響外にあるのではないでしょうか?
あなた方はレフィーリア様の血を引く者ですから、『霧散結界』の影響を受けないのかもしれません。」
どういう理屈か分からないが、どうやら私とギルバートムのような千年前の戦争時にエレーナの味方だった者たちの子孫は『霧散結界』の影響を受けないようだ。
と言っても、この場にいる私とギルバートムには、恩恵が少ない。
戦闘スタイルが魔法を多用するものではないから。
私が知る中で、この恩恵を最も大きく受けるのはメローネフィリムだろう。
「となると、この先は僕たちだけで行った方が良さそうだね。」
「え?
ついて来ないのですか?」
私が訊くと、ナナが悔しさが滲む声で答える。
「申し訳ございません。
私たち魔法人形は、その名の通り魔法で動く人形です。
つまるところ、魔法が使えない場所では動くことが出来ないのです。
今はまだ大丈夫ですが、これ以上進んで『霧散結界』の中心部に入ってしまったら、私は資源ゴミと化します。
お荷物を抱えてエレーナ様と対面したくはないでしょう?
何があるかわかりませんしね。」
そんな事情があったとは……。
魔法人形には、かなり大きな弱点が存在した。
千年前の戦争時、魔法人形が壊滅した原因は恐らくこれだろう。
魔法人形と『霧散結界』は、あまりにも相性が悪過ぎる。
「それでは、私は一旦戻って馬車の状態を確認して来ます。
長いこと放置しましたから、お馬様たちがここらに住まう猛獣に食べられていないか心配ですしね。
というわけで、しばしのお別れです。
お気をつけ下さい、ソフィアリス様、ギルバートム様。」
ナナはそう言い残し、洞窟の外に向かって歩いて行った。
「なんか淋しくなったね。」
「そうですね。」
ナナのがいなくなっただけなのに、やけに静かになったように感じる。
私たちはエレーナのもとへと歩みを進めた。
ナナが鳴らしていたヒールの音とそれに付随した彼女の存在感に、どれほどの安心感を覚えていたのか、私は強く実感した。
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ナナと別れてから約一分。
私たちは遂に、それっぽい開けた場所に出た。
辺りは暗く、ギルバートムの『雷球』が照らす場所だけ見ることが出来る。
ギルバートムは右から左、下から上へと暗闇に光を当てていく。
かなり広い部屋だ。
『雷球』一つだけでは照らし切れない。
天井もかなり高いようだ。
すると、天井付近に光を当てた時だった。
ギルバートムが突然怯えるような声で言った。
「ね、ねえ。
あれ、何だか分かるかい?」
ギルバートムが指差す方向に視線を向ける。
するとそこには、人のようなものがぶら下がっていた。
首に繋がれた鎖によってぶら下がっている。
とてもじゃないが、生きている人間には思えない。
「し、死体……?」
目を凝らして深淵を覗くと、動物の骨のようなものがそれと共にぶら下がっている。
「何らかの儀式が行われた痕跡だろうか?
でも、こんな場所で一体何の儀式を……?
依存思考型魔法人形が守っていたのは何故……?
……って、大丈夫かい?!」
必死に考えるギルバートムの横で、私はヘニャリと力なく座り込んだ。
暗闇、変な儀式、死体、骨。
そう言ったものは、私に恐怖心を与えるには十分だったのだ。
「ごめんなさい……。
怖くて腰が抜けました……。
あ……!
も、もう無理です……。
意識が飛びます……。」
「ちょっと待って!
こんなところで倒れられたら困るって!
ソフィをおぶったまま『雷球』を出すのは無理だよ!
しっかりしてくれ、ソフィ!」
朦朧とし出す私の意識を、ギルバートムが何とか繋ぎ止める。
すると突然、ドサッ!という何かが落ちるような音がした。
ギルバートムは半ば反射的に、音が鳴った方へ光を向ける。
そこには、人のようなものが転がっていた。
慌てて天井付近に光を向けると、そこにあったはずの死体らしきものがなくなっている。
どうやら落ちて来たようだ。
「落ちて来ただけか……。
びっくりした。
僕たちがここに入って来る際に扉が開いたから、それで空気の流れが変わって落ちて来たんだろう。」
冷静に推理するギルバートムに対して、私はもう限界だった。
ギリギリ意識を留めているだけの状態だった。
「おくちから、しんぞうがとびでた……。」
「ソ、ソフィ?!
大丈夫だ!
飛び出てない!
だからしっかりしてくれ!
ソフィ!」
そして遂に、私は幻覚を見た。
死体がむくりと立ち上がったのだ。
全身を覆う赤く長い髪を自分自身で踏まないように気を付けながら、ゆっくりとこちらに歩いて来る。
「い、生きてる?!」
ギルバートムの言葉に「ワ……、ワァ……。げんかくじゃない……。」と脊髄で反応した後、私は涙を流しながら気絶した。
弱くてごめんね、ギル兄様……。
ー
ーーー
ーーーーー
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誰かの話す声が聞こえる。
「つまり……さんは……の継承者という……ですか?」
「はい。」
意識が少しずつ覚醒して来た。
「かなり……な思いをして来たのですね。」
「あなたほどではないとは思いますが、まあ、それなりに。」
「僕たち、分かり合えそうですね。
良かったです。
最初、殺されるかとおもいましたからね。」
「ご、ごめんなさい……。
・・・あら?
妹さんが、目を覚まされたようですよ?」
私はゆっくりと起き上がり周囲を見回す。
暗闇の中、『雷球』を明かりにして、ギルバートムと身長をゆうに超えるであろう長さの綺麗な赤髪を持つ女性が会話している。
「ギル兄様、そちらの女性は?」
「さっき天井から落ちて来た人だよ。」
「え?」
『天井から落ちて来た人』。
それって、さっきの……
「死体?!?!」
喋る死体という分けの分からない存在を目の前にして、私は混乱した。
それと同時に恐怖も覚え、体が震え出す。
「妹さん、本当に怖いのが駄目なんですね。」
「僕も今日、初めて知りました。」
楽そうに談笑する二人。
私が気絶している間に、一体何が起こったのだろうか。
「初めまして。
エレーナ・ダグラスです。
よろしくお願いします。」
「え?
死体がエレーナさんで、エレーナさんが死体で……あれ?
動いてるのは死体?
エレーナさん?
ん???」
「ソフィ、一旦落ち着こう。」
恐怖と寝起きのダブルコンボで、私の頭は回っていなかった。
そんな私を見て、ギルバートムはカバンの中から水を取り出し、私に手渡す。
それを飲み、私は少し落ち着いた。
「落ち着いたかい?」
「ごめんなさい。
もう大丈夫です。
続けて下さい。」
私がそう言うと、エレーナが改めて自己紹介を始めた。
「では、改めて。
わたくしはエレーナ・ダグラス。
英雄王レフィーリアの右腕にして、今もあるかは分かりませんがエレーラ大陸開拓部隊の隊長です。
そして、酉の魂塊の継承者でもあります。
ソフィアリスさんのことは、ギルバートムさんから大体聞きました。
その……、怖がらせてしまってごめんなさい。
お詫びと言ってはなんですが、わたくしに聞きたいことがあれば何でも訊いて下さい。」
英雄王レフィーリアの右腕、これは周知の事実。
エレーラ大陸開拓部隊、これも最近歴史の授業で習ったので知っている。
エレーラ大陸とはヴィクトリア王国が存在するこの大陸のことを指す。
この大陸は千年ほど前までは未開拓の地であり、およそ人が住めるような環境ではなかった。
それを人が住めるように開拓したのが『エレーラ大陸開拓部隊』。
当時、エレーラ大陸にはヒュドラやそれに匹敵する強い生物が無数に闊歩しており、それに対処するため、隊長のエレーナを筆頭に、少数精鋭のトンデモなく強い人ばかりで組まれていたらしい。
今のヴィクトリア王国があるのは彼らのおかげである。
問題は次だ。
酉の魂塊の継承者。
十二神獣については一通り学んでいるため、酉が『酉の十二神獣フェニクシア』のことを指しているのは容易に想像がつく。
だが、『魂塊』が分からない。
初めて聞く単語だ。
「あの、魂塊って何ですか?」
私が訊くと、エレーナが優しい声で答える。
「簡単に言えば、魂塊は十二神獣の魂を形にしたものです。
手にした者は十二神獣が持つ権能を行使できるようになります。
十二神獣は永遠の命が与えられており、死ぬことはありません。
しかし千年前の災厄との戦いで、ボクスデンの外の存在である災厄にはそのルールが適用されず、数多くの十二神獣たちが命を落とすこととなりました。
千年後に再び訪れるであろう災厄の襲来に備え、誰かが十二神獣の代わりをしなければならないと考えた当時の人たちは、レフィ様が持ち帰った十二神獣たちの亡骸から魂を抽出し、それを形にしたのです。
それが魂塊です。
わたくしはその内の一つ、酉の魂塊の継承者であり、酉の十二神獣フェニクシア様の権能『不死鳥』を使えます。」
「へぇ、凄いですね。」
私が称賛すると、エレーナは謙遜した。
「そんなに凄くはありませんよ。
わたくしは他の方々と少し違う継承の仕方をしましたから力が上手く制御出来ないんです。
その結果、目隠し必須になりました。
おまけにこんなところに隠れ住む羽目になって……。
もう散々ですよ。」
「違う継承の仕方とは、どういうことですか?」
「フェニクシア様は災厄戦において死亡致しました。
しかし、彼女の権能『不死鳥』は炎と永遠の命の力です。
彼女は死んだとしても、数日経てば蘇生するんです。
しかし、レフィ様が当時死にかけていたわたくしを助けるために、普通なら自分の意思で取り込まなければならない魂塊を、無理矢理わたくしの体内に入れ込んだのです。
その結果、わたくしは『不死鳥』の力で一命を取り止めましたが、体の中で半覚醒状態になったフェニクシア様の魂がわたくしの魂の中に溶け込み、体に異変が起きました。
容姿が限りなくフェニクシア様に近くなったのです。
当時は本当にびっくりしたものです。
目が覚めたら、自分の姿がフェニクシア様そっくりになっていて、おまけに見たもの全てを次々と焼き尽くしていったのですから。
流石に人里に行くのはマズイと判断して、ここに隠れて暮らすことにしました。
ものをまともに見れなくなったわたくしにとって、暗さは関係ありませんからね。」
「そんな事情があったのですね。」
「そうなんです。
人生っていろいろありますよね。」
本当にそうだ。
私なんて普通の女子高生だったのに、何故か異世界で生きることになったのだから。
「ところで、天井に鎖でぶら下がっていたのは何故ですか?」
「あれは趣味です。」
「しゅ、趣味?!」
予想の斜め上の答えに、私は目玉が飛び出そうになった。
天井で鎖でぶら下がることが趣味とは、なんとも個性的な趣味だ。
別にバカにはしてないよ。
「ソフィアリス様は、わたくしの容姿についてどのように思いますか?」
「よ、容姿?」
いきなり謎の問いを投げかけられ少し戸惑ったか、すぐに切り替えて私はエレーナを観察する。
きめ細やかな肌にスラリと長い手足。
後ろから見るとモデル体型のように見えるが、前から見るとグラビアアイドルや二次元でしか見たことない大きさの胸が目を引く。
目隠しをしているため顔の全体像は分からないが、整った鼻筋と綺麗な唇だけで、美人であることは容易に想像がつく。
何より目を引くのは燃えるような赤い髪だ。
ここで暮らしていた約千年の間、一度も切っていないのだろう。
ラプンツェルもびっくりするような長さだ。
しかし私の見える範囲では絡まりは全くなく、とてもサラサラである。
まあ、一言で言うならーーー
「ーーーとても綺麗だと思います。」
そう言った瞬間だった。
エレーナがガクッと肩を落とし、頭を抱えた。
私が何事かと心配すると、その状況とはかけ離れた言葉を並べ立て出した。
「そうなんです……。
わたくしは綺麗なんです……。
美しくて、綺麗で、可愛くって、世界で他に類を見ないほどの美人なんです……。
そのせいで、一体いくつの事件を起こして来たことか……。
姿形が変われど、わたくしの美しさは魂まで刻まれておりますから、決して廃れることはありません……。
分かっております……。
わたくしはただそこに存在しているだけで、『美人』という名の罪を犯しているのです……。
なので、贖罪のためにわたくしは、趣味の一貫として自身に罰を与えているのです……。」
ちょっと何を言ってるのか分からない。
私はギルバートムに助けを求めた。
「ギ、ギル兄様。
エレーナさんは一体何を言ってるのですか?」
「僕も同じような反応をしたよ。
なんか面白いよね。
凄い謙虚な姿勢で自身の美しさを豪語するんだからさ。
名付けるなら『謙虚系ナルシスト』ってとこだろうか。」
「ギル兄様も何を言ってるの?」
その間にもエレーナはどんどんヒートアップしていく。
「やはり『首吊りの刑』ごときでは、わたくしの美しさを消すことは出来ないようですね。
もうこうなったら、いっそのこと死ぬしか……。
でも、死んだら死んだで、わたくしの死化粧で人を狂わせてしまうかもしれません……。
死んでも尚、罪を犯してしまうなんて……。
あぁ……、わたくしは一体どうしたら……?
ごめんなさい……、美し過ぎてごめんなさい……。」
遂にエレーナは泣き出してしまった。
え?
本当に何で?
私は今、どういう状況に陥ってるの?
取り敢えず、私はエレーナを泣き止ませるために彼女の背中をさすることにした。
その際、自ずと彼女の背中を流れる綺麗な髪に手が触れる。
私は思考が停止した。
なぜなら、彼女の髪が人の髪だとは到底思えないほどに綺麗だったからだ。
サラサラすべすべで触り心地がとてもよく、まるでシルクを触っているよう。
そっと持ち上げてみると、ひんやりとした優しい冷たさと共にどっしりとした重みが伝わる。
私は自分の髪|(杏奈の方もソフィアリスの方も)に、それなりに自信があったのだが、これを触ってしまうと流石に自信を無くしてしまう。
何だこれは?
私は一体、何を触っているのだ?
我を忘れてエレーナの髪を触る私。
異変を感じたエレーナが私に問いかける。
「あ、あの、どうしましたか?」
「綺麗な髪だなって思いまして。
いや、なんかもう、綺麗の次元を超えてるんですよね。
その先に行っちゃってるんですよね。
ずっと触ってたい。
人の髪にこんな感情を抱くの、生まれて初めて。」
「あぁ、また罪を背負ってしまいました……。
こんなところでも、わたくしの髪による犠牲者がまた増えるだなんて……。
あぁ……、女神様……。
わたくしの罪をお赦し下さい……。
美し過ぎる髪でごめんなさい……。」
無言になってエレーナの髪を触る私と、大きな胸の上で手を組んで女神に赦しを乞うエレーナ。
現場はカオスだった。
この状況を見て、ギルバートムが呟く。
「そろそろ収拾をつけた方が良いかな。」
ギルバートムは二人の間に割って入って行った。
ー
ーーー
ーーーーー
ーーーーーーー
ーーーーーーーーー
「エレーナさん、すみませんでした。」
「わたくしの髪の前では仕方のないことです。
全てはわたくしの髪が、いえ、わたくしが美し過ぎるのが悪いのです。
あなたがわたくしに触れる前に、一言声をかけていればよかったのです。
全責任はわたくしにあります。
罰なら、このわたくしに……。」
エレーナの美貌は言葉だけではないようだ。
本当に気をつけなければならない。
髪に触れる際は特に。
あれはまるで危ない魔法にかけられたかのような感覚だった。
女の私でああなるのだ。
男なら文字通り狂ってしまうだろう。
幾つもの事件を起こしたという彼女の発言は、強ち間違いではないのかもしれない。
「落ち着いたところで、本題に入りましょうか。
エレーナさん、先ほど申し上げました通り、今、僕たちはとても困難な状況に陥っています。
現状を打破するには、あなたの『霧散結界』の力が必要なんです。
お願いします。
僕たちに力を貸してください。」
ギルバートムが頭を下げてお願いする。
エレーナは、つい先ほどまでとは打って変わったシャキッとした声で返答する。
「ごめんなさい。
いくらお願いされても、あなた方に力をお貸しすることは出来ません。
あなたもご存知だとは思いますが、わたくしがこの世で一番嫌いなものは魔法です。
なので、それを扱うスペシャリストであるあなたのお婆様を助けるのは、包み隠さずに言うと、とても嫌なのです。
冷たい人だと罵ってくれても構いません。
あなたの現状を全て知っても尚、この思いは変わらないのですから。」
「ならせめて叔父だけでも構いません。
叔父は魔法使いではありません。
どちらかというと苦手寄りです。
お願いします。
あなたしか頼れないのです。」
「そういう問題ではなくて……。」
エレーナは心を落ち着かせるように一度深呼吸をすると、続けて話し始めた。
「本当はお話しするつもりはなかったのですが、ここまで食い下がられれば、流石にお話しするしかありませんね。
実はわたくしにはレフィ様に命じられた大きな使命があります。
それはーーー
ーーー『この言葉が分かる者をここで待ち続け、現れたらその者をレフィ様だと思って仕えること』。」
それはたいそう綺麗な日本語であった。
およそこの世界の人間が話したものだとは思えないほどに。
何を言われたのか分からず呆然とするギルバートムをよそに、彼女は話し続ける。
「わたくしは災厄戦で、ボクスデンに関する全てを知りました。
なので、この言葉が何を意味するのか理解しています。
わたくしがこの使命を放棄したその瞬間、この世界は終わりを迎えるのです。
なので申し訳ありませんが、あなたの期待には答えられません。
本当にごめんなーーー」
「ーーー『では、私に力を貸すということでは駄目ですか?』」
エレーナが拒否し切る前に、私は日本語で彼女の言葉を遮る。
彼女はこちらを向いて、ポカンと口を開ける。
しばらくして、私が日本語を話したことを理解した彼女は、目隠しの隙間から流れ落ちるほどの量の涙を流しながら、胸の上で手を組んだ。
「あぁ、女神様……。
わたくしを見放していたわけではなかったのですね……。」
エレーナはそう言うと、手探りで私を見つけ出し、そしてぎゅっと抱き寄せた。
びっくりして私の口から「ヒョッ?!」っという謎の音が出る。
「ごめんなさい……。
あなたがレフィ様でないことは分かっています。
ですが……、今だけは……、どうかあなたを抱き締めることをお許しください。
あぁ……、レフィ様と同じ魂の形……。
本当にあなたなのですね……。
全く……、千年も待たせて……。
本当に悪い人ですね。
おかえりなさい……、杏奈様……。」
彼女の口から出た「杏奈」という言葉に、私は一瞬ギョッとした。
しかし、今詳細を訊くのは野暮だろうと思い、ただエレーナに身を任せることに専念した。
エレーナが私の髪を愛おしそうに撫で始める。
私は今、彼女の心に積もり積もった千年分の思いをぶつけられているようだ。
彼女が私にどんな感情を抱いているのかは分からない。
ただ、悪い感情でないことは確かである。
しばらくして落ち着いたエレーナは、晴れやかな顔で言った。
「ギルバートムさん、話が変わりました。
今ここであなた方を救わなければ、世界が終わることが確定しました。
魔女を救うのは、本当に嫌ですが……、あー……、本当に嫌……、ですが、わたくしは魂塊の継承者ですから、我慢するとしましょう。」
「本当ですか!
ありがとうございます!!」
ギルバートムが感謝の言葉を述べると、エレーナが早速切り出す。
「こういうのは早いに越したことはありません。
早速ルイスさんとレイリーさんのもとに向かいましょう。
わたくしの『霧散結界』で『死の呪詛』を霧散させに行きましょう。」
エレーナは立ち上がり、洞窟の外へと向かって歩き出した。
・・・ありえないほど長い髪と共に。
思わずギルバートムがツッコミを入れる。
「ちょちょちょ、待って下さい、エレーナさん!
流石にその髪じゃ、馬車に乗り切りませんよ!」
「え?
わたくしの髪はそんなに長いのですか?
た、確かに身長を超えているのは知っていましたが、まさか馬車に乗り切らないほどとは……。」
エレーナは目をまともに使えない。
自分の姿を見れないとなると、仕方ないことなのかもしれない。
「では、切りましょう。
ソフィアリスさん、いえ、ソフィ様!
お好きな長さで切って下さい!」
「わ、私が切るんですか?!
それより、ソフィ様って何ですか?!」
一度に二つの疑問が沸いた。
エレーナが優しい声で答える。
「先に許可を得るべきでしたね。
申し訳ありません。
レフィ様がわたくしに与えた使命は、あなたをレフィ様だと思って誠心誠意お仕えすることです。
しかしわたくしは今そんなことは関係なく、ただあなたにお仕えしたいと思っています。
どうかわたくしをあなたの家臣にして下さい!」
「か、家臣?!」
頭を下げるエレーナに私は驚く。
時代劇か何かですか?!
私は一瞬困惑したが、まぁ、悪い気はしなかったので許すことにした。
「分かりました。
私はあなたの主君になります。」
「ありがとうございます。
それでは、どうぞ一思いにやっちゃって下さい。」
「・・・え?!」
「はい?」
何だか話しが噛み合っていない気がする。
私はギルバートムに助けを求めた。
「ギル兄様、これは一体どういう状況ですか?」
「僕も詳しいことは知らないけど、千年前、一部の地域では主君と家臣が親交を深めるためにお互いの髪を整え合う文化があったって聞いたことがある。
たぶんだけど、彼女はその地域の生まれなんじゃないかな?」
「そういうことですか。」
全て理解した私は、鞘から短剣を抜き、エレーナに近づいた。
「ようやく理解できました。
エレーナさんのお望み通りーーー」
「ーーーエレーナとお呼び下さい。」
「・・・エレーナのお望み通り、一思いにやっちゃいますよ!」
私はエレーナの髪に目をやる。
本当に嫉妬しそうなほどに綺麗で美しい髪である。
切るのがなんだかもったいなく感じる。
生活面のことを考えれば、短くしてあげた方がいいだろう。
しかし、フィクションですら見たことがないような長さの、更に私ですらおかしくなるほどの美しさの髪を短くしてしまうのは、少し躊躇いが生まれる。
悩んでいると、エレーナが言った。
「安心してください、ソフィ様。
本当に嘆かわしいことですが、わたくしの美しさはソフィ様の手でも変えることは出来ないのです。
どのような長さであっても、わたくしは美しいままでしょう。
なので、わたくしのことなど考えず、ソフィ様の好きな長さでお切り下さい。」
「私の好きな長さ……。」
エレーナはそう言うが、どう思考を変えても、私は結局エレーナのことを考えてしまう。
「この長さだと朝の寝癖直しが大変そう」とか、「この長さだと座る時に踏んでしまいそう」とか、「この長さだと髪がすぐに汚れて大変なことになりそう」とか、ぐるぐると思考が巡る。
そんな時、一つあることに気づいた。
エレーナはここに約千年いた。
にも関わらず、抱きしめられた際、嫌な匂いはしなかった。
むしろ良い匂いがした。
髪だってそうだ。
千年間洗ってないだろうし、引き摺りながら歩いていただろうに、ほつれや枝毛が一つもない。
もしや……。
「あの、エレーナ。
もしかして、エレーナも大賢者に身体の状態が一定に保たれるようにされてたりしますか?」
「されてませんが……、いえ、ちょっと待って下さい。
確か十二神獣は体の時間を止められていたはずです。
わたくしは今、半分だけ十二神獣のようなものですから、もしかしたら一部適用されているのかもしれませんね。」
つまり彼女は私と同じく、一切の汚れを寄せ付けない!
なら、話しは早い。
私は一点に狙いを定めた。
「ここだぁ!!!!」
私の手で切られたエレーナの髪が、孤を描くように宙を舞った。
ー
ーーー
ーーーーー
ーーーーーーー
ーーーーーーーーー
「はぁ……、どうしましょう……。
ただでさえ美しかったわたくしの髪が、ソフィ様の手が加わったことで、より一層輝きを増してしまいました。
見えなくても分かります。
わたくしの美しさが肥大したことを。
今のわたくしが人前になんて出たら、美しさで人を殺しかねません。
あぁ……、わたくしは一体どうしたら……。」
一人、卑屈?な妄想に耽るエレーナの横で、私とギルバートムは会話する。
「もう少し短くしても良かったんじゃないかい?」
「そうするべきかなって思いましたが、結局この長さが一番良いっていう答えに落ち着きましたね。」
エレーナは目を使えない。
故に行動する際には、エスコートが絶対に必要となる。
そうなると彼女はエスコートされてる間、片腕しか使えない状態になる。
そして、彼女は恐らく私以外のエスコートを受け付けない。
そうなると私はエレーナと一緒にいる時、片腕しか使えない状態になる。
これは何かしらの非常事態に陥った時、とてもマズイ。
これを解決するために、私はエレーナの髪を使った。
エレーナの髪の一部を私の体に巻き付け、それを引っ張ることで彼女をエスコートする。
こうすれば、私たちは両腕を扱える状態でエスコートし、エスコートされることができる。
しかし、ある程度の行動の自由はほしい。
そこで、私はエレーナの髪をギリギリ地面に着地しないくらいの長さのところで切った。
この長さなら、私の腕に髪をしっかり巻き付けた上で、私たち二人のある程度の行動の自由も保たれると思ったからだ。
ただ、普段は普通に手を引いてエスコートするつもりだ。
あくまでこれは非常時の最終手段のようなものだ。
というのは、あくまで表向きの理由。
御託を並べたが、彼女の髪をこの長さにしたのは結局のところ、私がエレーナの髪に魅入られてしまったのが一番大きい。
これだけの長さと量があれば、自分の意思で触れに行かずとも、近くにいれば自然に当たってしまう。
それを狙ったのだ。
自分の意思で触れなければ、さっきのような暴走はしないはずだ。
唯一、あまりに長いとエレーナの髪が周囲の汚れを拭き取りながら歩き回ることになりそうで、それはエレーナも嫌だろうと思い、懸念点の一つであったが、それが払拭されたこともこの長さに落ち着いた理由の一つだ。
この長さだと、上を向いたら着地してしまうが、汚れないなら問題はないだろう。
「それじゃ、行きましょうか。」
そう言って、私は右手でエレーナの左手に触れる。
すると彼女は、私の右手ではなく右腕にしがみついて来た。
その結果、恋人同士がやるような腕の組み方になった。
「ちょ、ちょっとエレーナ?!」
「照れておられるのですか?
可愛いですね。」
「別に照れてません!
驚いただけです!」
「そうですか?
では、もっとぎゅっとしますね。
わたくしの美しさを、半分お裾分けです。
こんなにいらないので、貰って下さい。」
そう言ってエレーナは私の腕に一層強くしがみつく。
大きく柔らかい胸が私の腕を包み込む。
何だこれは?と思春期男子ばりにキョドっていたら、私の肩にエレーナが頭を乗せた。
私の右半身がエレーナの髪に包み込まれる。
サラサラの髪が首筋や腕だけでなく、膝裏や脹脛まで擽って来る。
「エレーナ、頭を乗せないで下さい!
たぶん歩きずらいですよ!」
「嫌です!」
「怒りますよ!」
私がそう言うと、エレーナは私の耳元に口を近づけ、そっと囁いた。
「でしたら、わたくしと二人でいる間は、その丁寧語口調をお止め下さい。
わたくしは知っているのですからね、今のあなたの口調が作られたものであることを。
何かしらの事情があるのは理解していますが、家臣にまで丁寧な言葉遣いなのはおかしいでしょう?」
「それを約束したら離れてくれますか?」
「はい。」
私はお返しとして、彼女の耳元に口を近づけ、そっと囁く。
「分かったよ、エレーナ。」
丁寧語じゃない口調で誰かに話したのは久しぶりだ。
私はなぜか気恥ずかしさを覚えた。
しかし、エレーナは気恥ずかしさを覚えるレベルではなかったようだ。
私の行動に、顔を真っ赤にしている。
私からほんの少しだけ体を離し、激しい動悸を抑えるように胸を抑えている。
「はぁ……、はぁ……。
今のは反則です。
わたくしを殺す気ですか?
あ、危なかったです……。
もう少しで堕ちるところでした……。
そっちがその気なら、わたくしも出すとこ出しますよ!」
「何を言ってるのか分かりませんが、なんか危ない気がするのでやめて下さい。」
そうして二人でイチャイチャしていると、遠くからギルバートムの声がした。
「まだ行けない感じかい?」
「い、行きます!
じゃあ、行こうか、エレーナ。」
「はい。
エスコート、よろしくお願いしますね♪」
私たちは一緒に始まりの一歩を踏み出した。
二つの揃った足音が洞窟の中に綺麗に響いた。
それにしても、エレーナは災厄戦でボクスデンに関する全てを知ったらしい。
私に対する行動もそれに起因しているのだろうか?
だとするなら、災厄は私に関係があるのだろうか?
災厄とは一体何なのだろうか?
一層謎が深まった。
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【十二神獣に関する資料】
賢暦1995年9月5日
中央国家セントリヤ代表代理 ネズ・スウマー
十二神獣は三千年前に活躍した魔法の女神アナスタシアの忠実な僕である。
現在は魔法の女神に代わって、世界の神としての役割を担っている。
十二神獣は魔法の女神の故郷に存在したとある御伽話がモチーフになっているとされているが、資料に乏しいため真偽は不明。
構成員は以下の通り。
子の十二神獣 オグニィ
丑の十二神獣 テリオス
寅の十二神獣 バイフー
卯の十二神獣 イヴァーナ
辰の十二神獣 ジークフリード
巳の十二神獣 ヨルガン
午の十二神獣 ユニカ
未の十二神獣 イギア
申の十二神獣 シュエン
酉の十二神獣 フェニクシア
戌の十二神獣 ペローネ
亥の十二神獣 シッテ
ただし千年前の災厄戦において、その内の七柱が死亡し、一柱が行方不明となった。
確かな生存が確認されているのは、子、辰、未、申の僅か四柱である。
そのため十二神獣の代役を誰かが担うため、十二神獣の肉体から魂を抜き取り、それから力の結晶である『魂塊』を生み出した。
今現在(賢暦1995年8月30日時点)、十二神獣として世界を守っているのは以下の通りである。
子の十二神獣 オグニィ(本人)
丑の魂塊の継承者 なし(魂塊はオグニィが保有)
寅の魂塊の継承者 ルイス・ストレア
卯の魂塊の継承者 グザック・ハウザー
辰の十二神獣 ジークフリード(本人)
巳の魂塊の継承者 ダイラァク・マトリオッツォ
午の魂塊の継承者 不明(魂塊の行方が不明)
未の十二神獣 イギア(本人)
申の十二神獣 シュエン(本人)
酉の十二神獣 不明(フェニクシア様自体が行方不明)
戌の魂塊の継承者 レジーナ・ダグラス
亥の魂塊の継承者 クリストファンペア・ヴィクトリアナ




