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学校では無口な彼女と学校でもイチャイチャする話  作者: ウパ戌


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89/95

発表後にて

「ふぅ……」


 俺は息を吐いてソファに沈み込む。京は今、自分の部屋で親父たちに電話で報告している。


「あきとっ」


 ぼふっと七海が俺の横に少し勢いをつけて座ってくる。


「京ちゃん受かって良かったよねー。これで来年度からは学校でも一緒だね!」

「本当に良かった……」

「ふふ、ねー」


 とてもやさしい、慈しむような眼差しで少し俯く俺のことをのぞき込んでくる。


「ねね、少し明人の部屋行こうか」

「え?」

「いいから、いいから」

「ちょっ……!」


 七海にぐいぐいと手を引かれて俺の部屋に連れていかれる。

 

 部屋に連れ込まれた俺は、七海によってベッドに押し倒されていた。いや、本当に何をされている?

 七海は俺に覆いかぶさるような態勢だったけれど、すぐに退いて、今は俺一人がベッドに倒れている状態になっている。


「あきと起き上がらないでね」


 そう念押しをすると、七海はこちらへ向かってくる。そして俺の頭を持ち上げてからベッドに座って、その太ももに持っていた頭をそのままゆっくりと落とした。


「よしよし。うれしいね。心配だったね。ずっと見守ってたもんね。偉かったよ」


 俺の頭がわしゃわしゃと撫でぐりまわされる。やはり、七海には敵わない。俺は七海の方へ寝返りを打つように体ごと向いた。


「本当に良かった……。京、めっちゃ頑張ってたからさ……。あいつの努力がしっかり報われてよかった」

「そうだね。京ちゃん本当に頑張ってたもんね。お兄ちゃんとしては鼻が高いねぇ」

「あいつには言えないけど」

「ふふ、お兄ちゃんだもんね」


 七海の手つきは時間が経つごとに柔らかく、優しいものになってきた。


「この明人、京ちゃんに見せてあげたいよ。見たらどんな反応するかなぁ」

「絶対に嫌だ」

「えー、絶対に面白いのに」

「兄の沽券に関わります」

「ちぇー」


 七海の不満そうな声が聞こえてくる。頭を撫でるペースはだんだん緩やかなものになってきた。とても暖かい。自分の事じゃないのに最近はずっと気を張っていたから、気が抜けて眠くなってきた。


「いいよ。あきと」


 その声を最後に俺の意識は途絶えた。



 

 次に目を覚ましても態勢は変わっていなかった。


「ごめんっ、寝てた」

「ん? 起きた? 全然寝てなかったから大丈夫だよ」


 俺は体を起こす。


「もうよしよししなくて大丈夫?」


 七海はニヤニヤとした顔でわざとらしく覗き込んでくる。


「まったく、ありがとな」


 そう言って俺は七海の頭をわしゃわしゃする。


「んにゃー!」


 七海も俺の手に合わせて頭を揺らして楽しそうにしている。


 コンコンッ


「おにぃ、入るよー」


 俺たちがじゃれている中に京がスマホを耳に当てながら入ってきた。


「お父さんが変わってだって」

「父さんが?」


 京からスマホを受け取って耳に当てる。


「よう。明人元気か?」

「うん。元気だよ」

「京、受かったみたいだな」

「そうだね」

「……」

「父さん?」

「だからなんだ。今週末、うちでお祝いをしようと思うんだが、久々にうちに戻ってこないか?」

「あー、そうだな」


 俺は七海の方をちらと見る。七海はどうしたの? って様子で首を傾げた。親には言ってないんだけど、どうしようか。


「どうした?」

「参加するよ。けどもしかしたらその時、一人追加で招待することになるかもしれないけどいい?」

「誰だ?」

「とりあえず本人から許可が出たら言うよ」

「……分かった」

「じゃあまた」

「おう」


 電話を切ってスマホを京に返す。


「一人っておねぇのこと?」

「まぁね。一緒に応援してきたからお祝いするときも一緒が良いなって」

「私は嬉しいけどさ、おねぇはいいの?」

「ねね、なになに? 何の話?」

「えっとね、お父さんたちが合格祝いしてくれるらしくて。それにおねぇもどうかって話」

「え!?」

「まぁ、びっくりするよね」

「七海。嫌とかだったら全然断ってもらっていいからさ。当然俺の彼女っていう紹介をすることになるし」


 七海はぽかんと口を半開きにしながら固まている。


「本当に断ってくれていいから、お祝いは俺たちで別で行えばいいし」

「……いくよ」

「え? 」

「行く! すっごく緊張するけど行くよ! だって京ちゃんのお祝いだし。しかもこれであきとの両親公認になれたら嬉しいもん」

「無理しなくてもいいんだぞ」

「ううん。行くよ。そうと決まればあきと! 京ちゃん! 当日の服一緒に選んで!」

 

 七海はそう言って僕たちを一緒くたに抱きしめてから笑った。

 

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